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イギリスの名作玩具切手

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朝のニュースで、こんな切手が発売されると聞き、ちょっくら郵便局に買いに行きました。イギリスの玩具メーカーの、昔から長年親しまれているおもちゃの切手です。今は販売されていない製品もあるし、大幅に仕様が変更された場合もあるので、アラフォー以上のイギリス人なら誰でも知っている玩具、と言ったところでしょうか。
私は「プレゼンテーション・パック」と言う、解説付きの特別台紙に入ったセットを買いました。もしもっと早くこの切手の発売に気付いていれば、FDC(初日カバー)を予約しておく手もありました。Edenbridge エデンブリッジと言う、ここからそう遠からぬ町の郵便局の、テディベア型消印付きの仕様があったのです。
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左上から右下へ向かって、Merrythought メリーソート社のテディベア(起源:1930年)、Pedigree ペディグリー社のシンディ人形(1963年)、日本でも類似品を見掛けるSpinograph スピノグラフ(1960年代)、イギリス版レゴStickle Bricks スティックル・ブリックス(1969年)、W. Britain W.ブリテン社のフィギュア(1893年)、今でも復刻版が販売されているSpacehopper スペースホッパー(1965年)、着脱可能なフェルトの貼り絵Fuzzy-felt ファジー・フェルト(1950年代)、今はメーカーがフランスに移ったMeccano メカノ(1898年)、Palitory パリトリー社のアクション・マン(1966年)、そして元はメカノと同じ会社だったHornby Dublo ホーンビィ・デュブロ社の鉄道模型(1920年)です。スティックル・ブリックスとW.ブリテン、ホーンビイ・デュブロは、私は今まで知りませんでした。
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台紙は、四つ折りの説明書になって、それぞれの玩具を紹介しています。今では販売されていない物があるものの、コレクタブルズとしての人気は、どれも健在だと思います。アクション・マンは、言わばイギリス版GIジョー。でも軍人オンリーのGIジョーに対し、アクション・マンは格闘技家や冒険家、宇宙飛行士、異星人、忍者まで、幅広い職業(?)をこなします。この中の玩具で、今でも一番不動の人気かも。メカノは、穴の沢山開いた金属板ピースをボルトとナットで繋げる、かなり本格的な建設式模型。いかにもP太が好きそう…と思いきや、彼が子供の頃には最早古臭い感があり、興味が沸かなかったそうです。スティックル・ブリックは、ベロクロ状態になったプラスティック製の連結積み木ですが、フリマでも見掛けたことがありません。今では、すっかりその座をレゴに奪われたようです。W.ブリテンとホーンビイ・デュブロは、私が社名を知らなかっただけで、多分製品自体はアンティーク・モール等で何度も目にしてるものと思われます。
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これらのイギリスの代表的な玩具のラインアップの中に、ベークライト製の建設式模型「Bayko ベイコ」や、ニック・パークのアニメにも使用される樹脂粘土「Plastacine プラスタシン」が、入っていたとしても可笑しくないかなと思いました。ミニカーの「コーギー」も、非常にイギリスらしくて捨て難いのですが、今はホーンビィ・デュブロの一ブランドなので外されたのでは?と思っています。
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切手を取ったら、その下の台紙には、それぞれの玩具の商品キャッチコピーが記されていました。
メリーソートのテディベア:イングランド製(…ん?それだけ?)
シンディ人形:着せ替えしたくなるお人形
スピログラフ:数え切れない素敵なデザインを生み出す傑作な方法!
スティックル・ブリック:大きな想像力を持つ小さな手の為に
W.ブリテンのフィギュア:1893年以来の精密さ、品質、そして信頼性
スペースホッパー:女の子も男の子も何時間でも楽しめる
ファジー・フェルト:混ぜて合わせて自分だけの絵を作ろう
メカノ:工学を高名にした玩具
アクション・マン:可動式戦う男
ホーンビィ・デュブロの鉄道模型:本格的な鉄道ミニチュア
台紙のタイトルの下には、アイルランド出身でイギリスで活躍したノーベル賞作家、George Bernard Shaw ジョージ・バーナード・ショウの、「年をとるから遊ぶのを止めるのではない。 遊ぶのを止めるから年をとるのだ」と言う言葉が印刷されています。
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私が一番気になったのは、やっぱりシンディちゃんの切手。ファンとして、これは買って置かなくちゃと思いました。図案になっているのは、一番最初に発売された、「Weekender ウィークエンダー」仕様のシンディです。今では、シンディのアイコン的なファッションとなっています。
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台紙の解説にプリントされている、シンディの格好のお洒落なこと。この説明に寄ると、シンディ誕生50周年の4年前、14種類の今時ファッションのシンディが発表されました。しかし、現在その人形自体が発売されている気配はありません。一度版権がアメリカのハスブロ社に渡った時には、時代の流れに逆らえず、バービー人形そっくりのケバいシンディに変わり果てました。再びシンディの版権はペディグリーに戻りましたが、今は更に似ても似つかぬ幼児人形となって販売されています。
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この切手を眺めていて、イギリスには昔から独自の魅力的な玩具が存在しているのに、今はすっかり外国の玩具に乗っ取られ、影が薄くなってしまっていると感じます。主にアメリカの映画やメディアの影響ですが、この手の行き過ぎたグローバリズムは、確かに嬉しくないと思います。





