ロムニー・マーシュのセンチメンタル・ジャーニー

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ハイスを去った後は、海岸線に沿って南西へ向かいます。ハイスの南西側には、「Romney Marsh ロムニー・マーシュ」、「Walland Marsh ウォランド・マーシュ」と呼ばれる平原が続いており、標高差の少ないイングランド南東部でも特に真っ平らな、独特な景観を持つ地域です。「Marsh」は湿地を意味し、かつてこの一帯は、ロムニーは古代ローマ人に、ワランドは中世に干拓されるまで、満潮時には海水に覆われる広大な干潟でした。その後肥沃な土地に生まれ変わり、今は豊富な農作物や良質な羊毛の産地として知られています。しかし、山間の田舎町で生まれ育った私は、こんな極めて平坦な土地では、非常~に不安な気持ちになります。なので、寂しげな風景に一層哀愁を感じ、ある意味忘れ難い程印象的です。
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この平野には、サクソンやノルマン時代の古い素朴な教会も点在しており、教会巡り用のパンフレットも準備され、結構人気のコースとなっています(上の写真2枚は7年位前に訪れた時のもの。P太が今より細い…)。
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まずは、ロムニー・マーシュのビジターズ・センターで、アイスクリームを買ってお茶休憩。P太がハニカム味で、私がラズベリーです。どちらも美味~。館内は、閉館時間間際で寂しい雰囲気でしたが、地域の自然(植物や生物)を紹介したり、地元産の羊毛グッズなどを販売しており、中々面白そうでした。
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ハイスの町の西からワランド・マーシュの先まで、海岸線に沿って、「Romney Hythe Dymchurch Railway」と言う、観光用蒸気機関車が走っています。イギリスのあちこちに、主に旧国鉄の廃線を利用して、観光用蒸気機関車に乗れる施設がありますが、これはその中でも特に人気が高い路線だそうです。
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ここの海岸は、イギリスでは割と珍しい砂の浜辺。丁度干潮時で、本当にダダっ広い砂浜が続いています。
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生憎この日は非常に霞んで視界が悪かったのですが、晴れて空気の澄んだ日なら、「Dungeness ダンジェネス」と呼ばれる 岬の灯台まで見えるはずです。
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ところで皆さんは、原子力発電所を実際に見たことがありますか? 私は福島県に住んでいましたが、当然わざわざ見学しに行きたいと思ったことはなく、間近で見たことは一度もありませんでした。このダンジェネスには、原発があるのです。ここまで来たついでに、今回近付いて見ることにしました。
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やはり思った通り、周囲には何もない、殺風景で荒涼とした土地に立っているんだな…と思いきや、実際には民家やビーチ・ハウス(海辺の別荘、休暇小屋)が結構存在します。一体原発の近くで、どんな人が休暇を楽しむのだろう??と疑問に思いました。
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例のRomney Hythe Dymchurch鉄道の終点も、この原発間近です。丁度終電が到着したところでした。
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はぼ海岸線に沿って走るとは言え、土地は真っ平らで、しかも路線は坊波壁の内側だから、実際には列車から海を見ることはほとんど出来ないはずです。それでもこの路線が大人気なのは、車体が子供向けかモデルのように小さくて可愛い!からのようです。私にはピッタリのサイズ…。
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駅員さんに比べて、いかに車両が小さいかがお分かりになるでしょうか。線路はここでループ状になっており、ここからハイスへ戻ります。
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やっぱり一度は乗ってみたいなー。
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原発の側に住んだり滞在して大丈夫なのかい…と、3.11の後の日本人なら誰でも思うところでしょうが、原子力発電と言うものは、問題さえ起こさなければ、非常に静かで空気や水も汚さないし、イギリスに多い石炭の火力発電所に比べると、ずっと快適で環境にも支障ないはずです。ただし、物凄い高圧電力を発しているのは確かなので、そう言うのに敏感な人は、頭痛がしたり、体調を崩すかも知れません。
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でも、人間の製造物・建造物で、絶対に故障・破損を起こさないものなど存在するのでしょうか?? イギリスには地震や津波はほとんどないにせよ、この原発は、波に洗われてどんどん崩れている不安定な地形の上に立っているそうです。ビジターズ・センターも併設されており、多分「原子力発電は、こんなに現代人の生活に欠かせないんですよ~」との説明が聞けるのだと思いますが、もしフクシマの原発反対のTシャツを着て行ったら、入館を拒否されるんだろうか(笑)。ところで、地図上で「ここ原発でっせ」と堂々と記している呑気な国は、せいぜい日本位なもので、普通は地図に原発とは決して明記しないんです。何故なら、テロや軍事攻撃の目標に真っ先にされる可能性があるからです。この原発から1km程離れた、当然建物そのものが見える場所の案内地図でさえそうで、「この後に及んで未だシラを切るか」とP太は笑っていました。
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原発の近くには、新旧の灯台が立っています。こちらは、すぐ側の古いほう。日中は内部見学も出来ます。
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この原発周辺は、未だ一応夏休み中だったと言うのに、浜辺はやけに人少なく、他には荒地、空港(実際機能しているのか不明)、倉庫かビーチハウスとして使われている古いコンテナ車両、自然保護区に指定されている多分湿地帯の名残りの湖沼、軍事演習地、醜いセンター・パークやキャラバン・パーク等が目立ち、確かに忘れ難い程侘しい悲しい一帯でした。結局この日のデート・コースは、☠骸骨教会☠と☢原発☢。我々以外には有り得ない、何だか凄い組み合わせだな…と話しながら、帰途に向かった私達夫婦でした。
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by piyoyonyon | 2014-11-03 15:35 | 旅行・お散歩 | Comments(0)


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