ウォルマー城とディール城

EH(イングリッシュ・ヘリテイジ)の年会員の有効期限が、そろそろ迫って来ました。そこで、天気のまあまあの週末には、前から行きたかった&未だ訪れていないEHを、積極的かつ優先的に訪れることにしました。
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リストのトップにあったのが、ケント州の「Walmer Castle ウォルマー城」。ここは、EHには珍しく、庭園も見所の一つなので、訪れるなら花々の見頃の季節でなければ、と思っていました。
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途中高速道路で2回も事故渋滞に巻き込まれ、予定より2時間位遅れてやーっと到着。この日の天気予報は「晴れ時々雨」だったものの、その時は快晴で、こりゃ庭を歩くのには有難い…と思いきや、何と今日は閉館。…え?? 今日って閉館日だった? いやいや、前日ガイドブックで、この期間は毎日オープンと、しっかり確認したはず。そう、入り口には手書きのサイン・ボードがあり、なんと城主の催しの為、突然閉鎖したそうです。私達の他にも、がっかり帰って行く訪問者は後を絶たず。その中には、ドイツ・ナンバーの車も。
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仕方なく、外側から城の写真を撮りました。城は深い空堀で囲まれていますが、その堀でさえ、今は良く整備された庭園になっています。
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この城は、空から見るとクローバー型をしているそうです。
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ウォルマー城は、元々は16世紀にヘンリー八世に寄って建てられた軍事要塞でしたが、その後ワーデン卿の公邸となりました。歴代の城主の中には、ナポレオン戦争で活躍した英雄ウェリントン公爵元帥も含まれ、ウェリーズ(ゴム長靴)の語源となった元祖ウェリントン・ブーツも、城内に展示されているそうです。
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元はと言えば、ローマ・カソリック教会と絶縁し、新たにイギリス国教会を(勝手に)設立したヘンリー八世が、大陸のカソリック教徒からの攻撃を恐れて建てた要塞なので、海岸線まではすぐ近くです。海に向かって、大砲がズラリ。と言うか、道路に向けられていて、ちょっと怖い。
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堀を囲む塀には、エリゲロンの花が沢山生えていました。
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因みに、これが門から覗いた庭園の一部。フォーマル・ガーデンらしいので、余り私の好みではないかも知れませんが、さすがに建物とはばっちり絵になるようです。
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もうこの城には来る機会は二度とないだろう…と言うか、結構マジで怒り心頭で、二度と来るもんかいとさえ思います。現在の城主は、普段は門番の家に住んでいるらしいのですが(多分自力で城を管理出来ない為)、イベントをするなら平日にしろと思います。そして、それを許可するEHも、やっぱり頼りないなあ。
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仕方なく、時間が余ればついでに見学する予定だった、すぐ近くの「Deal Castle ディール城」に向かいます。ディール城も、16世紀にヘンリー八世に寄って建てられた軍事要塞ですが、ウォルマー城と違い、その後貴族の居城になることはなく、ずっと無骨な軍事利用のままでした。以前昔の絵葉書の航空写真を見た時、まるで人喰い巨人が壁を壊して襲って来るあの漫画の舞台みたいだと興味を持っていたのですが…、
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地上から見ると、城、低ぅぅ!! 車ですぐ側を通過して、思わず見落とすところでした(笑)。海抜の極めて低い平坦な海岸際に立っている上、建物自体が低くてぺっしゃんこなのです。
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実際には、城の間に深い堀がある為、敵は簡単には近付けませんが、この低さじゃあ、海から攻めて来る敵の軍艦に対して、大砲も大して飛ぶまい。
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ヘンリー八世は、四番目の妻となるドイツのグレーヴス公爵令嬢のアンが、イングランドに初上陸する際、この城で晩餐会を催す予定でした。しかし、アンの実物を見たヘンリーが、結婚をドタキャン(…と言うか既に書面で結婚していたので即効離婚)したのは有名な話です。
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言わば幻のロイヤル・ウェディングの城かも知れませんが、ヘンリーからすぐに離婚された為、アン・オブ・グレーヴスは処刑されることもなく、ヘンリーの六人の妻の中では一番最後まで生き延びました。
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こう言った昔の軍事要塞に、大砲の展示は付き物で、特に注意書きがなければ、子供も大人も乗って遊ぶのは、イギリスの常識のようです。
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丁度雨が降り出したので、内部を見学しましょう。何故か、最初に地下から入ってしまいました。
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城の中央地下部分に、井戸があります。
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展示室になっています。
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外壁に沿って、こんな人一人がやっと通れるような隙間が張り巡らされ、兵士が敵を見張っていたようです。
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こんな小窓も所々にあり、あちこち不思議な造りです。
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一階(注:日本式に)に上がります。ここは兵士達の食堂室だったようです。
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昔のオーブンが残る厨房。
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手押しポンプは、地下の井戸に繋がって水を引き上げることが出来たようです。
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今でも軍事式典用に使用されているらしい、小さな礼拝堂がありました。この裏に、使用可能なトイレ(念の為水洗)が、いきなり設置されていました。
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城の平面図。「チューダー・ローズ」と呼ばれる花型で、一瞬可愛く見えますが、あくまで出来るだけ大砲を四方八方に飛ばす為の工夫だそうす。
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城の中央の井戸の上は、螺旋階段になっていて二階へ続きます。
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階段の天井は六角形。昔はここから屋上へ通じたのでは?と想像します。
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二階は、上官達の執務室や居室になっていて、この城で一番贅沢な造り。
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16世紀当時の壁。藁をチョークで固めた漆喰です。丁度雨が激しく降っている間、城内で過ごしました。
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雨が止んだので、城の外の海岸も歩いてみました。
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現役の漁船が並んでいます。前以て申し込む、漁船ツアーもあるそうです。その後ろに見えるのは、英語で「pier」と呼ばれる桟橋。イギリスの桟橋の先端の建物は、ゲーセンや遊園地なっている派手な装飾のものが多いのですが、ここのは単なる魚釣り場みたい。ディールは、海辺の観光地と言うより、素朴な漁村の雰囲気が色濃く残っているように感じました。
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こちらはドーヴァー側。大きなフェリーが、何隻も通過しています。どうやら雨雲が再び近付いています。
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ウォルマー城のついでに訪れるつもりだったディール城でしたが、結局十分楽しめました、しかし、折角庭園用の服装で来ていたから、ウォルマー城が閉館だったのはやっぱり悔しいぞ…。ドーヴァー城、ウォルマー城、ディール城と、共にEH管理でほぼ隣接していますが、全部を一日で見て回るのは無理なようです。海外からの旅行者であれば、EHの9日(or16日)間パスを購入して、近場に一泊以上することをお勧めします。
 




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by piyoyonyon | 2016-07-25 15:30 | 旅行・お散歩 | Comments(0)


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。


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