パラグライダーの聖地デヴィルズ・ダイク

愛猫トラちゃんを亡くして以来、おまけにこの暗い憂鬱な季節なこともあり、まるで春がもう二度と来ないように気分が沈没しています。精神の健康を保つ為には、この冬はいつもより数倍積極的に、日光を浴びなきゃ駄目だ~(おたけび)と実感しました。どうせ出掛けるのなら、日光浴も出来て、更に眺望の良い場所が、一層気分が晴れそうに思いました。それで快晴の週末、ブライトン近くの小高い丘、「Devil’s Dyke デヴィルズ・ダイク」を訪れることにしました。
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ここへは、いつもなら手っ取り早く、国道クラスのA23号線を経て東側から行きますが、今回は西側の田舎道から、のんびり向かうことにしました。
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中央の丘は、鉄器時代の要塞跡で、ブライトンからも近く、見晴らし抜群の為、地元民、観光客、サイクリスト、モーター・サイクリスト、またバラグライダー愛好者に人気です。この丘と左の丘にある谷間が、イギリス最大の乾いた谷(川が流れていない)と言われる「デヴィルズ・ダイク」。「ダイク」は「ditch」の古風な言葉で、主に土木工事に寄る「溝」を意味します。でも今は、この丘一帯をデヴィルズ・ダイクと呼ぶようです。
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今日も頂上には、パラグライダーがいっぱい。
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と思ったら、パラグライダーの幾つかが、目の前の牧草地に着地しました。その中の一人の青年が、これから歩いて再び頂上に向かうと、仲間と話しているのを聞き付け、P太が「丁度車で頂上に向かうところだから、良かったら乗って行くかい?」と、いきなり声を掛けて誘いました。青年は大喜び。パラグライダーを担いで歩い丘を登ったら、50分は掛かるらしいのに、たった5分で行けるのですから。
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P太が何故こんな親切心を出したかと言うと、パラグライダーに付いて生で色々聞きたいと言う、好奇心に他なりません。青年は今ロンドンに住んでいるけど、元々サセックスの出身で、ここへは毎週末のようにパラグライダーを楽しみに来るそうです。こんなイギリスの田園風景が大好きだから、と言っていました。
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頂上に到着。麓はまるで風のない日だったから、こんな日にパラを楽しめるのかと疑問に思っていましたが、南から海風が直撃する頂上は、常に物凄い風の強さ。青年は何度もお礼を言って、再び空に舞って行きました。一方私達は、日光摂取の為にも、しばし頂上を散策することにしました。
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実家近くの「仙台平」という山(あぶくま鍾乳洞の頂上)も、パラグライダーに人気なのですが、私が子供の頃は、ハンググライダーのほうが多かったように記憶しています。聞くところに寄ると、パラのほうが機材が手軽で初心者でも楽しめるからだとか。
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サウスダウンズの丘を、東から西に向かって眺めたところ。この日の視界はイマイチですが、一番奥の中央の丘の頂上に、もう一つの鉄器時代の要塞遺跡チャンクトン・ベリーの森も見えます。
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北側には、weald ウィールドと呼ばれる、なだらかな森林丘陵地帯が広がります。こんな快晴なのに、北の空の下方だけ暗く霞んで見えるのは…、マジでロンドンの大気汚染かも。
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東側の尾根上には、これまたDitchiling Beacon、Hollingbury、Wolstonbury等の要塞遺跡があります。イギリスの見晴らしの良い丘の上には、大抵古代の集落or要塞跡があったと思って良い感じですね…。
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頂上は草原になっていますが、ゴース(エニシダの一種)が所々に茂り、更に夏にはブラック・ベリーが大繁殖するようで、トゲトゲで歩きにくそう。この一帯はナショナルトラストで管理され、植物や昆虫の宝庫で自然豊かな場所として知られています。
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これは、北側の村フルキングから、かつて通じていた登山列車の跡のようです。一方南側には、昔は頂上近くまで鉄道が通じていましたが、どちらも自家用車が一般化する時代になると消えて行きました。
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要塞跡から、デヴィルズ・ダイクを見下ろします。確かに、長さ&深さ共にイギリス一の乾谷と言われている通り、中々迫力の大きさです。長さは約1マイル(1.6km)、深さは100mと言われています。
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その昔悪魔が、北側のウィールドに多い憎き教会を、南側の海の水を引いて水没させようと掘ったと言う伝説から、この名前が付きましたが、実際には1万4千年程前に、氷期末の川となった大量の雪解け水の浸食と、土壌流に寄って形成されたと言われています。しかし長い間、氷期の氷河谷と考えられていました。
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因みに、ケンブリッジシャーにも、同じ「デヴィルズ・ダイク」と言う名前の場所がありますが、そちらはアングロ・サクソン時代に建設された、本当に土木工事の溝だそうです。
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鉄器時代の要塞遺跡の近くだけあって、この谷の周辺にも、青銅器時代の古墳等、先史時代の遺跡が点在しています。いつかじっくり散策したいと思っていますが、太陽の位置の低い冬の間は、北向きの谷の為、常に日陰で底冷えしそうです。
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谷の端に見えるのは、「Sadlescombe サドルスコム」と呼ばれる中世から続く歴史的な集落。村全体が、ナショナルトラストで管理されています。
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谷底には、黒牛が何頭か放牧されていました。ハイカーの安全は大丈夫なのか??と心配しましたが(牛は気が立つと怖い)、ビビッて引き返す人も居れば、平気で真横を通過する人もいます。
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ヴィクトリア時代のデヴィルズ・ダイクには、英国初のケーブル・カーが掛かって谷を横断していました。右はその残骸を、後にコンクリートで固めたもののようです(当時はコンクリートが存在しなかったので)。昔の写真で見ると、単なるを空中に吊るしてあるような、極めて原始的なゴンドラで、かなり恐ろしそうでした。
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日照時間の極端に短いイギリスの冬で、あっと言う間に日は翳ってしまいましたが、日光浴は十分出来たことを祈ります。少なくとも、眺めの良い場所に行くのは、精神衛生上効果的なように感じました。「馬鹿と煙は高い所」を逆手に取って、気が滅入っている時には、高所で頭をカラッポにするのが一番かも知れません。
  




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by piyoyonyon | 2017-02-09 15:32 | 旅行・お散歩 | Comments(0)


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。


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