タグ:サセックス ( 53 ) タグの人気記事

森の中のワース教会

a0208783_5221860.jpg
イギリスで貴重なサクソン教会の多くは、今は時代に取り残されたような意外な場所にあります。この「Worth Church ワース教会」もそんな一つで、ガトウィック空港の南のCrawley クローリーと言う町の外れの普通の住宅街に、結構いきなり現れます。
a0208783_523585.jpg
教会の入り口には、日本の寺院の山門のような門があります。
a0208783_5234112.jpg
そして教会は、墓地、更に林に囲まれています。この林は、かつては「St. Leonards Forest 聖レオナルドの森」の一部だったと思われます。長閑で平穏そのものの場所に見えますが、今や周囲はすっかり住宅地に開発され、また空港や高速道路も近い為、実際には静かとは言い難いロケーションです。
a0208783_5241612.jpg
ここは元々は「ワース村」でしたが、今はクローリーに吸収合併されています。クローリーは戦後発展した味気ない新興の町なのに対し、ワース自体は歴史が古く、今でも結構瀟洒なお屋敷街で、住民は誇りが高いらしく、クローリーとは別個に「ワース」と名乗ることを好むようです。
a0208783_5265992.jpg
正式名称を、「St. Nicolas’ Church 聖ニコラス教会」と言います。「サクソン教会」または「アングロ・サクソン教会」と呼ばれる物は、起源をアングロ・サクソン時代(5世紀から1066年のノルマン征服まで)に持つだけで、実際には建物の大部分は後世に改増築された場合が多く、サクソン時代の建造物を多く残す本当のサクソン教会は、イギリス中に20~30しか残っていないようです。その点この教会は、非常に貴重な真のサクソン教会で、ウィキの「イギリスで最も古い建物のリスト」にも掲載され、国内の現役で使い続けられている教会としては11番目に古く、恐らく東西両セックス州の現存する教区教会としては最古、南東部全体でも最も古い教会の一つと考えられます。
a0208783_5252238.jpg
教会は、紀元950年に建てられたと言われています。その後のノルマン時代に、ウィリアム征服王の娘婿William de Warenneにこの地一帯が与えられて以来、代々彼の一族の庇護を受けて発展したようです。
a0208783_5261556.jpg
この窓は、典型的なサクソン様式。身廊の天井に近い上部にあるのは、珍しいそうです。
a0208783_5275160.jpg
この北側の塔と、反対側の南側の木製ポーチのみは、19世紀に建てられた比較的新しい建築物です。
a0208783_5283314.jpg
12月だったのに、墓地では寒桜か何かが咲いていました。
a0208783_5291675.jpg
一昔前のイギリス人は、墓石を安定良く立てる習慣、または技術がなかったらしく、古い墓石の多くは大きく傾いていて、イギリスの墓地は概ねゾンビ映画の撮影が出来そうな荒れた状態に見えます。フィンランド人の義母に言わせると、イギリスの墓地の無整頓ぶりは見苦しいそうです。墓地不足なのは日本同様ですが、御覧の通り一区画の境界線すらない場合がほとんどで、土地を無駄に使っているような気がします。墓地の中には、時折ケルト十字型も見掛けます。先祖がケルト系(スコットランド人、ウェールズ人、アイルランド人、コーンウォール人等)だからなのかは分かりません。
a0208783_53004.jpg
こちらの木の周りは、死産した子供達の墓標を集めた場所。ここ10年以内の物ばかりで、今でも死産は多いのだなと思いました。
a0208783_5305424.jpg
中に入ってみましょう。綺麗に明るく改装されていて、一見そんなに歴史の古い教会とは気付けません。奥の内陣手前のアーチは、現存するサクソン時代の教会のアーチとしては、国内最大級の物。
a0208783_5385345.jpg
村の教会としては相当立派な、パイプ・オルガンもあります。元は、身廊北側の壁に設置されて、もっとパイプが長かったそうです。
a0208783_5315070.jpg
この非常に背の高い狭いアーチは、身廊の両側に付いていて、元は全て外側に開いていたそうです。用途は今だはっきりせず、一説に寄ると、もしかしたら馬に乗ったまま教会に礼拝し、そのまま反対側から出て行く為の出入り口だったんじゃないかと(…そんなの失敬じゃないのか?)。
a0208783_5323422.jpg
サクソンやノルマンの教会建築は、何故か壁に不可解な窪みの開いていることが多く、元々は十字架等を祭る祠だったのかも知れませんが、今は教会側や信者に寄って、大抵ディスプレイ・スペースになっています。
a0208783_5331814.jpg
13世紀の石製の洗礼盤。実は、それぞれ側面の彫刻のデザインが異なります。
a0208783_5335918.jpg
内陣・祭壇部分。クリスマス時期だったので、ツリーが飾られていました。
a0208783_534337.jpg
極力小さく取られた窓が、ゴシック以前の教会建築の特徴を伝えています。1870年に火災に遭った為、木製の天井はヴィクトリア時代に葺き替えられました。
a0208783_5351070.jpg
クリスマス時期だったから、nativity=キリスト降誕の場面を描いたミニチュア・モデルも展示されていました。これは陶器製のようです。
a0208783_5354567.jpg
南礼拝堂には、大変古めかしいチェストが。念の為、棺桶ではありません。17世紀初頭の物で、当時大変貴重だった紅茶葉を保管しておく為のチェストだったと言われています。
a0208783_5371317.jpg
その横にも、アンティークのチェスト。上に積み上げられた、中途半端に古臭いスーツ・ケースのほうが気になります(笑)。
a0208783_5375673.jpg
北礼拝堂の窓のステンドグラスは、この教会で最古の物(12世紀)。
a0208783_5393570.jpg
身廊南側のステンドグラス。
a0208783_5402370.jpg
こちらの内陣南側のステンドグラスは、キリスト教の三元徳の内、「信仰」とそれを象徴する十字架、「希望」とそれを象徴する碇、の二つを描いた物。残り一つの「慈愛」は、何故かナシ。
a0208783_5423027.jpg
贅を尽くして権威を誇った有名な大聖堂も勿論面白いけれど、海外の旅行ガイドブックには決して紹介されないような、実際訪れてみない限り興味すら沸かない、小さく地味な古い教会の特徴や歴史も、やはり非常に面白いと感じました。今後も機会がある限り、サクソン教会を訪れてみたいと思います。
 



[PR]
by piyoyonyon | 2017-03-31 15:28 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

