サウスダウンズの隠れ里サドルスコム

お誕生日にライに行って以来、しばらく晴れた週末に恵まれなかったイギリス南東部。それでも何処か出掛けたいね~と言うことで、近場の「Devil’s Dyke デヴィルズ・ダイク」と言う小高い丘に行くことにしました。
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「小高い」と言っても、海抜自体はせいぜい200m程度なんですが、ブライトンのすぐ北で、周囲は平地だから眺望は抜群、ハイキングやバイク乗り、パラグライダーに最適な場所なので、いつも人気の高いスポットです。東西にはサウスダウンズ丘陵地帯が連なり、南にはイギリス海峡、北には「weald ウィールド」と呼ばれる森林地帯が見渡せます。因みに、この一帯が国立公園に指定されています。上の写真は西方向で、眼下に見える村はフルキング。この丘の先には、ノルマン時代のモット&ベーリー式の城跡も残っています。
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鉄器時代の要塞遺跡、イギリス一大きな乾谷(沢や川が流れていない谷のことらしい)を持つ丘でもあります。この谷は、悪魔に寄って掘られたと言う伝説が残っています。ウィールドにはサクソン時代から教会が多く、キリスト教会=神聖な場所=悪魔にとっては敵と言う訳で、怒った悪魔が、ウィールド一帯を洪水で全滅させようと、海の水を引く為、丘を削ってこの谷を掘ったのだそうです。ところがその大きな掘る音に驚いた雄鶏が鳴いて、朝が来たと勘違いした悪魔は、慌てて土砂に埋もれてしまい、計画は未遂に終わったとか(どうもイギリスの伝説に登場する悪魔は間抜けだな)。上の写真は北方向で、手前に要塞の土塁が見えます。
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頂上にはパブがあり、今でも人気の行楽地ですが、ヴィクトリア時代には北側から登山電車が通じ、南側には鉄道が通り、頂上に遊園地があり、また乾谷には英国初のケーブルカーが跨り(当時の写真を見ると単なる檻状のゴンドラで凄く怖い!)、かつては更に観光化が進んでいたようです。---元々海風が直撃する場所ではありますが、この日は殊更風が強く&冷たく、頂上に居ることは早々と断念しました。
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しかし今回は、元々デヴィルズ・ダイクに行くのなら、ついでに「Saddlescomb サドルスコム」の村も訪れてみようと言う予定でした。デヴィルズ・ダイク自体がナショナルトラストの管理下にあり、このサドルコムも、村全体がナショナルトラスト管轄になっています。
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知らなければ絶対気付かない、一見何の変哲もない山間の村(village)…、と言うか、農家が数件のみ集まった集落(hamlet)ですが、実は歴史的に興味深い場所なのです。
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1000年以上続く集落で、かつてはテンプル騎士団の村だったと言われています。テンプル騎士団は、12世紀に設立された騎士修道会で、つまり修道士であると同時に戦士である、僧兵だった訳です。当時はエルサレムへ巡礼する旅人を保護する為に、順路のあちこちにテンプル騎士団の村が設けられていたそうです。
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納屋の一つは、古い農具やパネルを展示した資料室になっています。
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ワラワラと一斉にやって来た七面鳥の群れ。農村らしさに溢れています。
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ハイカーの為に、カフェも設置されています。中々良さげな雰囲気でしたが…、ケーキはイギリス人しか食べない甘ったるそうなものばかりだし、値段も街中と分からぬ高さだし、トイレもなさそうだったのでパス。
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納屋を改造したカフェの中を、鶏が自由きままに歩いています。
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イギリスの典型的な長閑な農村ですが、中世の建物が残っている訳でもなし、理由を聞かなければ、本当に何故村全体がナショナルトラストで管理されているのか不思議に思う程でしょう。
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この村で一番興味深かったのが、このDonkey Wheel。私有地を避ける為、遊歩道がかなり遠回りで、ちょっと行き方が分かり難い場所にあります。
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言わばハムスターの回し車の巨大版で、車輪の中にロバを入れてひたすら歩かせ、地下深い水を汲み上げる仕組みらしいのですが、実際にはロバだけでなく子供も働いたとか。
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この集落の周辺には、青銅器時代の古墳も残っているそうです。車のない時代には、さぞかし来るのが不便だったであろうと思われる立地ですが、太古から結構重要な土地であったようです。
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by piyoyonyon | 2015-04-29 15:38 | 旅行・お散歩 | Comments(0)


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