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大雪!の飯盛山

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会津若松市内昼食を済ませて、寒さで奪われた体力を少し取り戻したので、ここはやはり一丁飯盛山へ行かねば!と決心しました。幕末ドラマはP太も幾つか見ていて、会津の歴史についてはかなり齧っていることだし、会津若松へ来て飯盛山を訪れないのは片手落ちだと思ったからです。飯盛山は、戊辰戦争の際の白虎隊の自刃地で、隊士の墓地が設けられている場所です。山と呼ばれるだけに、会津盆地の東端に位置し、市内中心部や会津若松駅からは、バスに乗らなければなりません。丁度循環バスが、最寄のバス停に到着する時間でしたが、こんなひどい天気だから、もしバスが凄く遅れるようだったら諦めようと弱腰のP太。でもさすがは日本の交通。ほぼ定刻通りにバスに乗ることが出来ました。
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普段なら、会津でも最も有名な観光地の一つで、団体客がひっきり無しにやってくるような場所なのですが、この雪で静まり返っています。押し売りのような強引さで有名なこの辺りの土産物屋(最近はそれ程でもなさそうだが)、多くは開いているのか閉店しているのか分からない状態。
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墓所はこの山の中腹にあり、距離自体は大したことはないものの、かなり急な階段を登るらなくてはならないのですが、 雪で埋まって最早階段じゃない! とは言え、有料のエスカレーターに乗る気は毛頭なく、脇の傾斜の穏やかな歩道をぐるりと通っていくことにしました。
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途中、記念館に入りました(ショコタンや堺雅人も来たらことがあるそうな)。ちょっと展示が雑多で見辛いものの、中々興味深い内容でした。
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横道を行くと神社があり、その境内に、大敗した白虎隊の士中二番隊が逃れて通って来た、「戸口堰洞穴」と言う、猪苗代湖から水を引く用水路が通っています。水の流れが急で夏でも非常に冷たそうで、子供の頃はこれだけでも恐ろしく見えたものです。
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どちらにせよ、「さざえ堂」も見学する予定だったので、この脇道を回って正解でした。さざえ堂は、江戸時代後期に建設された仏堂で、正式名称を「旧正宗寺三匝堂」と言い、国の重要文化財に指定されています。
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外から見ると六角形の三重の塔に見える内部は、まるでサザエ貝の中のように螺旋式の斜路になっています。順路に沿って仏像等の信仰対象が展示されているので、進むだけで巡礼が叶うと言われている建物(因みにヨーロッパにも、キリストが処刑されたゴルゴダの丘を模した、似た趣旨の巡礼教会がある)。日本の各地に「さざえ堂」が存在しますが、この会津のものは、その中でも一番有名だそうです。
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何せ二重螺旋構造になっており、登りの通路は決して下りの通路と行き合わない複雑な構造なのです。フランスの世界遺産になっているシャンポール城にも、ダ・ヴィンチが設計したと言われる、こんな二重螺旋階段があるそうです。
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かつては三十三観音が設置されていたらしいのですが、今は「皇朝二十四孝」の額絵が掲げられています。信仰の対象なので、千社札がいっぱい。この建物へ友達を連れて来ると、例え建築に余り関心がなくとも、誰もが感心しますが、P太も「面白~い」と感心し切りでした。
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深い雪を踏み分け、顔に叩き付ける吹雪に耐え、やっと辿り着きました、白虎隊の墓所。普通はここは、参拝者や線香の煙でいっぱいなんですけど、この日訪れていたのは、私達も含めてバカップル3組だけ。
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正面は、自刃した隊士達19人の墓石です。会津戦争時は、遺体に手を付けることを官軍に禁じられていたので、三ヵ月後に近くの寺に仮埋葬された後、ここに墓が築かれたのだそうです。これより少し離れた場所に、自刃したものの奇跡的に生き残った飯沼貞吉の墓もあります。
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この右脇には、自刃前に戦死した隊士達31名の墓があります。
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そして左脇には、二本松少年隊など、戊辰戦争で戦死した同年代の少年武士達の慰霊碑です。
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この敷地には、白虎隊に感銘したローマ市やドイツ大使館員から寄贈された石碑があるのですが、雪に埋もれて何が何だか分かりませんねー。
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因みに、正面階段を上から覗いたらこんな感じ。試しに一歩降りてみたら、カチカチに凍っていて、奈落の底まで一気にツルーッと落ちそうな程滑りました。文字通り、一歩足りと進めない状態(ソリなら早そうだが)。
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人気のない薄暗い墓地で怖いと言うよりは、遭難しそうな恐怖を感じました(笑)。前回会津若松を訪れた時、これ以上の酷い天気に来ることはなかろうと二人で話していたのですが、記録を更新しちゃいました。しかし、まるで斉藤清の版画のような、会津らしい風景・天候と言えば、確かにその通りなのです。
by piyoyonyon | 2015-02-28 15:33 | 旅行・お散歩


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。


by piyoyonyon

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