春のナイマンズ散歩

a0208783_782836.jpg
先週末、曇天で風が強くて天気はイマイチでしたが、とにかく運動せねば!と言うことで、ナショナルトラストの「Nymans ナイマンズ庭園」にちょっくら行って来ました。今年は植物の成長がとても早く、例年は4、5月に咲く植物でも、既に多くが花開いています。近所の木蓮が満開なので、きっとナイマンズの木蓮も、今頃咲き始めているだろうと気付いたからなのもあります。
a0208783_713476.jpg
天気は今一どころか、時折霧雨が降っていましたが、駐車場は既に満杯の人気ぶり。ロンドンからアクセス抜群なのが、いつも混んでいる理由の一つです。入り口前の花壇にも、水仙が見事に咲き揃っていました。
a0208783_74654.jpg
何かのサインなのか、こんなウェリーズ(ゴム長靴)に植物を植えたものが、あちこちに置かれていました。古い長靴を鉢植え代わりに使うのは、イギリスでは定番のアイディア。
a0208783_724158.jpg
この時期の見所は、まずヘレボラス。
a0208783_73318.jpg
12月に咲く「クリスマス・ローズ」ではなく、「レンテン・ローズ」のほうです。
a0208783_744023.jpg
八重のヘレボラスは、華やかで見応えがあります。
a0208783_753322.jpg
ヘレボラスとラングワート(別名ベツレヘム・セージ)の組み合わせ。
a0208783_765076.jpg
それから石楠花。イギリスの石楠花は、概ね日本人が驚く程樹木が大きく、花弁も大きいのです。
a0208783_771756.jpg
見事にボール状に花が集まった石楠花。
a0208783_775011.jpg
石楠花と水仙。
a0208783_7273552.jpg
そして、期待した通り木蓮(及びコブシの仲間)。
a0208783_7285862.jpg
木蓮も、イギリスのには驚く程大きな花弁の種類があります。
a0208783_794746.jpg
でも木蓮は、やはり青空を背景にしたほうが絵になりますねえ…。
a0208783_7103264.jpg
背が高過ぎて写真に納まり切れない木蓮が多い中、この木は手頃な大きさで、人気ナンバーワンでした。
a0208783_711253.jpg
人が居ない時の撮影を狙っていましたが、ひっきりなしに人が集まって来ます。それにしても、今はカメラを持っている人が少ないと、改めて実感しました。皆スマホで撮影しています。
a0208783_7113545.jpg
椿はこの時期終わりかけですが、まだ賑やかに咲いている木も沢山ありました。
a0208783_7121280.jpg
やはり八重の椿は、バラに負けない華やかさ。
a0208783_7131927.jpg
葉が艶やかで濃い緑色なのも、花を際立てています。
a0208783_7141072.jpg
木蓮、椿、石楠花の組み合わせ。全て、酸性土壌を好む樹木です。
a0208783_7145795.jpg
桜も、種類に寄っては満開でした。
a0208783_7154649.jpg
この桜のこんもり具合は、日本のソメイヨノシを思い出させます。
a0208783_7163565.jpg
一方、夏と秋には見事なボーダー花壇は、この時期何も植えられていない寂しい状態。
a0208783_7172816.jpg
ヘザー(エリカ、ヒース)も、寒い季節が見頃です。
a0208783_7183833.jpg
生憎ヘザーが植えられているロック・ガーデンは、冬季の長雨で岩が脆くなっているのか、大部分が立ち入り禁止でした。
a0208783_7192491.jpg
ピンクと白のヘザー、オレンジ色のサンゴミズキ、濃い緑色の針葉樹と、目を奪われるコントラスト。
a0208783_7201591.jpg
春の球根植物では、まず水仙が真っ盛りでした。
a0208783_7212023.jpg
私の庭ではチューリップが咲き始めていますが、ここでは未だでした。うちとそう離れていませんが、農村部なので気温が少し低いのです。
a0208783_7204861.jpg
ミニ・シクラメンは、夏を除いてほぼ通年咲いているような。
a0208783_7221550.jpg
水仙の合間に、バイモが咲いています。
a0208783_7235138.jpg
この牧場脇の並木道沿いには、特に水仙が見事。
a0208783_723541.jpg
天気は悪いけど、視界は割と良い日で、遠くまで見渡せました。
a0208783_7243467.jpg
ここは一番在り来たりな黄色いラッパ水仙ばかりですが、これだけ群生すると、やはり見応えがあります。
a0208783_7252420.jpg
クロッカスは終盤ですが、クロッカスの紫&藤色と水仙の黄色の組み合わせは、何度見ても飽きません。
a0208783_7261053.jpg
残念な天気の未だ肌寒い日でしたが、思いの他沢山の花を楽しめ、やっぱり来て良かったと思える、春の訪れを確実に感じたナイマンズでの散歩です。
  



[PR]
by piyoyonyon | 2017-03-21 15:35 | 旅行・お散歩 | Comments(2)

