閲覧要注意! ハイスの骸骨教会

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一応ハロウィーン特集。今回の記事は、怖がりな方、視覚的ショックに弱い方、エグイ画像が苦手な方は、決して御覧にならないで下さい。P太からも、「本当にコレ、君のブログに載せるの…?」と心配された程です。しかし、今回私達がHythe ハイスに来た一番の目的は、元々この教会を訪れる為でした。
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町を見下ろす高台に立つこの教区教会は、正式名を「St. Leonard’s Church」と言いますが、地元民からは単なる「church」、また地元民以外からは「bone church」や「skull church」と呼ばれています。
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この教会のことは、以前義母から聞いてはいましたが、義母のことなので、名前も場所も失念していた為(彼女は頭の良い人ですが、場所や名前を憶えるのがメチャ苦手)、訪れることが出来ませんでした。ところが最近、ネットで偶然ヒットし、たちまち見たくて堪らなくなりました。
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教会自体は、極普通のノルマン様式の建物です。起源は11世紀。
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町の規模を考えると、結構大きく立派な内部かな。でも、特に印象的な部分は見当たりません。
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一度出入り口を出て、左手(東)に向かいます。するとこんな看板が。「Crypt」は、普通聖堂の儀式&埋葬用の地下室を意味します。
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更に、こんな細い入り口を潜ると…、
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…こじんまりした、綺麗な花々で溢れた花壇がありました。
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そして、お目当てはこの中にあります。これは出る際に撮影したのですが、実際には、私達が午後の一番最初の訪問者でした。受付係の女性が案内してくれて、内部には独特なカビっぽい臭いが漂っており…、
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…人骨の山!!  Cryptと呼ばれるものの、地下じゃないんですねー。割と陽が燦々と差しています。
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更に入り口と最奥には、こんな整列棚もあります。しかも両側。
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ここには、主に中世の人骨約2000体分(頭蓋骨だけなら1200個近く)が、400年以上前から保管されています。「Ossuary」と呼ばれる、言わば納骨堂ですが、日本の骨壷に入れた納骨堂と全く違ってダイレクト。
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これらの遺体は、今までは14世紀の黒死病(ペスト)の犠牲者とか、11世紀の「ヘイスティングスの戦い」の戦死者じゃないかと言われていましたが、最近の調査で、実はほとんどが自然死なのだと分かりました。死亡年はバラバラだし、男女の比率が同じ位だからです。今は火葬が主流のイギリスですが、昔は当然土葬だけだったので、限られた墓地の敷地は、割とすぐに遺体で満杯になりました。そこで百年毎位に掘り返し、言わば墓地をリニューアルしなければならなかったのは、ヨーロッパ大陸を初め、イギリスでも普通だったそうです。ところが、その際掘り出された遺骨は、大抵散骨されて現代では残っておらず、この教会のようにきちんと保管されている例は、イギリスでは極めて稀(国内に二つだけ)なのだそうです。
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とは言えこの教会でも、この納骨堂の存在は、長い間忘れ去れていたそうです。場所が、先出のように地下墓所ではなく、祭壇部分の先の外側で、ちょっと変わった位置にある為かも知れません。
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実は私、大量の骸骨を見るのは、今までも何度か経験済みです。主にカソリックの国では、教会、大聖堂、修道院などの地下にカタコンベがあり、骨が山積みされていることがあります。また、「聖遺体」と称して、御聖人様のミイラを金糸や貴金宝飾類で飾り立て、ガラスケースに入れて展示している場合が結構あります。でも、これ程沢山の人骨を、こんなに間近で見るのは初めて。
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「触らないで下さい」とサインがありますが…、一体誰が触りたいって言うんでしょうか! 何でも、現代人の肌の油分が、遺骨を傷めるそうです。骨の山がドドッと崩れて来て、自分に伸し掛かっても敵いませんしね。
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とは言え、400年の公開の間に、多くの人に撫でられて(おいおい)、ツルピカになっちゃった頭蓋骨も。
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私のカメラのオート・フォーカスが、骸骨の幾つかを顔と認識してしまい…、うう、たまらんのう。
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しかし、骸骨より余程薄気味悪いと思ったのが、このプリミティブなガーゴイル。この他にも、昔の大理石の祭壇の破片、ステンドグラスの破片、古代のケルティック・クロスの墓標、遺骨に残っていた髪の毛の束(さすがに気味悪過ぎて、ここでお見せ出来ません!)なんかも展示されていました。
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この時代、乳幼児の死亡率も相当高かったので、子供の遺骨も多いだろうと思いきや、実はほとんど残っていません。何故なら、小さな子供の骨は、薄くて脆過ぎる為です。例外は、上段中央の二つで、初めは、子供ではなく小人症の成人のものではないかと言われて来ました。子供の頭蓋骨なら、下段右端のように、成長過程独特の溝が入っているからです。しかし最近の調査で、5、6歳の子供のものだと分かりました。
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こうして冷静に(?)沢山の頭蓋骨を眺めていると、骨格に寄っては、目が寄っていたり離れていたり、頬骨が張っていたり、やけにおでこが出っ張っていたのが分かり、骨からして、生前はさぞかし美形であられたと思える骸骨と、そうでないもの(失礼)があるんだね…と、つくづく思いました。中央の若干小さめの二つは、ローティーンの兄妹のものと言われ、確かに良く似ています。
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中には、戦で負傷したと思われる、槍穴が開いている頭蓋骨等も残っています。しかし、槍穴部分の骨が再生されていた痕も判明しており、負傷後一ヶ月は生存し、多分脳の破損で死亡したのだろうと言われています(聞くだけでも痛い話だ…)。ところでこの頭蓋骨は、何故すぱーんと真っ二つに切れているのだろう??
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ほとんど子供のような好奇心で訪れましたが、受付係りの女性の興味深い説明を聴き、歴史や人体、人間の生死を考える、良い勉強の機会となりました。ただし、この日は週末だったので結構訪問者は居ましたが、この女性は、人がほとんど訪れない日でも、ここの入り口のデスクに、一人で居なければならないんだろうか?とずっと気になっていました。しかし、きっと慣れ切っているのでしょう。彼女のペンケースもドクロ仕様で、さすがはプロ!と思いました(笑)。公開期間は5月初日から9月いっぱいで、拝観料一人1ポンドです。
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by piyoyonyon | 2014-10-28 15:29 | 旅行・お散歩 | Comments(2)
Commented by にいく at 2014-10-29 22:08 x
カラフルで楽しいぴよよんさんのブログでは珍しい、この日の記事。でも、「オート・フォーカスが骸骨の幾つかを顔と認識」のところで、思わず噴き出してしまいました。ぴよよんさんのブラックなユーモアのセンスに感服!
Commented by piyoyonyon at 2014-10-31 18:21
にいくさん、こんなヒドイ記事を御覧下さって有難うございます。
私は、やはり受け付け係の女性のポーチのセンスが凄いと思いました(笑)。
こちらの人は、こういうものに関する感覚が、
日本人よりあっけらかんとしてるのかなーと思いました。


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。


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