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by piyoyonyon | 2017-09-08 15:35 | ステーショナリー・グラフィック | Comments(0)

オーラ・カイリーの洋ナシ柄とリンゴ柄のエコバッグ

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随分前から販売されていた、スーパーマーケット「テスコ」の、オーラ・カイリーとのコラボのチャリティ付きエコバッグの柄なのですが、姉や友達へのお土産にしたりと色々活用して来て、最近ようやく自分用に買いました。とにかく大きく丈夫でマチもたっぷりあるので、プレゼントした人に寄って、「雑誌を入れて置くのに良さそう」「展示会用の大荷物を運ぶ時に便利そう」と、使い道は色々です。勿論、エコバッグと言うからには、普段の買出しにも活躍します。缶詰とかガンガン詰め込んでも、大丈夫そうです。
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前にも一度販売されたことのある洋ナシ柄、そしてリンゴ柄ですけど、単なる色違いではなく、一味変えたデザインになっています。リンゴ柄は、今回は青リンゴで統一。中心が四弁の花柄になっています。
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洋ナシ柄は、ずばり一般的なナシ色。以前のナシ柄と同じく中心に楕円形が入っていますが、細いボーダー白抜きではなく色ベタで、色数も抑え、もっとすっきりした印象になりました。
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テスコのオーラ・カイリーのエコバッグ、結局7年間にも渡って販売され続けたようです。多分今回の柄で最後なんじゃないかと思いますが、私が買っていないのも混ぜて、全部で10種類以上に登ります。
  




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by piyoyonyon | 2017-06-27 15:23 | バッグ・靴・帽子 | Comments(0)

