十月の猫便り

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どうやら愛猫ポコちゃんと、もうすぐお別れをしなくてはならなくないようです。今までポコは高齢にしては凄く元気で、獣医さんからも歳の割に健康体だと認られ、私達夫婦は専ら喜んでいました。今年の五月の私の帰国中に、鼻血を出してP太の気を揉ませましたが、抗生物質を飲ませるとすぐに回復しました。ところが先月の初めから、 シーバを毎日好きなだけ与えているのにも関わらず体重が減り、普通じゃない行動をとるようになりました。寒くなっても、あんなに好きだったおねんねをしなくなり、ご飯強請りの早朝の暴動もなくなりました。自ら大好きなお膝の上に乗ろうとしても、これまた大好きなブラッシングをして貰おうとしても、何故か出来なくてすぐに諦めてしまいます。何より、呼吸のピッチが速くなり、息継ぎに苦労しているように見えます。これには、家を訪れた元看護婦の義母も、すぐに気付き心配しました。とは言え、歩くのも走るのもトイレも使用も問題なく、撫でれば今まで通り即座にうるさく喉を鳴らします。活動と食欲が、幾分減った程度です。病気とは未だ判断しにくい状態でしたが、とにかくいつもの地元の獣医に連れて行きました。
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しかし、そこでは原因は突き止められず、抗生物質のみ渡され、最新の医療設備を持つ大きな動物病院を紹介されました。治療費を含まない診察料だけで、P太の一か月分近い給料がふっ飛ぶお金が掛かります。数日後の朝に其処を訪れ、その晩にポコを引き取りに来るつもりでしたが、一泊しなくてはならないと連絡を受け、更に、レントゲンやCTスキャナの結果、ポコの両方の肺に大きな影が発見されたと伝えられました。95%肺癌で、もう治療の施しようがないと告知されました。病院でそのまま安楽死させる提案もありましたが、ポコの大好きな家に連れて帰り、残された僅かな日々を一緒に過ごす事を、私達夫婦は希望しました。
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ところが、次の日の内視鏡手術で、肺の組織を調べたところ、癌細胞ではないことが判明しました。となると、何か肺の感染病、特に結核の可能性が高くなりました。猫の結核は大変珍しいそうで、日本では例がなく、英国でも数件しか報告されていないそうです。最早人間にとっては不治の病ではなくとも、猫にとっては今だ致命的な病気です。特に高齢な猫にとっては、これまた安楽死させるしかなく、しかも伝染病なので、家に帰る事も許されず、病院で一生を終えるだろうと言われました。まさかポコが二度と家に戻れないとは思っていなかったので、それは癌の場合より惨いと泣きました。きっとポコは、また捨てられたと絶望して死んで行くことでしょう。それだけは、どうしても避けたいと祈りました。結核の確認には、更に日数が必要でした。
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結局ポコは、結核でもないことが判明し、やっと4日後に家に戻ることは出来ました。高額の医療検査を施したのにも関わらず、原因は突き止められないままです。しかし、肺が重度の感染症を蝕まれているのは確かで、残念ながらもう長くはないと思います。入院検査は、ポコにとってストレスと呼ぶより恐怖だったのに違いなく、病院では全く食事を取らなかったそうです。明らかにその間に痩せ、返って寿命が縮んでしまい、非常に可哀想なことをしてしまいました。家に帰るや否や、ポコは嬉しくて堪らないと言ったように大きく喉を鳴らし、全身で喜びを表現しました。今の所、さすがに若い頃に比べて体力が落ちて来ているものの、死に行く程深刻な状態には見えません。しかし今は平気でも、小さな動物は急に様態が変化します。猫は痛みや苦しさに強い動物で、余程深刻にならない限りそれを表さないようです。一応二週間分の薬は渡されましたが、これからは具合が悪くなっても、何せ病因が分からないのだから、治療のしようがありません。
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もう一匹の愛猫トラちゃんが昨年末に死んで以来、最初の1ヶ月位よりはマシなものの、その後悲しみが徐々に和らぐようには全く感じられずに、私は過ごして来ました。その悲しさの分、もっとポコちゃんを可愛がれば良いと幾ら自分に言い聞かせても、トラちゃんを思い出して涙を流さない日はありませんでした。しかし皮肉にも、とらじの死に対する苦しみから少し開放されたのは、ポコがこんな状態だと分かってからでした。単に、悲しみが上書きされただけなのですが。ポコにしてみれば、やっと忌々しい天敵が昨年消えて、マミーとダディーを独占して暮らせるようになったのに、その幸せはあっと言う間に終わりを迎える訳です。結局一年の内に、愛する子供達を二匹共失わなくてはならないようです。
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この一ヵ月後、いや一週間後には、はたしてポコちゃんは未だ生きているのだろうか…と考えてしまいます。ちょっと出掛けて帰って来たら、または朝起きたら、最早冷たくなっているのではないか、と不安で仕方ありません。その一方で、もしかしたら助かるのではないかと言う希望も捨て切れません。今後、ポコちゃんが食べ物を受け付けない状態になったら、苦しみが激しくなる前に、地元の獣医に連れて行き、安楽死を依頼するつもりです。それをいつに決めるのかが、体を切り刻まれる程辛いとは確信しています。彼女が家に居ない数日間だけでも、啼き声や鈴の音の幻聴が聞こえて大変寂しく感じました。非常にはっきりした感情表現と賑やかさで、強烈な存在感を印象付け、いつも私達を楽しませてくれたポコ。そんな彼女が日に日に弱って苦しんで行く姿を見るのは、これまた身を引き裂かれる程辛いことです。まして、彼女の居ない生活に耐えられる自信はありません。結局、どんなに覚悟しても、この悲しさを緩和する方法など存在しないのです。
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しかし一度は、ポコと一緒に暮らせる日はもう二度と来ないかも、と諦め掛けていたので、僅かでも再びポコと過ごせる事は大きな幸せです。こう見えてもポコは、結構賢い繊細な猫なので、私が泣いてばかりいたら、すぐに気付かれ不安にさせてしまいます。これからは、ポコの好物の食べ物だけを与え、ありったけの愛情を注ぎ、幸せなニャン生を全うして貰えるよう全力を尽くすのが、私達の彼女に出来る唯一で最後の務めです。