パラグライダーの聖地デヴィルズ・ダイク

愛猫トラちゃんを亡くして以来、おまけにこの暗い憂鬱な季節なこともあり、まるで春がもう二度と来ないように気分が沈没しています。精神の健康を保つ為には、この冬はいつもより数倍積極的に、日光を浴びなきゃ駄目だ~(おたけび)と実感しました。どうせ出掛けるのなら、日光浴も出来て、更に眺望の良い場所が、一層気分が晴れそうに思いました。それで快晴の週末、ブライトン近くの小高い丘、「Devil’s Dyke デヴィルズ・ダイク」を訪れることにしました。
a0208783_044152.jpg
ここへは、いつもなら手っ取り早く、国道クラスのA23号線を経て東側から行きますが、今回は西側の田舎道から、のんびり向かうことにしました。
a0208783_0443662.jpg
中央の丘は、鉄器時代の要塞跡で、ブライトンからも近く、見晴らし抜群の為、地元民、観光客、サイクリスト、モーター・サイクリスト、またバラグライダー愛好者に人気です。この丘と左の丘にある谷間が、イギリス最大の乾いた谷(川が流れていない)と言われる「デヴィルズ・ダイク」。「ダイク」は「ditch」の古風な言葉で、主に土木工事に寄る「溝」を意味します。でも今は、この丘一帯をデヴィルズ・ダイクと呼ぶようです。
a0208783_045957.jpg
今日も頂上には、パラグライダーがいっぱい。
a0208783_0452822.jpg
と思ったら、パラグライダーの幾つかが、目の前の牧草地に着地しました。その中の一人の青年が、これから歩いて再び頂上に向かうと、仲間と話しているのを聞き付け、P太が「丁度車で頂上に向かうところだから、良かったら乗って行くかい?」と、いきなり声を掛けて誘いました。青年は大喜び。パラグライダーを担いで歩い丘を登ったら、50分は掛かるらしいのに、たった5分で行けるのですから。
a0208783_0483450.jpg
P太が何故こんな親切心を出したかと言うと、パラグライダーに付いて生で色々聞きたいと言う、好奇心に他なりません。青年は今ロンドンに住んでいるけど、元々サセックスの出身で、ここへは毎週末のようにパラグライダーを楽しみに来るそうです。こんなイギリスの田園風景が大好きだから、と言っていました。
a0208783_049513.jpg
頂上に到着。麓はまるで風のない日だったから、こんな日にパラを楽しめるのかと疑問に思っていましたが、南から海風が直撃する頂上は、常に物凄い風の強さ。青年は何度もお礼を言って、再び空に舞って行きました。一方私達は、日光摂取の為にも、しばし頂上を散策することにしました。
a0208783_0503248.jpg
実家近くの「仙台平」という山(あぶくま鍾乳洞の頂上)も、パラグライダーに人気なのですが、私が子供の頃は、ハンググライダーのほうが多かったように記憶しています。聞くところに寄ると、パラのほうが機材が手軽で初心者でも楽しめるからだとか。
a0208783_1135052.jpg
サウスダウンズの丘を、東から西に向かって眺めたところ。この日の視界はイマイチですが、一番奥の中央の丘の頂上に、もう一つの鉄器時代の要塞遺跡チャンクトン・ベリーの森も見えます。
a0208783_0522232.jpg
北側には、weald ウィールドと呼ばれる、なだらかな森林丘陵地帯が広がります。こんな快晴なのに、北の空の下方だけ暗く霞んで見えるのは…、マジでロンドンの大気汚染かも。
a0208783_052564.jpg
東側の尾根上には、これまたDitchiling Beacon、Hollingbury、Wolstonbury等の要塞遺跡があります。イギリスの見晴らしの良い丘の上には、大抵古代の集落or要塞跡があったと思って良い感じですね…。
a0208783_0532667.jpg
頂上は草原になっていますが、ゴース(エニシダの一種)が所々に茂り、更に夏にはブラック・ベリーが大繁殖するようで、トゲトゲで歩きにくそう。この一帯はナショナルトラストで管理され、植物や昆虫の宝庫で自然豊かな場所として知られています。
a0208783_054467.jpg
これは、北側の村フルキングから、かつて通じていた登山列車の跡のようです。一方南側には、昔は頂上近くまで鉄道が通じていましたが、どちらも自家用車が一般化する時代になると消えて行きました。
a0208783_0553773.jpg
要塞跡から、デヴィルズ・ダイクを見下ろします。確かに、長さ&深さ共にイギリス一の乾谷と言われている通り、中々迫力の大きさです。長さは約1マイル(1.6km)、深さは100mと言われています。
a0208783_0312032.jpg
その昔悪魔が、北側のウィールドに多い憎き教会を、南側の海の水を引いて水没させようと掘ったと言う伝説から、この名前が付きましたが、実際には1万4千年程前に、氷期末の川となった大量の雪解け水の浸食と、土壌流に寄って形成されたと言われています。しかし長い間、氷期の氷河谷と考えられていました。
a0208783_051420.jpg
因みに、ケンブリッジシャーにも、同じ「デヴィルズ・ダイク」と言う名前の場所がありますが、そちらはアングロ・サクソン時代に建設された、本当に土木工事の溝だそうです。
a0208783_0544783.jpg
鉄器時代の要塞遺跡の近くだけあって、この谷の周辺にも、青銅器時代の古墳等、先史時代の遺跡が点在しています。いつかじっくり散策したいと思っていますが、太陽の位置の低い冬の間は、北向きの谷の為、常に日陰で底冷えしそうです。
a0208783_111464.jpg
谷の端に見えるのは、「Sadlescombe サドルスコム」と呼ばれる中世から続く歴史的な集落。村全体が、ナショナルトラストで管理されています。
a0208783_0582137.jpg
谷底には、黒牛が何頭か放牧されていました。ハイカーの安全は大丈夫なのか??と心配しましたが(牛は気が立つと怖い)、ビビッて引き返す人も居れば、平気で真横を通過する人もいます。
a0208783_0591679.jpg
ヴィクトリア時代のデヴィルズ・ダイクには、英国初のケーブル・カーが掛かって谷を横断していました。右はその残骸を、後にコンクリートで固めたもののようです(当時はコンクリートが存在しなかったので)。昔の写真で見ると、単なるを空中に吊るしてあるような、極めて原始的なゴンドラで、かなり恐ろしそうでした。
a0208783_0594637.jpg
日照時間の極端に短いイギリスの冬で、あっと言う間に日は翳ってしまいましたが、日光浴は十分出来たことを祈ります。少なくとも、眺めの良い場所に行くのは、精神衛生上効果的なように感じました。「馬鹿と煙は高い所」を逆手に取って、気が滅入っている時には、高所で頭をカラッポにするのが一番かも知れません。
  




[PR]
by piyoyonyon | 2017-02-09 15:32 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