1950年代の女性雑誌

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日本に住んでいた頃は、相当な雑誌好きでした。しかし、ここイギリスでは全く雑誌を買っていません。日本の雑誌が手に入らないのもありますが、イギリスの雑誌は広告ばかりで、内容が非常に薄っぺらいと言うのが一番の理由です。日本のに比べると、お金出してまで買う価値のある雑誌は非常に少ないと思います。逆に、スーパーマーケットでタダで配る雑誌のほうが、余程充実している位です。そう思っていた矢先、1950年代の婦人向け雑誌を眺めてみたら、広告ですら、当時の文化を伝える資料として面白いと思いました。レトロなイラストや写真、印刷も魅力的で、じっくり選んで2冊購入しました。
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一冊はファッションが充実していて、帰国の際に友達へのお土産にしました。
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この頃のファッションは、今見ても品があって素敵です。女性を魅力的に見せる効果がばっちりだと思います。多分、この手の格好を嫌う男も少ないでしょう。
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小説も掲載されています。読んでいませんが、ミステリーのようです。
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植物画も、古いと何だか魅力的。イギリスで御馴染みの夏の花ばかりです。
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この時代のイギリスの食べ物は、…ちと怖いですね(笑)。イラストは可愛い。
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そして、広告の数々。左のような布地が欲しい~。既に、ナイロン生地が大モテの時代だったようです。
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雑誌の対象は主婦だったんでしょうね。子供向け用品の広告も、多く掲載されています。
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左上のは、ニベアのような缶に入った歯磨き粉のようです。
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額装したい位可愛い、アイス・キャンディーの広告。大手メーカーなので、一ページ費やしています。
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もう一冊は自分用。ベリー類のサマー・フルーツの特集で、利用法&保存法等が紹介されています。
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イギリスでは、庭に果樹を植えることが一般的なので、今でもジャム用の瓶や蓋のカバー、ラベル等が良く売られています。丁度日本で、初夏に梅干&梅酒用品が売り出されるのと同じ。
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調理器具等を平面的に表現したこの時代のイラストは、とても好み。
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古い印刷の魅力も相まって、果物のイラストが素敵です。50年以上経っても、紙が割と綺麗な状態なところを見ると、紙質自体が結構上等なようです。
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今見ても、お洒落で実用出来そうなファッション雑貨が色々。
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読者コーナーのようです。レース模様のようにデザインされた縁も、書体も可愛い。
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やっぱり額装したい程魅力的な(味はまっぴらだけど。笑)、イギリスを代表するチョコレート・メーカー、カドバリーの1頁広告。―――しかし、現在の雑誌の広告も、年月が経てば、こんな風に味わいが出て、面白い文化資料になるのかどうかは、全く持ってナゾだと思います。
  




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by piyoyonyon | 2017-06-21 15:36 | 本・メディア | Comments(2)

公衆電話ボックスの活用法 3

携帯電話の普及に寄り、現在は公衆電話の需要がすっかり減っています。とは言え赤い電話ボックスは、お土産のモチーフになる程イギリスの象徴的なアイテム。不要になったとは言っても、撤去するのにしてにも、費用が馬鹿にならないはずなので、様々な方法で再利用されています。
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バーミンガムの街角では、ATMに改造されている電話ボックスを見ました。P太に言ったら、今はロンドン等の都市部では当たり前になっている再利用法だそうです。田舎者で、今まで知りませんでした(笑)。
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一方こちらの電話ボックスには、ATMの他に、ちゃんと公衆電話としての機能も残ったままです。かつてのイギリスでは、どんな小さな村にも、最低一つは公衆電話を設置しなければならない義務でもあったようですが、返って現在は田舎の電話ボックスのほうが、埃を被って打ち捨てられているかも知れません。
 



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by piyoyonyon | 2017-05-20 15:31 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

ロイヤル・レゴ・ファミリー

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パスポート申請でロンドンに行った折、リージェント通りの玩具のデパート「Hamley’s ハムレイズ」にも、ちょこっとだけ寄りました。
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その店に、ほとんどレゴ専門の階があり、吹き抜けからこんな物が覗いていました。ほぼ等身大です。こんな大きな物を根気良く上手く組み立てたと感心するし、何よりちゃんと似ています。この背後には、実物大のイギリスの赤い電話ボックスも、レゴで制作されていました。一応説明すると、2011年のロイヤル・ウェディングの様子でして、左からケンブリッジ公夫人(キャサリン妃)、ケンブリッジ公(ウィリアム王子)、チャールズ皇太子、ハリー王子です。はっきり言って人気の少ない、コーンウォール公夫人(カーミラ)とエディンバラ公(フィリップ殿下)はハブ。…ん?肝心のエリザベス女王の姿も見えないんですけど?
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女王陛下は、別個におわしました。玉座も背景のユニオン・ジャックも、全部レゴ製で力作です。しかし、この店で特に興味を引いたのは、このレゴ・モデル達だけ位で、平日でそれ程混んでいなかったこともあり、デモストレーションする店員達の、子供相手のテンション高い声だけが、やたら空しく店内に響き渡っていました(笑)。そもそも、イギリスならではの商品がそれ程ないし、レゴにしてもデンマークのメーカーだし、この店ならではの品揃えも特に感じられず、やはり原宿キディランドのほうがずっと面白いとは思いました。
 




