古代の首都セットフォード 1

P太が、ノーフォーク州の「Thetford セットフォード」と言う町に、仕事のミーティングで一人で行くことになったので、突如付いて行くことにしました。イースト・アングリア方面へ行くことは滅多にないので、車から景色を眺めているだけでも退屈しないだろうと思ったからです。本当に直前に同行することを決めたので、セットフォードに関する知識はまるでありません。それでも平日だし、地図上では底々大きな町に見え、チャリティショップ位はあるだろうから、それを見て回るだけでも十分だと思いました。
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町の郊外の工場地帯でP太に車から降ろして貰い、自力でとことこ町の中心部を目指して歩きました。
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「Bridge Street」と言う通りに入ると、家並みが旧市街地らしくなって来ました。しばらく歩くと、名前の通り、美しい鉄製の欄干が付いた橋が見えて来ました。このおっさん軍人は、イギリス人なら誰でも知っている70年代のコメディ番組(未だ再放送されている…)、「Dad's Army」に因む銅像だそうです。
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私が経験する限り、こんな風に中心を綺麗な川が流れる町には、雰囲気の悪い町はまずありません。
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この聖ピーター(ペテロ)教会のところで右に曲がると、
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町の目抜き通り「Kings Street」に入ります。夏休み中なこともあって、歩行者は結構多いんですけど、何となく眠くなる雰囲気ですね~。
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聖ピーター教会の向かいにあるのは、「Bell Inn」と言う老舗パブ。何でも、幽霊が出るらしい…。
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これは、セットフォード出身で、後にアメリカに渡り、哲学者&革命思想家として活躍し、アメリカ独立やフランス革命に大きな影響を与えたThomas Paine トーマス・ペインの像です。しかしこの像、何処から撮ってもちょっとポーズが変(笑)。後ろの花いっぱいの建物は、Town Hall 町役場のようです。
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セットフォードには、古い教会が三つあります。一つは前出の聖ピーター教会、もう一つはカソリックの聖母教会、一番古いのが、サクソン時代に起源を持つこの聖カスバート教会です。ウィリアム一世の征服(1066年)以前の教会は、イギリスでは貴重なのです。
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かつては多分結構広い墓地に囲まれていたであろうと思われますが、近年墓地部分を整備して削ったらしく、その時の墓石を土手の土留めに再利用しています!
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こちらなんて、歩道の壁面に墓石を埋め込んでいるし。ほとんど18世紀以前のもののようですが、脆い砂岩製なので、200年以上経って損傷の激しいものが多いようです。
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そして何故か、天使モチーフの付いた墓石が多い…。
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更にその先に進むと、マーケット広場に出ます。今は駐車場になっていて、マーケットは行われていないように見えました。逆光で暗いし傾いているひどい写真ですが、奥の建物は実はかなり立派で、かつてのギルド・ホールだそうです。現在は、アート・ギャラリーか何かになっているようです。
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その脇にあるのは、元マーケットの建物だったと思われます。今は軽薄なピザ屋とかで埋まっていますが、優雅な鉄細工が当時の活気ある市場らしさを物語っています。
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更にそこから、「Castle Street」言う通りが続いていました。名前からしてお城があるに違いないと、進んでみることに。フリントと言う石造りの家が多いのも道理で、この近くには、「Grime’s Graves」と言う先史時代の有名なフリント鉱山跡があるのです。昔からフリント石が豊富に採れるのでしょう。
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こんな古い木組みの家も混じっています。
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西洋のラッキーシンボル、馬蹄を沢山貼り付けた家。
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町の地図に寄ると、ノルマン時代の城の建物はまるっきり残っておらず、廃墟すらなく、せめて土溝跡位は少し見られるかな位に思って行ってみたのですが、…す、少しどころじゃない。ほぼ平坦な土地に、突如現れるボコボコ盛り上がった奇怪な地形。
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それもそのはず、この城跡は、中世の土木工事としては英国最大のものだそうです。ただし元々は、鉄器時代(BC500年頃)の要塞跡に、ノルマン時代に城を建てたとか。「motte」と呼ばれる、まるで巨大プリンのような形の、かつて城が立っていた人口丘を、三重の深い堀、二重の険しい土手が囲んでいます。
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土手にも登ってみましたが、確かに恐ろしく急です。登っているのは子供だけで、ちょっと恥ずかしかったけど…(笑)。この町には元々、BC1世紀のケルト系民族「Iceni」の、ローマと戦った女王「Boudica」の王宮が置かれていたと言われています。更に時代を下ったアングロ・サクソン時代には、イースト・アングリア王国の中心地だったとか。つまり今はこんな小さな町が、大昔は首都だった訳です。また現在は、ノーリッジイーリーと言う大聖堂都市のほぼ中間に位置しますが、かつてはセットフォードに司教座が置かれていたそうです。当時を物語る遺物として、現在大英博物館に展示されている、「Thetford Treasure セットフォードの宝」と呼ばれるの4世紀の見事な貴金属製品は、この近辺で発掘されました。
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人口丘に登るのは、その日は靴(サンダル履き)も不向きだったし、何より険し過ぎて断念。実際頂上から、子供が転げ落ちて来ましたよ(笑)。この他、ヴァイキングの来襲から守る為に、セットフォードの町は、かつて市外壁で囲まれていたそうです。全く予想外ながら、歴史のとても古い町で、大好きな中世の城跡&先史時代の要塞遺跡に出くわして大満足。そしてまだまだ、私の行き当たりばったりの散歩は続きます~。
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by piyoyonyon | 2014-08-21 15:32 | 旅行・お散歩 | Comments(0)


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