ルイスのアンティーク・モール巡り ガラス器編

a0208783_7355949.jpg
昨年末に訪れた城下町Lewes ルイスの、幾つかのアンティーク・モールを回って見掛けた、ガラス製品を御紹介します。ウラン・ガラス探しが夫婦共通の趣味なので、やはりガラスへの注目度は一番位の高さです。しかし今回は、ウラン・ガラスの他にも、ソルト・セラーにも注目してみました。
a0208783_7352657.jpg
まず右上の黄色い花瓶が、ウラン・ガラスでした。
a0208783_7402150.jpg
ヴィクトリア時代に流行し、暖炉の棚の上に飾って炎の反射を楽しんだらしい、mantle lustre マントル・ラスターが集めてあります。
a0208783_7405112.jpg
その中でこれは、細い縁だけがウラン・ガラスのマントル・ラスター。
a0208783_7425428.jpg
ハンドルだけがウラン・ガラスのジャム・ポットですが、蓋とスプーンが純銀なので、このお値段。
a0208783_7432761.jpg
凄く美しい、吹きガラスのウラン・ガラスでした。エパーンの一種? 価格は確認出来ず。でも高そうです。
a0208783_7452537.jpg
形的には一見在り来たりなコップですが、実は通常のコップのサイズより数倍大きいのです。最早コップとして使用するのは不可能な位、片手で持ち上げられません。
a0208783_7463697.jpg
フォルムはシンプルですが、霜降り状になった色が中々綺麗なウラン・ガラスの花瓶。ちょっと風船みたい。
a0208783_7474239.jpg
以前私達がシュルーズブリで買ったボウルと同じ、蝶のシリーズのコスメ・セットですが、こちらは意外にもウラン・ガラスじゃないのです。
a0208783_7481944.jpg
この三つの緑の吹きガラスの花瓶も、非ウラン・ガラス。でも手描きの模様が、それぞれ繊細で魅力的。
a0208783_7525898.jpg
かなり平べったい、ウラン・ガラスのパウダー・ジャー。蓋のカット模様が細く、中々綺麗です。
a0208783_7533415.jpg
いかにもアール・デコらしいデザインの、ウラン・ガラスの花瓶。
a0208783_7542843.jpg
こちらはクリーマー、またはミルク・ピッチャー。…いちいち店内で発光させて、撮影しなくてもって言われそうです(なんて怪しい客だ!)。
a0208783_7364536.jpg
続いて、ソルト・セラーです。まず私が持っているのに近い、無色透明で極スタンダードなタイプのオープン・ソルト(セラー)。ペアで10ポンドとは、結構なお値段です。
a0208783_75523.jpg
無色透明ガラスのオープン・ソルト、勢揃い。やはり塩入れとして使うことは、今は考えられないので、幾つかはキャンドルに仕立ててあります。
a0208783_7383115.jpg
ガラス製ソルト・セラーも色付きになると、ぐんと数が減るようです。色付きガラスのオープン・ソルトばかりを、コレクションしている人も居るそうです。
a0208783_7391174.jpg
こちらは、頭だけ銀製のウサギ型。全部銀か、ガラスで統一したほうが良かったのに…。こういう具象的なモチーフ型は、どんなアイテムでも「ノベルティ~」と呼ばれます。
a0208783_7412221.jpg
銀製、または銀の縁や蓋付きになると、途端に値段が上がります。右から二番目のには、MOP製のミニ・スプーンも付いています。ネット式の銀製は、かつてライナーのガラス器が付いていたものと思われます。
a0208783_7415888.jpg
このガラス製の白鳥は、オープン・ソルトかどうか分かりません。でもウットリ美しい。
a0208783_7505581.jpg
ダブルのハンドル付きオープン・ソルト。わざわざ貝に貼り付けてあって、正直言って安定悪いです!
a0208783_7491542.jpg
インタリオ(裏彫り)のガラスのオープン・ソルトも、割と見掛けるアイテムです。浅めなので、ピン・トレイとして再利用出来そうです。
a0208783_7513254.jpg
同じくインタリオ。左の鳥とシャボン玉は可愛いんですけど、右がアール・デコ期に流行った裸の女の組み合わせってのが…。しかも、腹筋割れてマッチョな女性??
a0208783_7521753.jpg
最後に、昭和の日本にもあったような、50~60年代っぽいポップな花柄のコップとピッチャーのセットです。


  
第一回プラチナブロガーコンテスト
[PR]
by piyoyonyon | 2017-02-02 15:30 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

年男

a0208783_4543920.jpg
先日、うちからそう遠くない観光用農場で、ファーム・ショップの他にも、アンティークやコレクタブルを販売しているとの情報を得たので、とある週末、天気は全然だけど、行ってみることにしました。
a0208783_455672.jpg
…と思ったら、入り口の駐車場に、いきなり迫力のデカさの雄鶏が! 
a0208783_4553150.jpg
寄り添う妻(雌鶏)と比べても、裕に倍位の大きさです。今年の干支が酉と言うことは、日本の皆様は既にイヤと言う程耳にしていると思いますが、この酉は、英語では単に「chicken 鶏」ではなく、「rooster 雄鶏」のことを指します。
a0208783_456545.jpg
鶏は大抵攻撃性が強く、猫も逃げ出す程ですが、この体格の良い彼はシャイな性格だったらしく、ちょっと近付いただけでスタコラ逃げて行きました。―――リーフレットには、農場は毎日オープンしていると書いてあったのに、実はその日は改装中で閉場。前以て何でも、サイトで確認しないと駄目かいな…。結局、立派な鶏の写真だけ撮って帰りました(笑)。
 



.
[PR]
by piyoyonyon | 2017-01-15 15:33 | 動物 | Comments(0)

クマのプーさんの故郷、アッシュダウンの森

毎年クリスマスは、イヴの日から義両親の家に泊まり込むのですが、今年はクリスマスを楽しむ雰囲気にはとても耐えられそうもなく、25日には訪れるからと約束し、24日は夫婦だけで過ごしました。天気はまあまあ良かったので、少しでも日光を浴びる為に、午後から近辺へ出掛けることにしました。イギリスの冬は、日照時間が短い&天気が良くない為に半端なく暗く、日光が不足すると、本当に体調にも精神にも響くので、晴れの日には積極的に外出しなくてはならないのです。
a0208783_653416.jpg
選んだ行き先は、A.A.ミルンの児童文学「クマのプーさん」の舞台で有名な「Ashdown Forest アッシュダウンの森」。ケント州や東西サセックス州に広がる「weald ウィールド」と呼ばれる丘陵森林地帯の中では、サウスダウンズノースダウンズを除けば、恐らく標高的には最も高い地域と思われます。大体、East Grinstead、Tunbridge Wells、Crowborough、Uckfiled、 Haywards Heathの五つの町に囲まれた部分を指すかな。ただし森と言っても、主に自動車道が通る尾根部分は、実際にはゴース(エニシダの一種)やヘザー(エリカ、またはヒース)の低い藪が生い茂る、高原荒野地帯になっています。
a0208783_65415100.jpg
自動車道脇には、あちこちに無料駐車場が設けられ、ピクニック用のテーブルや遊歩道が完備されています。クリスマス・イヴだと言うのに、訪れている人が結構沢山居ました。主に犬連れの近隣住民で、犬の散歩にはクリスマス休暇なんてありませんからね(…なので犬フン多し。要注意!)。
a0208783_6544870.jpg
今回まず最初に車を止めたのは、Coleman's Hatch村近くの「Broadstone」と言う場所でした。何でもこの麓に、ダーウィンが発見した、珍しい生態系を持つ酸性の湿地があるそうです。
a0208783_651546.jpg
この日は霞んでいて、これらの写真からはお伝え出来ませんが、本当は眺望抜群です。
a0208783_6513078.jpg
次に訪れたのは、「King’s Standing」。アッシュダウンの森は、元々中世からチューダー時代に掛けては王家の狩猟場だったので、それに因む名前のようです。それ以前の青銅器時代、鉄器時代、古代ローマ時代にも、この森は活用されたとか。特に豊富な木材を生かし、製鉄業が盛んだったようです。
a0208783_6515863.jpg
これがゴースの花。この一帯には、野生の鹿もいっぱい生息しているらしく、「鹿飛び出し注意」の道路標識を沢山見掛けます。鹿が車にぶつかると、体が大きいだけに相当大ゴトですよ…。
a0208783_6524574.jpg
日光を浴びると言っても、日差しは薄く、おまけに日はすぐ翳り、更に風が強くて寒かった為、歩くのはちょっとだけで、ほとんど車の移動で過ごしました。クマのプーさん目的の海外からの観光だと、大抵Hartfield村を拠点に、徒歩で森の中の棒投げ橋を目指すだけになりますが、出来ればレンタカー等で、この森全体を見て回って欲しいと思います。イギリス南東部にも、こんな風景があるのだと結構意外に思える、ちょっと独特な景観です。お勧めは、A22号線~Wych Cross~Coleman's Hatch~B2026号~再びA22号線のコース。もし家族や友達がイギリスに来たら(ここ数年誰も来ませんが…)、連れて行きたいと思います。
 