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by piyoyonyon | 2017-03-26 15:31 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

プール・ポッタリーの手描きの器

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この陶器は、昨年の夏頃フリマで入手しましたが、ちょっと思い出したくない不愉快な経験がありまして、今まで御紹介せずにいました。用途は多分シュガー・ボウルの、人気の「Poole Pottery プール・ポッタリー」の手描きの花模様の器で、内側のくすんだピンク色も魅力的で、50ペンス(約70円)で手に入れられてラッキーと思っていました。ところが買った直後、売り手の女性が私を追っ掛けて来て、「貴女の払った50ペンス玉はなので、別なお金で払って欲しい。持っていなければ売らない」と言われました。つまり、私の手渡したコインを偽金だと疑っているのです。1ポンド玉の偽硬貨は、普通に大量に出回っていると聞きますが、まさか50ペンスの偽金はあり得ないだろうと思いました。何故って、偽硬貨を作るほうがコストが掛かる。しかし、売り手の女性は頑として譲らない様子。丁度他に50ペンスの持ち合わせがなかったから、その偽金疑惑の50ペンス玉を返却して貰い、渋々替わりに1ポンド玉を払って御釣りを受け取りました。
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良く見れば、私が手渡したコインは、確かに部分的に緑青を噴いたように変色しています。50ペンス玉は銀色硬貨なので、銅を含む訳がなく、従って緑青を噴くはずもないのです。たかが50ペンスとは言え、そりゃ騙されたと思ったら不愉快だろうし、こちらだって、そんな胡散臭い外国人だと疑わられては屈辱です。
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イギリスでは、外国との流通が非常に盛んな上、似た外国のコインが結構多いので(例えば同じくエリザベス女王の肖像が入った香港ドルとか)、正しくない、または怪しいコインを、ちょろ誤魔化して渡す人が絶えません。しかし、日本と違って自動販売機を使用する機会はほとんど無い為、確認する機会もなく、大抵はいつの間にか入手して持ち続けています。一般の店舗でも、対応が店主本人じゃない限り、偽コインや似た外国コインを受け取っても、従業員は(お札は確認する義務があるようですが)一向に気付かないし気にしません。と言うことは、そう言うコインを御釣りとして客に渡しても、全くお構いナシなのです。この私の怪しい50ペンスも、地元の一般チェーン店で釣銭として受け取ったはずです。正しくないと指摘されやっと気付くのは、大抵フリマで支払う時だけ。もっともフリマ自体が、怪しい硬貨の根城だと言えます。
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皆様もイギリスを旅行する際は、どんな有名店で買い物しようと、現金で支払う限り、注意して一々釣銭を確認して下さい。例え偽金じゃなくとも、しょっちゅう金額自体を間違えますから(笑)。しかし、正規のイギリスのコインにしても、数種類デザインがある為、特に慣れないと即断するのは大変です。―――はたして私の怪しい50ペンス玉が、偽硬貨だったのか、または良く似た他所の国のコインだったのかは、何せ頭に来ていたから、その後すぐに他のストールで支払ってしまったので(爆)、今だ謎のままです。
 




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by piyoyonyon | 2017-01-29 15:32 | テーブル&キッチンウェア | Comments(2)

