愛と怠慢の館、アッティンガム 1

我々夫婦+義母とのシュロプシャー旅行で、ロクセターのローマ遺跡から、予約してあるシュルーズブリの宿へ向かう途中、幹線道路から立派なお屋敷が見えました。おっ、こりゃNT(ナショナルトラスト)だ。三人ともNT会員と言うこともあり、見て行こうか!と言う訳で、急遽立ち寄ることにしました。
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ここは「Attingham Park アッティンガム・パーク」と言い、州都シュルーズブリの南東約5kmのAtcham アッチャムと言う村に在ります。後から知ったことには、NTで最も人気(訪問者数が多い)の場所の一つだそうです。そして折りしも、今年はこのアッティンガムがNTに寄贈されてから、丁度70周年になるとか。
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歴史的建造物2級に指定されている、馬屋からして既に豪華で、この邸宅の規模を物語っています。
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現在馬屋は、カフェやショップになっています。
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しばらく歩いて、屋敷が見えて来ました。これは右翼側。
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ここには、元々敷地内を流れる川の名に因んで、「Tern Hall ターン・ホール」と呼ばれる屋敷がそれまでありましたが、18世紀末に所有者の初代バーウィック男爵に寄り、このジョージアン様式のカントリー・ハウス(主に避暑や狩猟の為の貴族の邸宅、または別荘)が建設されました。
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のっぺりした外観に見えますが、近付くと、その大きさが圧巻です。
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敷地は4000エーカーもあり、その中には森、川、所々に池、ウォルド・ガーデン、鹿公園等があります。しかし、初代男爵は非常に羽振りが良かったので、当時はこの2倍の広さだったそうです。
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生憎鹿は一匹も見掛けず、目に入るのは牛ばかりでした。屋敷の南側の緑地に、「ha-ha」と呼ばれる深い溝があります。これは、家畜を屋敷に近付けない為のバリアーの役目を果たしますが、柵や塀と違って、屋敷からは景色を遮る障害物にはならない賢い仕組みです。
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入館締め切り時間ギリギリでしたが、内部に入ってみました。思った通り、玄関ホールからしてダダ広っい! 郵便ポストが設置されている程です。壁のギリシャ彫刻は騙し絵です。
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一番初めに心を捉えたのは、天井のレリーフが非常に繊細で美しい事。
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順路は玄関から右手に回ります。ここは応接室かな。椅子等の調度も素敵です。
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これらの部屋は南向きで、日当たりはばっちりで居心地良さそうです。
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次の部屋も、天井のレリーフ+天井画がウットリ綺麗。
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これなんて、絵画ではなく、単なる一枚の扉の装飾です。
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壁に掲げてある肖像画より、これらの内装のほうが遥かに興味深いと思いました。
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暖炉のマントル・ピースは、大理石の象嵌細工です。
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根っからの小市民なので、こういう半端無く巨大なお屋敷の内部を見ると、掃除が大変とか暖房費が掛かり過ぎる、などと思ってしまいます(笑)。そう言う事を気にしないで済む大金持ちしか住めない訳ですが、燃料費が半端無く掛かり、地球に厳しい事は確かです。
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しかし、幾ら宮殿のような屋敷を建てる大富豪でも、やはりいつまでも金があるとは言えないようです。ここの二代目主は、年若い妻の浪費を見過ごしてしまい、結局破産してイタリアに夜逃げしたそうです。
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食堂ホール。当時の晩餐の様子を再現する為か、紫外線対策なのか、この部屋だけカーテンは全て閉められ、非常に暗くなっています。
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給仕用ワゴンの上には、細工の見事なパイ料理が。昔のイギリス料理なので、中身はマズイに決まっていますが。
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ここの天井が、一番美しく印象的でした。弁柄色の地に、白いレリーフが映えます。
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食堂の隣は、ブライトン・パヴィリオンの建築家として有名なJohn Nash ジョン・ナッシュの設計に寄る、絵画ギャラリーになっています。壁は、夥しい数の絵画で埋め尽くされています。
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しかし私も義母も、絵画そっちのけで、この石の象嵌細工のテーブルに見入っていました。
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一部は、こんな風景画になっています。この景色から、イタリア製であることが分かります。
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こちらのサイド・テーブルは、まるで半貴石の見本帳のよう。鮮やかな青はラピスラズリ(瑠璃)、緑はマラカイト(孔雀石)。オニキスやアゲートなど瑪瑙系も沢山混じっています。
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こちらは、古代ローマのモザイク画を彷彿とさせる、割とあっさりした文様。
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何代目かの娘が音楽好きで、このパイプ・オルガンを購入したのだとか。
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何だか紫色が怪しい雰囲気の階段を登って、二階(イギリス風には一階)へ行きます。
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この丸い天窓も照明も美しい。
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二階からは、ギャラリーの天窓の上部が見えます。現在は、この上に更に透明のカバーを張り、温度差と紫外線からギャラリーを守っているそうです。
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この人が、建築家のジョン・ナッシュさん。
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二階の窓からは、先程車で通って来た石橋と、美しいシュロプシャーの丘が、かなり遠くまで見渡せます。地上階の天井が凄く高い為、ここは二階でも、一般の建物の三、四階の高さはあるかも知れません。
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二階は、一階と違って豪華な調度で埋め尽くされている訳ではなく、資料室のようになっています。ジェーン・オースティンかケイト・グリーナーウェイの世界のような、ハイウェストのドレスがありました。係員が駐在する休日などには、訪問者がコスプレ出来る仕組みなのだと思います。
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芸術品のような内装は、多くの修理者達の長い年月の作業に寄る賜物です。この時代に、ほとんどが手作業に頼るローテクぶり。しかし、個々の人間そのものと技術としては、非常に高度だと思います。
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「愛と怠慢の」と言う煽り文句は、NTサイトの説明に寄る物なのですが、多分元持ち主が一度浪費が祟って破産したことを意味しているのでは?と思います。しかし、精巧に丁寧に美しく修復された室内装飾の現在の姿を見ると、返って享楽や怠惰なイメージからは程遠く感じます。無駄に大金を掛けたようなセンスの豪邸なら、他に幾らでもありますし。続いて、この館の裏方、つまり使用人達のエリアを御紹介します。

 



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by piyoyonyon | 2017-11-08 15:32 | 旅行・お散歩 | Comments(0)


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。


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