[PR]
by piyoyonyon | 2016-12-29 15:27 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

クリスマス・シーズンのルイス

a0208783_18195983.jpg
12月に入り、快晴の週末があり、何処へ出掛けようと考えて、恐らくこの辺りで一番ヨーロッパのクリスマスらしい雰囲気が味わえる町、Lewes ルイスに行くことにしました。チチェスターやウィンチェスター、カンタベリー等の大聖堂都市も、クリスマスは良い雰囲気だと想像しますが、駐車のし易さを考えると、多分ルイス位の規模の町のほうが、訪れるのにはずっと手軽です。
a0208783_18202359.jpg
ルイスに来て何をするかと言えば、勿論主にアンティーク・モール巡り。まずは、「フリー・マーケット」と言う名の、元礼拝堂を改造したモール。
a0208783_18204530.jpg
入り口に、中世のお姫様が使用したような、天井付きのベッドがありました。
a0208783_1821658.jpg
毎度の如く私が惹かれるのは、100年以上昔の「アンティーク」よりも、やはりミッドセンチュリーやスウィンギング時代の「ビンテージ」が多い、更に女性らしいセレクトの小物がストール。
a0208783_18212997.jpg
1950年代辺りの食器棚を利用したディスプレイは、何度見ても素敵。
a0208783_1822791.jpg
今回は、クリスマスらしいアイテムを中心に御紹介します。この季節、私の大好きな、薄いガラス製のビンテージ・ボーブルがあちこちで売られていました。
a0208783_21373869.jpg
「フリー・マーケット」の近くの、旧マーケットの建物では、実際クラフト・マーケットが開かれていました。
a0208783_18224147.jpg
お次にやって来たのが、やはり教会を改造したアンティーク・モール。宗教建築の再利用、イギリスでは特に多いと思います。
a0208783_18232076.jpg
入り口には、手作りのリースが。生の植物を利用しても、大抵一ヶ月位は色褪せずに長持ちするよう工夫されています。
a0208783_18234938.jpg
中二階から眺めると、天井が高くて、教会らしさが良く分かります。
a0208783_18242064.jpg
ここのモールは、全体的にやや高級なアンティークが多め。でも一つだけ、キッチュなビンテージ・ボーブルを沢山扱うストールがありました。
a0208783_18245842.jpg
バラで販売するストールもあれば、一箱分セットで販売するストールもあります。ここはバラ。一個2ポンドから5ポンド位です。
a0208783_18253945.jpg
全体的に見ると、何度眺めて飽きない程魅力的なのですが、実際買いたいかと言えば、もう随分似た物を持っているしってことになります。
a0208783_1826883.jpg
唯一惹かれたのは、手前のリスのようなモール製の動物が張り付いたボーブル。
a0208783_18263521.jpg
左のカラフルなクレープ・ペーパーを巻いた物も、何かクリスマスの装飾のようです。
a0208783_1827112.jpg
ちょっと小生意気そうな、スノーマンの人形。もしかしたら、昔の日本製かも知れません。
a0208783_18305198.jpg
こちらのストールは、セット販売でした。1セット20~30ポンド位。中央の長いオーナメントは、ツリーの天辺に差す物。「topper トッパー」と呼ばれます。
a0208783_18312294.jpg
パッケージの紙箱も、良い味に育っています。
a0208783_1832135.jpg
橋の袂に毎週出店している、バッジ(インド風天ぷら)屋さんの屋台。今まで何度も見掛け、毎回その匂いに激しく誘われましたが、お昼ご飯を済ませた直後だったのに、今回初めて買ってみました。
a0208783_18325165.jpg
バッジは豆の粉の天ぷらで、グルテン・フリー。オニオン以外は、パコラと呼ばれるようです。何と、バッジ・バーガーなんてメニューも。インド人ではなく、白人女性二人が切り盛りしています。その内の一人は、ジブリ映画のファンらしく、P太のコートに着いているトトロのバッジにすぐに気が付き(いい歳したオッサンがトトロのバッジ…)、「どのジブリ映画が一番好き?」と尋ねて来ました。
a0208783_18331826.jpg
私達が注文したのは、小盛りアソートです。注文後に揚げるので、カラッと出来立て熱々。付け合せに、マンゴー・チャツネ等の二種類のソース(またはインド風漬物)が選べます。オニオンの他に、パースニップ、ケール、芽キャベツなんかが揚げてありました。どの野菜も美味しい!! 天ぷらもそうですが、野菜の美味しさが一層際立つ、または野菜嫌いでも克服出来る調理法かも。ルイスを訪れる際には、是非お試し下さい。
a0208783_21312478.jpg
橋を渡り、長いルイスの目抜き通りの東の果て、「Cliffe Street 崖通り」に入って来ました。ここにも、アンティーク・モールが数軒。
a0208783_18351120.jpg
幾つかのアンティーク屋は小規模ですが、ちゃんとモール形式になっています。ディスプレイが、いかにもクリスマス仕様。
a0208783_18353960.jpg
ツリーに飾り切れないボーブルは、こうやってまとめてボウルに盛ると綺麗。
a0208783_18362364.jpg
こちらは、古物番組にも度々登場するモール。奥が迷路のように深く複雑な構造で、掘り出し物に出会える確率も高めです。
a0208783_18374243.jpg
イギリスのお土産モチーフとしても代表的な、赤いポストの缶。この三つは貯金箱のようです。右の裏面には、実は成婚時のチャールズ&ダイアナの写真がプリントしてあります。
a0208783_183881.jpg
そのお向かいのモール。やはり奥が深く、地下&屋根裏も含めて4階の構造です。
a0208783_18383224.jpg
針金で作った、卓上ミニ・ツリー。ちょっと楽しいアイディアです。
a0208783_183924.jpg
上階の奥のほうには、部屋を丸ごと表現したような、1950~70年代のレトロ率の高いストールが幾つかあって、いつ見ても心が躍ります。
a0208783_18395796.jpg
左の戸棚の扉の文字の書体が、いかにもイギリスらしい。
a0208783_21245866.jpg
椅子の上には、実はおもちゃの国のノディ君の人形が座っています。
a0208783_21252645.jpg
屋根裏の小部屋ってところが、また好み。
a0208783_21255269.jpg
緑と赤の鹿のガーランドを飾って、少しクリスマス気分。
a0208783_21263425.jpg
緑のビニールのレトロ籠も、赤と緑の刺繍テープ、金のリボンでクリスマス仕様。
a0208783_2127234.jpg
でもやっぱり、ビンテージ・ボーブルのキッチュな色合いが一番クリスマスらしいかな。
a0208783_21273927.jpg
アンティーク・モールの窓から、町並みとお城が見えます。丁度雪が降っているような雰囲気ですが、実は窓が汚れているだけ(笑)。
a0208783_21283229.jpg
日が翳り出すと、薄暗い古風な町並みにイルミネーションが映えて、益々クリスマスらしさが盛り上がって来ました。
a0208783_21291252.jpg
特にツリーの電飾は、やはり薄暗くなったほうが見栄えが増します。
a0208783_2130567.jpg
最後に訪れた、Needlesmaker内のアンティーク・ショップの聖歌隊人形。…他人とは思えん(笑)。
a0208783_21303413.jpg
今回既にクリスマス・プレゼントは買い終えていたので、ここに来る目的は特になかったのだけど、やはりクリスマス・シーズンのルイスは雰囲気抜群です。
 