イギリスの地名の基礎知識

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物心が付いた頃から異様に地図が好きで、今でも地図を眺めていると、全く飽きずについ時間を忘れてしまいます。それに伴って、地名にも興味があります。地名の語源は、歴史や地形(かつての)を教えてくれます。つまり、地名には真実が潜んでいる訳です。アメリカ合衆国の地名は、大体英語系、スペイン語系、ネイティブ・アメリカン系に分けられますが、イギリスの地名は、大雑把に分けても、アングロ・サクソン(ゲルマン)系、ケルト(ゲール語)系、古代ローマ帝国の支配に寄るラテン語系、ヴァイキング来襲に寄る北ゲルマン(北欧)系、ウィリアム征服王が持ち込んだノルマンディー・フランス系があり、長い歴史の中で、これらが複雑に組み合わさって変化し、形成されている場合が多いようです。下に挙げたものは、特にイギリスの地名で目にし易い単語で、全くのトリビアですが、頭の隅に入れておくと、イギリスを旅行する際、多少は奥深くなることと思います。(注:じいいのウンチクの如く長いので、余程暇な時にお読み下さい)

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《-bury, -borough, -burgh》 例:Canterbury, Salisbury, Shrewsbury、Peterborough, Scarborough, Edinburgh
イギリス中で、非常に良く見掛けます。ドイツ語の-burg、フランス語の-bourgに相当し、防衛の為の囲い(堀や土塁や塀)、従って近世以前の城砦そのものや城壁(市外壁)を指します。ただし、例えこの単語が付いていても、城下町や城壁都市ばかりではなく、実際には市外壁を持たない、遺跡すら残ってもいない町や村もあります。しかし、かつては簡易な木柵等で囲まれていたのかも知れません。因みに、先史時代の要塞遺跡には、「ナントカburyリング」や「ナントカburyキャンプ」と名が付くところが多いようです。

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《-ton 》 例:Brighton, Kensington, Tauton, Boston
「囲い地」「屋敷」「荘園」「居住区」を意味し、長じて「town=町」の語源となったようです。

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《-ham》 例:Birmingham, Nottingham, Buckingham, Durham, Faversham, Lewisham
「農場」や「屋敷」、「定住地」を意味します。hamlet(villageより小さな集落)と同じ語源です。ドイツ語の「-heim」に相当。とは言え今は、大都市に成長している例も多く見掛けます。SouthamptonやNorthampton、Littlehamptonの「-hampton」は、「-ham」と「-ton」の合体形です。

《-don》 例:London, Swindon, Croydon
「丘」を意味します。ただし反対に「谷」を指すこともあり、Croydon の由来は「crocus valley クロッカスの谷」だそうです(…今の街の様子からは全く想像できん!)。ついでにSwindonは、「豚の丘」が由来。念の為、豚は富の象徴で、プラス・イメージだったそうです。

《-den》
「谷」や「窪地」のことです。現在の「den」は、巣穴等を意味する単語ですが、関連しているのかも。しかし、こちらも全く逆の「丘」を意味する場合があるそうです。どういうことだ。ケント州のMaidstoneの南には、「 -den」の付く村が沢山あります。要するに凸か凹かは、現地へ行けばハッキリすると言う事ですね…。

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《-combe》 例:Barcombe、Winchcombe、Castle Combe、High Wyecombe
やはり「谷」を差します。Barcombは、「ブリトン人の谷」の意味。

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《-borne》 例:Eastbourne, Westborne
riverよりも小さい、「stream, brook=小川」よりは大きい川を意味します。この名前の付く町には、川が流れていると言う訳です。Winterbourneと言う地名も良く見掛けますが、雪解け水や冬の長雨で、冬期のみ現れる川のことのようです。

