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川と修道院の古都シュルーズブリ

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旅行二日目のメインは、シュロプシャーの中心地「Shrewsbury シュルーズブリ」です。4年前のシュロプシャー旅行で、木組みの家だらけの城下町「Ludlow ラドロウ」がすっかり気に入り、州都シュルーズブリもそれに負けない程魅力的な、中世の面影を色濃く残す町と聞いていたので、是非一度訪れてみたいと思っていました。尚、日本語では「シュールズベリー」と記載されることが多いようですが、ウィキぺディアの英語版だと発音記号が「シュルーズブリ」に近いので、これで通すことにします。
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シュルーズブリは川の町。大きく湾曲した川に囲まれた、まるで中州か半島のような地形に在ります。かつて川が自然の要塞として重要な役目を果たしていた為で、スイスのベルンやフリブール、チェコのチェスキー・クルムロフ等、歴史的な美しい街は、しばしばこういう場所に築かれています。言い換えれば、こんな立地に在る古い町に、雰囲気の悪い町はまずないと言うこと。
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この川は、ウェールズのスノードニア近くに源流を持つ「River Severn セヴァーン川」で、 この下流には世界遺産の「アイアンブリッジ」があり、河口付近ではウェールズとイングランドの国境を流れます。
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前日、チェスターの木組みの家が思ったよりも新しくて、ちょっとガッカリしていたのですが、シュルーズブリでは、本物のチューダー時代の建造物らしい木組みの家を沢山見掛けました。
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これこれ、木組みの家と言えば、傾いていなければ(笑)。
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丁度正午頃到着したので、まずはお昼御飯を食べる場所を探しました。選んだのは、フレンチの「Bistro Jacques」。リヴァプールを中心に展開するチェーン店だそうです。二人とも、「L’Assiette de France」と言う「フランス人のお気に入りの盛り合わせプレート」なるものを注文しました。左上から焼きカマンベール、あっさり目のガーリック・トースト、サラミと生ハムのサラダ、オリーブ、魚のフライ、リンゴの煮物、鯖のパテです。どれも繊細で美味しく、サラミも生ハムも、普段スーパーで買うのとはさすがに違うな~と(当たり前じゃ)思いました。特に、丸ごと一個の熱々カマンベールが、パンに付けても、リンゴを乗っけても美味! 給仕も素早く、量もバランスも丁度良く、正に理想的な旅行メシでした。ほぼ同じ金額で3コースも選べましたが、旅行中の昼食にコース料理では、時間が掛かり過ぎると思います。
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ところが、食事を済ませて丁度店を出ようとした途端、予報通りに雷&大雨が降り出しました。雨宿りも兼ね、しばし近くのアンティーク・モールで過ごしました。
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そこで小降りになるまで待つことが出来た…のですが、結局その後その日は、雨が完全に止むと言う事はありませんでした。魅力的な町並みが目白押しなのに、写真を撮るのもままなりません。
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ここは街のヘソ、古い市場の建物(左)とその広場。現在の市場は、近くの屋内で開かれているようです。
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旧市場の広場から、こんな心惹かれる石畳の小径を登って行くと…、
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「Butcher Row 肉屋横丁」と言う名前の通りに出ました。多分、かつては肉屋が並んでいたようです。
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一方こちらは、その近くの「Fish Street 魚通り」。元々魚市場でも立っていたのか、魚屋があったのか、はたまた左の「Three Fishes」と言うパブの名前に因むのかも知れません。
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坂を登り切ると、最終的にはこんな教会に到着しました。もしかしたら、ここが旧市街地で一番標高の高い場所なのではと思いました。「St. Alkmund’s Church」と言うそうです。
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内部はこんな感じになっています。主祭壇には、ステンド・グラスではなく「ガラス絵」が。
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教会のすぐ横にも、また教会??と思いきや、元は確かに「St. Julian’s」と言う教会だったようですが、今は青少年会館か何かになっているそうです。
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そして、この町のシンボルの一つである修道院を目指します。その途中も、木組みの家がいっぱい。
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坂道が多い町なのも、私の好み(…勿論歩くのは大変ですが)。
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南東の修道院へ行くのには、「イングランド橋」を渡ります。因みに、一番最初の写真に写っているのは、旧市街地の反対側(北西)に通じている「ウェールズ橋」です。
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修道院は、チェスター大聖堂同様、赤い砂岩で出来ています。今でも「Shrewsbury Abbey シュルーズブリ大修道院」とは呼ばれているものの、機関としては現在は単なる教会です。修道院そのものは、16世紀のヘンリー八世の解散法に寄り廃止され、この付属の教会と名前のみが残っている訳です。
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内部はノルマン様式。イギリスに住み始めた頃、「ノルマン様式」とは何なのか分からず、美術史の授業でも習った覚えがありませんでしたが、少し調べると、ヨーロッパ大陸では「ロマネスク」と呼ばれる様式にほぼ一致することが分かりました。規模的には、一般の教区教会としては大きく、大聖堂よりはずっと小さめ。
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私が持っているイングリッシュ・ローズ「Brother Cadfael ブラザー・カドファエル」は、ここの修道院を舞台にした人気の探偵小説の、主人公の修道士の名前から名付けられました。
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古い石棺のすぐ脇に、スタッフ用の簡易台所のあるのが…、何気に凄い光景だなと思います。
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入り口近くの洗礼台は、実は古代ローマ時代の石柱をリサイクルしたもの。
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次に北東の城を目指しましたが、城の入り口脇にも中々素敵な教会が、と思ったら、こちらも今はパーティー・ルームか何かに再利用されています。現在のイギリスのキリスト教徒は、1割しか教会に行かないらしいので、やはり教会建築が余っているのですね。
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その隣の、黄土色の漆喰の壁の木組みの家も迫力。
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城の閉門時間にはギリギリで、外観のみ写真を撮りました。建物は余り残っていませんが、美しい庭園として整備されています。城の内部は、軍隊博物館になっているようです。
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そうこうしている内に、再びの豪雨で雨宿り。向かいに見えたのは、やけに立派な建物の図書館で、その前に立っている像は、どうやらこの町出身のダーウィンのよう(未確認)です。
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最後に、シュルーズブリの鉄道駅にやって来ました。この駅は、丁度中州のように湾曲して流れる川に囲まれた旧市街地が、唯一川に囲まれていない、首のような部分にあります。とてもクラシックで絵になる駅舎で、この町に到着する時に車で通過した際、是非写真を撮りたいと思っていました。
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その上、何せ城のすぐ脇に立っているのです。こんな劇的な立地の駅、ドイツのニュルンベルク(目の前が城壁)やケルン(すぐ横に大聖堂)以来だと思います。写真では工事の足場がちょっと邪魔ですが、この町を列車で訪れる人にとっては、かなり感動的なのではと想像します。
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悪臭が強烈だったチェスターと違い、シュルーズブリは、期待に反せず、ヨーロッパの歴史的な町らしさに溢れ、とても素敵な町でした。が、とにかく天気が残念でした。「このところずっと快晴が続いていたのに、旅行の時だけ雨なんて、僕達は不運だったなあ」とP太は言いましたが、…違うよ、元々予報で雨になると言われていた場所を、わざわざ私達が目的地に選んだの。現に、この日も自宅は好天のままでした。帰路の車中もしばらく凄まじい雷雨で、翌日のニュースを見たら、この地方には洪水に見舞われた地域もあったとか。次回訪れる時は、晴れた日にじっくり時間を掛けて、小路の隅々まで歩いてみたいシュルーズブリです。
  




by piyoyonyon | 2016-10-17 10:21 | 旅行・お散歩


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。


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