[PR]
by piyoyonyon | 2016-12-21 15:22 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

プルボローのアンティーク・モール

「Hardham ハードハム」の、英国最古級の壁画が残る教会へ行く途中、通過した隣村(町の規模だが村だそうだ)「Pulborough プルボロー」の端の、街道と川が交差する場所に、アンティーク屋らしき店があるのを、車窓からでも私が見逃す訳はありません。教会を見学した後は、当然立ち寄りました。
a0208783_6462038.jpg
これが、その川沿いのアンティーク屋「The Corn Store」。併設されたティールームは人気らしく、午前中からかなり賑わっていました。
a0208783_6471735.jpg
規模は然程大きくありませんが、アンティーク・モール形式になっており、我が家にもあるIKEAのガラス・ケース(笑)がズラリと並んでいます。
a0208783_6492133.jpg
ビンテージ・ジュエリーは、2ポンドからと手頃な値段。中には、結構珍しい素材の物も混じっています。
a0208783_7291866.jpg
こちら左下は、幾つでも欲しくなる、アール・デコ時代のチェコ製のフィリグリーのブローチ。
a0208783_6501162.jpg
プラスティック製ですが、既に昔ならではの味わいが滲み出ているクリスマス・ボーブル。
a0208783_651216.jpg
ウラン・ガラスに興味を持つようになって以来、ガラス器全般にも注目するようになりました。これは、フロスト加工の吹きガラスに、手描きのエナメル彩色の花柄が愛らしいピッチャー。
a0208783_6514468.jpg
ラリックのようなオパール色の、カトラリー・レスト(食卓でナイフやフォークを置く台)。右はプードル型、中央はカップ、左のにはカタツムリのモチーフが乗っています。
a0208783_652282.jpg
屋根裏のような2階にも売り場あり。
a0208783_653376.jpg
デキャンタ等ガラス瓶のストッパー(栓)。自然光では無色透明なのに、やはり幾つかはウランが何故か含まれているのか、紫外線光を当てると緑に発光します。
a0208783_6543648.jpg
ポーランドの木製人形は、今や軒並みこの位の値段だなあ。私の持っているのと、同じタイプです。
a0208783_6551398.jpg
薄いガラス製の、レトロ感満点のボーブルの詰め合わせ。箱入りセットで22ポンドです。
a0208783_6555726.jpg
中々好みの品揃えのストール。古いトランプを紐で繋げて、バンティング(ガーラント)に見立てています。中央の馬のぬいぐるみは、シュタイフ社製で、元はメリー・ゴーラウンド型の玩具のパーツだったようです。
a0208783_6562699.jpg
もう一体、ポーランドの木製人形がありました。これは、今まで見たことのないコスチュームのタイプ。
a0208783_6565555.jpg
木の枝を三角形のトレリスに組み立て、ツリー代わりにオーナメントを飾った楽しいディスプレイのアイディア。ツリーを置くスペースのない家でも、真似出来そうです。
a0208783_6573514.jpg
その中で、このクリスマスの天使人形に惹かれました。大した値段ではなかったのですが、今回は他にも幾つか買う物があったので見送り。多分、昔の日本製です。
a0208783_658124.jpg
結局、小規模ながら結構充実していて、P太も私も買いたい物に出会え、中々楽しめました。店の脇を流れるのは、「River Arun アラン川」。この下流に、人気の城下町「Arundel アランデル」があります。運河で他の川と繋がり、19世紀の後半までは、ロンドンとポーツマスを結ぶ重要な商業交通路だったそうです。
a0208783_6584249.jpg
そこに架かる、18世紀中頃に建てられた「Old Swan Bridge」と言う石橋。かつてここに、白鳥亭と呼ばれるホテルがあったことから名付けられたそうです。脇に船着場があり、今でもボート下りが楽しめるみたいです。店の側の専用駐車場は3、4台限定ですが、この橋のすぐ向こう側にも駐車場があるので、車で気軽に立ち寄れる、中々貴重なアンティーク・モールです。場所は、ペットワースからそう遠くありません。
 




[PR]
by piyoyonyon | 2016-12-13 15:33 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