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《-ford》 例:Stafford, Oxford, Stratford, Guildford, Telford, Thetford, Hungerford
現在でも通用する英単語で、川や湖沼などの、橋無しで渡れる「浅瀬」を意味します。ドイツ語の「-furt」に相当します。この名前の付く町は、大抵浅めの水辺にあります。勿論今は橋が架かっていると思いますが、古くから橋のある町なら、「Cambridge=ケム川に架かる橋」「Edenbridge=エデン川に架かる橋」のような名前になることが多いはずです。シェイクスピアの出身地で有名なStratford (upon Avon)は、ラテン語の「strat=道」と「ford」が合体した名前。

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《-chester, -caster, -cester》 例:Chester、Manchester、Leicester、Colchester、Chichester、Gloucester、Exeter、Dorchester、Doncaster、Lancaster
これも、いかにもイギリスらしい地名。古代ローマ帝国の言語、つまりラテン語の「castra」を元に古英語化した言葉で、城や要塞や基地を意味します。つまり、この地名の付く町には、かつてローマ軍の駐屯地があった場所で、今でも古代ローマの遺跡が残っているはずです。ローマが去った後には大聖堂が築かれ、現在は州都クラスの大きな都市に成長している例が多いと思います。

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《-ey》 例:Romsey, Romney
「島」を意味します。現在は内陸であっても、低地か干潟で、かつては島、または満潮時や洪水時に島状態になる湿地帯であった場合が多いようです。Elyも、そのバリエーション。

《-ley》 例:Barnsley, Bromley, Swanley
元は「leah」と言う古英語で、森を切り開いた土地、「森の中の開拓地」の意味。盆地のような地形の場所が多いようです。「-leigh」も同意語。

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《-wich, -wick》 例:Norwich, Ipswich, Woolwich, Warwick
ラテン語や古英語で、「農場」とか「場所」を意味します。ただしヴァイキング系の言葉では、-wickは「湾」「入り江」を意味する言葉から来ており、Yorkの古名「Jorvik」は、これに基づくそうで、川の湾曲部をも指すのかも知れません。

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《-ing》 例:Dorking, Reading, Working, Worthing
動詞の現在進行形のような町名を、イギリスでは結構見掛けます。これは、古英語の「ingas」が語源で、「people of~(~の人々)」を意味し、つまり人が集まる場所を意味しているようです。ドイツ語の「-ingen」に相当。Hastingsも、その一種。BirminghamやNottinghamは、「 -ing」と「 -ham」の合体形です。

《-pool》 例:Liverpool, Blackpool
「港」を意味します。この名の付く町は、古くからの港町です。

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《Chipping-》 例:Chipping Camden, Chipping Norton
古英語で市場を意味し、古いマーケット・タウンであることを示しています。ただしウィルトシャーの「Chippenham」は、人名から付けられたもので、この語源には当て嵌まらないそうです。

《shep, ship》 例:Shepshed、 Shepton Mallet、Shipley
船ではなく、古英語で「sheep 羊」の意味。

《-minster》 例:Kidderminster, Leominster, Wimborne Minster
「minster」は、大聖堂に近い大きな教会や修道院のことで、ドイツ語の 「Münster」と同じ。単に「Minster」だけの地名も見掛けます。

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《-low,-law》 例:Ludlow, Harlow
「丸い丘」を意味し、時に埋葬地、すなわち古墳を指すそうです。日本の宝塚市等の、「塚」のような言葉かも知れません。Lewesも、その変化形だとか。

《-kirk, Kirk-》
古いヴァイキングの言葉で、「教会」を意味します。なので、ヴァイキングが襲撃、または定住した地域に残り、イギリス南部ではまず見掛けません。地名の頭にも、語尾に付く場合もあります。

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《Llan-》
これで「thlan スラン」に近い発音で呼ばれます(現地人以外は絶対に正確に発音できません!)。ウェールズに大変多い地名。言い換えれば、これで始まる地名があれば、そこはウェールズです。「教会」や「教会のある村」を指します。
 
