イギリス軍事史の代弁者、ドーヴァー城 2

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イギリスでヨーロッパ大陸に最も近い立地の、軍事的にも最も重要だったドーヴァー城に来ています。グレート・タワー内部を見学した後は、内庭壁部分にはめ込まれた、幾つかの博物館を見学します。元は兵舎に使われていたようですが、現在はカフェや売店も、この城壁に嵌め込まれています。
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まずは、「Arthur’s Hall アーサーズ・ホール」と呼ばれる、グレート・タワーのあらましを紹介する資料室。ヘンリー二世と、その「面倒な家族」(本当にそう書いてある)について、説明する映像が流れています。ヘンリー二世は、国王としては中々優秀だったのに、妻のアキティーヌ女公エリナーを始め、息子達(リチャード一世、ジョン王等)は問題ばかり起こす、心休まる暇のない可哀想な王様でした。
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グレート・タワーの模型もあります。模型大好きで、幾ら眺めても飽きませんが、未だ見るべき場所は山程あるので早々に引き上げました。
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その隣は軍事博物館。チャールズ二世(17世紀)以降の、イギリスの戦争の歴史を説明しています。
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正直言って、見ていて余り嬉しいものではありません。この日本軍の刀や署名入りの日の丸なんて、怨念篭っていそうだし。
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かなり熱心に説明を読んでいたP太も、余りの戦争の多さに、仕舞いには気が滅入って来たそうです。
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唯一興味深かったのは、第一次世界大戦中に、女性達が愛国心と戦勝、兵士の無事、慰安の意味を込めて制作した手芸品の数々。緻密さ具合に、祈るしかなかった彼女達の心中が偲ばれます。
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人気のコレクタブルにもなっている、繊細な刺繍が施されたシルク地が挟まっている絵葉書
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これら「戦争手工芸品」は、アンティークとしても人気で、常に割と高値で取引されます。
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それと、1ペンス・コインを記念メダルに改造する機械に、思わず目が留まりました。1ペンス玉を自分で用意する他に、制作費用に1ポンド掛かります。楕円に変形させ、図案は幾つかの中から選べます。日本では自国の通貨を改造するのは違法ですが、イギリスでは観光地で良くあるアトラクションだそうです!
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その脇に、イギリスでは非常に珍しい両替機が設置されていました。これも展示物かと思えるレトロ具合。両替すると、1ペンス玉がオマケで付いて来るそうです。
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カフェでは、屋外席の後片付けが停滞していた為、残飯がカモメに狙われていました。チップスは、イギリスのカモメの好物!
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続いて、王の門から内庭の北西側に出ます。この橋の下に、「中世のトンネル」の入り口があります。昔の秘密の抜け道だったそうです。地下へ続く階段を下りた後は、かなり急な坂道を下ります。
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すると、こんな砲台に出ます。これは、ナポレオン戦争時代に作られたもの。大砲は何故か空堀に向けらています。上部の「王の門」が、防衛的に最も重要だったのかも知れません。
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ここの窓から覗くと、非常に急な空堀の斜面に、本物の羊が居て驚きました。山羊のような脚力。
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この現在舗装されて道路になっている部分は、かつては空堀だったようです。
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空堀壁の一部は、近年にレンガで固められ垂直になって、敵の侵入を絶対拒む造りになっていました。防衛に対する緊張が感じれます。
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北東の土塁は、刳り貫かれて武器倉庫が建てれています。第二次世界大戦中には、この敷地の下に複雑な地下壕が張り巡らされ、それを回るガイド・ツアーもあります。
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土塁の上には、大砲の他に、近代の飛行機を打ち落とす為の機関砲が設置されています。その後ろで、カップルがいちゃ付いていますね…。
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続いて本丸の南東側、「Church of St. Mary in Castro 城の聖マリア教会」を見学します。隣に立っている更にボロボロの塔は、なんと古代ローマ時代(1世紀)築の灯台で、現存するイギリス最古の建造物の一つだそうです。
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この日は本当に視界が良く、34km離れた対岸のカレーは、非常に身近に見えました。P太にとっても、これ程フランス側がはっきり見えたことはないそうです。
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東にはフェリーの発着場所。イギリスで最も忙しいフェリー港です。
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ローマ時代の灯台は、実は八角形の塔です。中世には、教会の鐘楼として使用されたそうです。
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教会の内部。この教会は、ドーヴァー城に駐屯する兵士の教会として重宝されましたが、17世紀に一度廃墟となります。この姿は、19世紀に再建されたもの。
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サクソン時代の出入り口のアーチが残っていました。
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イギリスでは珍しい、細かいタイル張りのモザイクの壁画装飾が目を引きます。
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もし時間があれば、本当はこの近くの同じくEHの城も訪れる予定したが、そんな余裕は全くありませんでした。それどころか、この敷地内だけでも、まだまだ見るべき所があり、出来れば午前中にやって来て、一日中滞在しなければ時間が足りない程、広大で充実したドーヴァー城です(…でも18ポンドはやっぱ高い!笑)。そして、ここを訪れるのには、天気の良い日を選ぶのが本当に重要だと思います。
 
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by piyoyonyon | 2015-10-04 15:32 | 旅行・お散歩 | Comments(4)
Commented by さちこ at 2015-10-06 17:19 x
怨念という言い方はどうでしょうか・・・
無事帰るようにと、周りの人も祈りを込めて署名した旗を持たせたのでしょう?
日の丸を広げてみてください。持ち主の名前、住所、所属部隊と、周りの人の名前や無事を祈る言葉が書かれていますよ。
遠い英国に適当に飾られている旗、持ち主の家族のもとに帰りたいという気持ではないでしょうか。
Commented by piyoyonyon at 2015-10-06 18:38
さちこさん、こういうものを目にするのは初めてではありませんが、確かに最初は戦勝や無事を祈る「念」がたっぷり篭っていたのを、当時の敵国に渡って結構投げやりに展示されて、無念や怨念に変わったかのように感じられました。
旗はまだしも、本当に人を殺したかも知れない日本刀(や他の武器)からは、異様な雰囲気が漂っていました。
旗を広げることは勿論不可能ですし、ここへ展示されている経緯も分かりませんが、出来れば日本人から好意で寄付されたと信じたいです。
Commented by さちこ at 2015-10-10 00:13 x
いろいろな感じ方がありますね。

私のコメントがお気に触ったようで申し訳ありません。
Commented by piyoyonyon at 2015-10-12 17:09
さちこさん、こちらこそ、お気に触ったようで申し訳ありませんでした。
世代や状況や思想で、感じ方は色々変わると思います。ただ、こういう展示を見て何も感じなくなったら、終わりかなとは思います。


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。


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