英国最古の教会壁画

ある日の昼食時間、いつものようにテレビの古物番組「Bargain Hunt」を眺めていたら、イギリスでは割と貴重なサクソン時代(5~11世紀)の教会の中でも、国内で最古級、尚且つ保存状態も最高クラスの壁画が残ると言う教会が紹介されていました。場所は、ウェスト・サセックス州の「Pulborough プルボロー」近く。うちから遠くないじゃないかと言うことで、翌日夫婦で早速訪れることにしました。
a0208783_5135013.jpg
教会は、プルボローのすぐ南の「Hardham ハーダム」と言う村にあります。教会の正式名称は、「Church of St Botolph 聖ボトルフ教会」と言います。ボトルフは、7世紀のイースト・アングリアの修道院長で、「Botwulf of Thorney」 や「Botulph」、「Botulf」とも呼ばれ、旅行者と農業の守護聖人だそうです。
a0208783_5142698.jpg
サクソン教会の例に漏れず、小さく簡素な造り。情報がなければ、そんな特殊な内部を持つ教会とは絶対気付けない、何の変哲もない地味な外観です。
a0208783_5145241.jpg
この村は、「Southdowns National Park サウスダウンズ国立公園」の端に位置します。南側に、そのサウスダウンズの山(丘)並みが見えます。
a0208783_515156.jpg
鐘楼は木製。多分、屋根からでないと登れない仕組みです。
a0208783_5154429.jpg
教会の外壁には、不思議な窪みがありました。古来、大陸からの進んだ文化の多くは、ドーヴァー海峡を渡ってイギリスに伝えられた為、その海峡に面するケント州(当時王国)は、サクソン時代にはイングランド内でキリスト教の一番発達した先進国でした。ところが、その隣のここサセックス(南サクソンの意味)は、意外にも、キリスト教化するのがイングランドでも最も遅い部類だったとか。
a0208783_5161239.jpg
今はヨロズ屋の一軒すら見当たらない、「village 村」よりは「hamlet 集落」と呼ぶのが相応しいような寒村ですが、ここは古代ローマ時代には重要な中継地でした。村を貫通する現在のA(国道クラス)29号線は、かつては「Stane (stoneの意味らしい)Street」と呼ばれる石畳敷きのローマの旧街道で、ロンドンとチチェスターを繋いでいました。この村でも、ローマ時代の駅舎や宿舎、村や浴場の遺跡が発見され、またその時代の建物や石畳の石材は、後に教会建設に再利用されたようです。
a0208783_5164210.jpg
内部も、想像した通り極めて質素。少し黴っぽい臭いがしました。後の時代のノルマン時代の教会と比べても、窓が極端に少ないのが印象的です。
a0208783_5222711.jpg
天井には、古めかしい木製の梁が。デヴォン州で一番古い建造物と呼ばれる、古城付属の茅葺屋根の礼拝堂を思い出させ、返って豪華絢爛な教会建築より、純粋な信仰心が感じられます。
a0208783_523314.jpg
そして、壁画はほぼ内壁の全面にビッシリ描かれているのが圧巻。窓の側面にさえ、壁画が施されています。中には、イングランドの守護聖人聖ゲルギオウス(ジョージ)を描いた、英国最古の像も混じっています。制作者は、「Lewes ルイスの画家集団」だったと言われています。吟遊詩人のように、当時はこう言った流れの芸人達が、各地を旅行しながら仕事をしていたようです。
a0208783_5263217.jpg
多分、キリストの洗礼の場面。教会は、ウィリアム一世に寄るイングランド征服間近の1055年に建造されましたが、壁画が制作されたのは、それより遅れて12世紀と言われ、有名なバイユーのタペストリー同様に、「アングロ・ノルマン形式」と呼ばれています。
a0208783_5174675.jpg
主祭壇部分。実は「サクソン教会」と呼ばれる建物の多くは、単に起源をサクソン時代に持つだけで、後に何度も改装され、オリジナルの建造物は部分的にしか残っていない場合がほとんどです。ところがこの教会は、建設当時の姿をほぼ完璧に残しているようです。
a0208783_5181114.jpg
更に、壁画がここまで完全な状態で残っているのは、長年この上に漆喰が塗られていたからだそうです。19世紀になって、漆喰の下から壁画が発見されました。
a0208783_5185859.jpg
受胎告知の場面。壁画は、イギリスでは珍しいフレスコ画の技法で描かれました。イタリア等地中海沿岸ではお馴染みの手法ですが、ここイギリスでは、湿気が多く乾くのに時間が掛かり過ぎる為、フレスコ画が発達しなかったそうです。
a0208783_5192473.jpg
この教会の壁画の中でもアイコン的な、アダムとイヴの像。絵が余りにも稚拙で、一瞬どちらが男で女かは見分けが付きにくいのでした(笑)。
a0208783_5195240.jpg
壁画が制作されたのは、暗黒時代と言われる中世。はっきり言って芸術の分野は、技術的にも感性的にも、前のローマ時代から退化しています。この牛の絵も、ラスコー洞窟の壁画から進化なく無く見えます。
a0208783_5463032.jpg
とは言え、千年近くも昔の、特権階級ではない、一般市民の信仰心を、こんなに生き生きと伝える資料は、世界的に見ても中々ないのではと思います。
a0208783_5203290.jpg
バチカンのシスティーナ礼拝堂のミケランジェロの天井画より、300年以上も前に制作された教会壁画。うーん、非常に興味深い、貴重な物を見させて貰いました。これはイングリッシュ・ヘリテイジ級(歴史的建造物第一級には指定されている)、いや、世界遺産クラスかも知れません。入館は無料ですが、見学させて貰った後は、信者ならずとも感謝の気持ちを込めて、文化遺産保護の為にも御布施を忘れずに。




[PR]
by piyoyonyon | 2016-12-06 15:28 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