《magna》《parva》 例:Appleby Magna, Appleby Parva, Chew Magna
ラテン語でmagnaは大きい、 parvaは小さいを意味します。イギリスの田舎で良く見掛ける、「Great~(大ナントカ村)」や「 Little~(小ナントカ村)」と言った地名と同じ意味。ただし英語の文法と違い、名詞の後に形容詞が付きます。現在は、何故かレスターシャー周辺に多く残る地名。今でも村か集落ばかりで、これらが付く大きな町はありません。「大ナントカ村」のある側には「小ナントカ村」があるものと思いきや…、片方がGreatまたはLittleに変わってしまっていたりで、必ずしもmagnaとparvaで1セットとは限らないようです。

《-cot》 例:Ascot, Didcot,
古英語で「cottage コテージ=小さな家、田舎家」の略。ただし、ケルト系の言葉で森を意味する「Coed」、 または「Coet」を由来とする場合もあります。

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《-hurst》 例:Wakehurst, Sissinghurst, Midhurst, Goudhurst
主に南イングランドで、通り名やお屋敷名に付くのが見られる名称。サクソンの言葉で、「森のある丘」を意味するそうです。

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《-worth》 例:Tamworth, Petworth
「囲い地」を意味します。特権階級者等の、広大な領地を指すことが多いようです。

《-wolt 》 例:Stow-on-the-wolt
「標高の高い森林地帯」のことで(日本で言えば山林ってとこか)、南東イングランドに広がる丘陵森林「weald」と同じ意味です。ドイツ語の「Wald」も同源。

《-le-、-en-le-》 例:Chester-le-Street、Chapel-en-le-Firth
こんなまるで偽フランス語のような地名を、イギリスのあちこちで見掛けます。11世紀のノルマン征服後に伝わった、ノルマンディー・フランス語が元ではないかと考えられていますが、未だはっきり解明されていません。使い方は、「of ~の」とか「near ~の近くの」の代わり。

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《hithe、hythe》  例:Hythe, Smallhythe, Rotherhithe
古英語で船着場の意味。例え内陸にあっても、船着場が存在するはずです(またはかつてあった)。

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《Nor-》
古英語で「北」を意味します。ノーフォーク州の州都Norwichは、大体「北の町」のような意味です。

《Sud-, Sut-》
古英語で「南」を意味します。イギリス各地で見掛けるSuttonと言う地名は、「南の町」を意味します。

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あと、イギリス中で非常に多いのが、「St.~」の付いた、キリスト教の聖人に因む地名。特にコーンウォールへ行くと、こんな名前の聖人、聞いたことなんですけど!と思える地名が沢山あります。

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また、イギリス中で「Avon」「Ouse」と言う名前の川を見掛けます。どちらもケルト系の言葉で、川そのものを意味します。「Beacon」と名の付く山(丘)も、あちこちで見掛けます。烽火や篝火の意味で、かつて頂上で本当に伝達手段として烽火が焚かれた程、小高い眺望の良い山や丘に残る名前です。

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その他にも、「-port(港)」「 -mouth(河口)」「 -field(野原、平野)」が付く地名は、現在の英語の意味のままですよね。全体的にイギリスの地名の由来は、単純に地形から来た素朴な物が多いようで、日本のように謎めいた(横溝正史的な)伝説を含むような複雑な地名は、余り見掛けられないようです。地名の知識・研究なんて、全くの雑学のようでも、極めれば「toponymy 地名学」と言う専門的な学問になるそうです。

それでは皆様、良いお年を。




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by piyoyonyon | 2016-12-31 15:23 | イギリス生活・文化 | Comments(2)