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by piyoyonyon | 2017-10-09 15:36 | 動物 | Comments(4)
Commented by にいく at 2017-10-09 15:55 x
そんなに悲しいことが起こっていただなんて…!
でも、最後になるかもしれない日々を、ぴよよんさんとP太さんから大切に大切にされて過ごせるポコちゃんは幸せ者ですね。
Commented by piyoyonyon at 2017-10-10 06:23
にいくさん、ありがとうございます!
ポコは、今の所薬が効いて元気です。でも、薬は症状を抑えているだけで、治療をしてくれている訳ではありません。
ポコが今までも私達に沢山の幸せをくれた分、全力を尽くして幸せにして上げたいと思っています。
Commented by 真木 at 2017-10-10 10:53 x
ポコちゃん・・・!

何と言ったらいいのかわかりません・・・。
病院ではなく、家に連れて帰れたのはなによりもよかったと
思います。
わが家の初代猫も晩年は大嫌いな病院へ連れて行かれて
後から思えばかわいそうなことをしたと思ってます。
飼い主のエゴだった。
あの子は延命治療など望んでいなかった。

それでも、日に日に弱り、食事も喉を通らなくなり、
心配のあまりいやがる猫を病院へ連れて行き、先生に
薬を出してもらったりして。

2代目以降は、病院へは最低限しか行かず、家で見守り
ました。大好きなおうちで、大好きな場所で、大好きな人
と過ごして、虹の橋を渡ってもらいたい。
犬や猫の最期は、おおむね人間よりも皆、立派で威厳が
あります。彼らは行くべき場所を『知ってる』。

ポコちゃんとの日々が穏やかで、優しくあるよう願います。
ぴよよんさん、P太さん、辛いですよね。。。
Commented by piyoyonyon at 2017-10-11 05:45
真木さん、ありがとうございます。
人間より寿命が短いから、先に旅立つのは覚悟のはずなのに
(人間が先に逝っちゃったらもっと可哀相ですし)、
こればかりは何度経験しても慣れようがありませんね。

病院に連れて行くことについては、姉も同じ事を言っていました。
もう末期と分かっていたら、精神的な負担も多い、
体力を消耗することはしたくなかったと。
病院側も、犬猫の気持ちより、お金を取りたくて
診察したがるのが見え見えな気がして…、
どうしても不信感が拭えません。

ポコは、今のところは薬で一時的に元気です。
4日間の入院が余程怖かったらしく、
返って以前よりべたべたの甘えん坊になりました。
本当に、出来れば家で看取って上げたいと願っています。


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。


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