ナイマンズの秋のボーダー花壇

a0208783_410537.jpg
午前中は雨が降っていた土曜日、午後からは大体天気が回復したので、日頃の運動不足を少し解消する為にも散歩に出ようと言うことで、ウェスト・サセックス州のHandcross ハンドクロス村近くの、「Nymans Garden ナイマンズ庭園」に行きました。既に午後3時近くの、今までで一番遅い時間に訪れました。ここもロンドンから割と近い、人気のナショナルトラストの庭園で、晴れた週末の午後イチ位には、付属の駐車場が満杯で、村内に駐車しなければならない程です。しかし、その日は天候が不安定な上に遅い時間だった為、返って問題なく駐車出来ました。
a0208783_4112079.jpg
この時期、私達夫婦が庭園を訪れるのは、純粋に植物を楽しむ為よりも、只トレッキングしたいとか、リフレッシュしたい場合が多いと思います。とは言えナイマンズは、秋もしっかり花々で楽しませてくれます。まずは、バラ園を囲む生垣外側のボック&チェリー・セージのボーダー花壇。
a0208783_411474.jpg
アスターやクレオメ、フーシャや秋明菊も加わり、全体的に野趣溢れる雰囲気です。
a0208783_4121827.jpg
どちらかと言えば普段は地味なアスターも、群生すると見応えあります。
a0208783_4124534.jpg
ここのバラ園には、四季咲きのイングリッシュ・ローズが多いのですが、この時は花自体は余り咲いていませんでした。うちの裏庭のほうが多い程。白黒の傘の主はP太。青空なのに、未だ時々雨が降ります。
a0208783_413733.jpg
このバラは、「Gentle Hermaione ジェントル・ハーマイオニー」。シェイクスピアの戯曲「冬物語」に登場する、心優しき王妃に因みます。
a0208783_4134121.jpg
こちらは「Lichfield Angel リッチフィールド・エンジェル」。英国中部のリッチフィールド大聖堂で発見された、8世紀の石灰石板の天使のレリーフからの命名です。
a0208783_4141261.jpg
続いて、ウォルド・ガーデンの迫力の秋のボーダー花壇がお出迎え。ここでは、誰もが見入っていました。花壇の種類で言えば、「インフォーマル・ペレニアル(宿根草)・ボーダー」に分類されるはずですが、「インフォーマル」とは言え、いかにもキッチリ念蜜に植栽計画された雰囲気。
a0208783_4145577.jpg
植えられているのは、ダリア、ジニア、セージ、アスター、フロックスなど。それにトリカブト(汗)も混じっています。ここのボーダー花壇、季節毎に開花時の花に取り替えるので、このように見事に花いっぱいか、または改装中で全く花ナシの悲しい状態か、のどちらかです。どの季節のボーダー花壇も楽しませてくれますが、私は秋が一番見応えあるように思います。
a0208783_4153317.jpg
噴水の周囲のトピアリーは、まるでスター・ウォーズのBB-8のよう。でも、スター・ウォーズ7公開の遥か前からこの形なのです。何でも、女王のジュビリーを記念して王冠を象っているとか。
a0208783_4155954.jpg
噴水の後には、また両側に盛り沢山のボーダー花壇が続きます。
a0208783_4162516.jpg
日本では、盛夏の花と言うイメージのダリアですが、イギリスでは初秋から霜が降りる頃まで咲き続ける秋の花です。
a0208783_4164165.jpg
花弁の大きさや花色の鮮やかさから、やはりダリアは、どの花壇でも主役になり得る存在です。
a0208783_4171220.jpg
夏から咲き始めるフーシャも、イギリスではどちらかと言えば秋を彩る花。
a0208783_4173444.jpg
秋のボーダー花壇を通ると、館に到着します。いつもなら賑わっているこの辺りも、今回は遅い時間なので最早訪問者が疎らです。
a0208783_418661.jpg
カメラ馬鹿のP太に寄れば、秋冬は日照時間が少ないし、晴れの日自体も稀だけれど、こんな低い日差しのほうが、撮影には向いているそうです。特に、雨上がりの澄んだ空気は最適だとか。
a0208783_4185878.jpg
半分廃墟のお屋敷の入り口には、シコンノボタンが咲いていました。非耐寒性のはずなのに、地植えされて、しかも大株に育っています。この鮮やかな花色は、私のカメラでは拾えないなあ…。
a0208783_4193080.jpg
館の南側は、私が初めてこの庭園を訪れ始めた頃には、工事中で立ち入り禁止でしたが、徐々に整備され、今では中々充実したロック・ガーデンになっています。
a0208783_4195872.jpg
数年前に完成した「sink garden 凹んだ庭」は、この季節はコスモスに覆われていました。ハートの繰り抜きが可愛いベンチの背面には、NYMANSと彫刻されています。
a0208783_4202813.jpg
公共遊歩道にもなっている庭園周辺の牧草地では、日本語でアマツバメと訳される鳥「swiftスイフト」が、物凄いスピードで沢山飛び回っていました。飛びながら、空中の虫を食べているのです。スイフトは普段は絶壁に住んでいますが、渡りの途中だけ平地でも姿を見ることが出来るそうです。しかしここで見掛けたのは、普通のスイフトではなく、どう見ても腹部の白い「alpine swift アルプス・スイフト」でした。イギリスで見掛けるのは、かなり珍しいかも知れません。
a0208783_4205999.jpg
日本と違いイギリスの紅葉は、8月下旬辺りから、気象条件や木の種類に寄り、徐々にゆっくり始まります。ナイマンズ周辺の谷も、一部の木だけが紅葉真っ盛りです。
a0208783_4213212.jpg
ふと気が付けば、既に他の訪問者もほとんど見当たらず、閉園時間間近! 日もすっかり傾き、気温もひんやりし始め、ここまで遅く居たのは初めてです。去り際に谷間を眺めると、淡く虹が掛かって見えました。
 



00000010_13281537.png


[PR]
by piyoyonyon | 2016-11-02 15:31 | 旅行・お散歩 | Comments(4)


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。


by piyoyonyon

プロフィールを見る
画像一覧

お知らせ

手帳一冊目(2014年7月までのブログ)はこちら

日々のつぶやきブログはこちら

コメント欄を承認制にしています。

Copyright
©2007-2017
Der Liebling
All Rights Reserved.

ブログジャンル

海外生活
雑貨

カテゴリ

全体
ごあいさつ&お知らせ
おもちゃ・人形
アクセサリー
テーブル&キッチンウェア
ファブリック
インテリア・デコレーション
箱・缶・入れ物
ファッション・コスメ
バッグ・靴・帽子
手芸用品
本・メディア
ステーショナリー・グラフィック
飲み物・食べ物
旅行・お散歩
ガーデニング・植物
動物
その他
イギリス生活・文化

タグ

(144)
(125)
(115)
(107)
(104)
(96)
(85)
(73)
(68)
(60)
(60)
(59)
(56)
(56)
(54)
(53)
(50)
(46)
(41)
(41)

以前の記事

2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月

最新の記事

プールの手描きの花模様ピン・..
at 2017-08-23 15:27
キルターの憧れの店「カントリ..
at 2017-08-22 15:37
懐かしの西荻窪
at 2017-08-21 15:21
ウラン・ガラスの羽根柄フルー..
at 2017-08-20 15:31
今日は女子会
at 2017-08-19 15:27

記事ランキング

検索

最新のコメント

> jin-chanさん..
by piyoyonyon at 04:56
ぴよよんさん こんにちは..
by jin-chan at 16:19
>加代子さん、欧米人の美..
by piyoyonyon at 17:34
本当に素敵なバレッタです..
by 加代子 at 19:47
真木さん、ありがとうござ..
by piyoyonyon at 18:30
ぴよよんさん ブロ..
by 真木 at 10:04
>千鳥さん、はじめまし..
by piyoyonyon at 01:21
> jin-chanさん..
by piyoyonyon at 01:13
>はっちさん、こちこそあ..
by piyoyonyon at 00:58
>tanihiro4hさ..
by piyoyonyon at 00:45

画像一覧

ブログパーツ

  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。