「クラブツリー&エヴリン」のXmasオルゴール缶

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夏にフリマで購入した、お菓子の空き缶です。クリスマスにギフト用として販売され、元は中にファッジ(キャラメル風の菓子)が詰まっていたようです。古い物では全くありませんが、底にオルゴールが嵌め込まれているのと、イラストの精密さに惹かれました。オルゴールの曲目は、クリスマスらしく「くるみ割り人形序曲」。
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イラストは、いかにもイギリスらしい古風な店構えの、「クラブツリー&エヴリン」の店舗そのものを表現しています。まずジョージアン様式のドアには、大きなクリスマス・リースが掲げられています。
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窓から覗ける店内には、この缶を始め、クラブツリー&エヴリンの商品が、細かくリアルに描かれています。この店の名前と聞くと、昔東京に住んでいた頃、入浴剤好きの父の為にと、クラブツリー&エヴリンで買ったバス・キューブ(入浴剤をサイコロ状に固めたもの)を、母が出張で上京した際、お土産に持たせたのを思い出します。母が家に帰って父に渡すと、甘い物にも目がない父は、「これチョコレートだばい?!」と勝手に言い張り聞かなかったそうです。確かに銀紙に包まれていて、ホワイト・チョコに見えなくもなかったのですが、母が「いいえ、お風呂に入れる物だって言ってましたよ」と言うのも無視し、父はバス・キューブを齧り、そのまま顔をしかめて洗面所に激走したそうです。我が父ながら、意地汚いこと限りなし…。
 




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by piyoyonyon | 2016-12-16 15:28 | 箱・缶・入れ物 | Comments(0)

東方の三博士のFDC

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ハンガーフォードのアンティーク・モールで、玩具とゲームのFDCの他に、もう一枚買ったFDC(初日カバー)とは、このクリスマス柄です。この切手自体も、同じ切手のFDCも既に持っていますが、この封筒の柄(「カシェ」と言うらしい)のFDCは初めてでした。切手自体は国単位で発行しますが、FDCは郵便局各支局が民間業者に依頼して制作することが多い為、同じ切手でも数種のFDCが存在するそうです。発行は1981年。切手の絵柄は、児童絵画を採用しているようです。切手の貼り方にも注目。出来るだけ、切手が出来るだけ目立つように、大きく間隔を取って配置されています。右下に、一応小さく宛名ラベルがあります。
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このカシェは、キリスト生誕の際の「東方の三博士(or三賢者)」を表しています。皆血色と愛想が良く、こんなお茶目で可愛いじじい柄は、結構珍しいのではないかと思いました。カシェの印刷が、一般の印刷物とは一味違うのもFDCの魅力。渋い凹版印刷と、ツヤツヤ盛り上がったバーコ印刷が、レトロ感を高めています。
  




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by piyoyonyon | 2016-12-03 15:31 | ステーショナリー・グラフィック | Comments(0)

ビンテージのバラ柄の缶

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いかにも昔のイギリスらしい、元はギフト用のお菓子が詰まっていた缶です。底には、「Blue Bird Confectionery」との刻印があります。「青い鳥菓子店」と訳すと、何だか名前も可愛い。検索してみると、工夫を凝らした、様々な夢のあるデザインの缶入り菓子を販売していたメーカーのようです(…毎度ながら中の菓子は不味かったと思うが)。今では、「Needler’s」と言うメーカーに吸収合併されているそうです。
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フタには、8つのブロックに区切られた中に、それぞれ一種類ずつバラの花が、中々好みの1950年代っぽいタッチで描かれています。種類はハイブリット・ティーと一重のバラだけで、この時代の品種の流行が伺えます。ブロックの間には溝がエンボスされ、まるでブリキ製の水彩絵の具のパレットみたい。フタは、蝶番式に本体に繋がっている仕組みです。
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バラの背景も、側面のレンガ模様も、地のパターンは何故か木地。古い缶には、木調パターンと言うのが結構多くて、妙に惹かれます。
  




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by piyoyonyon | 2016-11-24 15:38 | 箱・缶・入れ物 | Comments(0)


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。


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