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ソンプティング教会のお祈りクッション

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Somptingソンプティングと言う村に在る、東西サセックス州で二番目に古い教区教会「The Church of St. Mary the Blessing Virgin」にも、イギリスの教会では御馴染みの、信者達に寄って作成されたらしい、礼拝の際に跪く為のクッション(正式名:Kneeler ニーラー)が沢山在りました。クリスマス柄も混じっていたので、この時期に御紹介することにしました。
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やはり、どれも大きさはB4サイズ位、厚みは10cm 程度、カバーがニードルポイントで作成されているのは全国共通です。
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このクッションの土台は、一般で売られているのは見たことがありませんが、恐らく教会用品の業者が販売し、カバーのキットのような物も在るのだと思います。
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柄も、多分キットに予めプリントされているのか、または専用の図案集が存在し、幾つかの柄は、他の遠く離れた教会でも出会ったことがあります。
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その一方で、オリジナル・デザインに挑戦する人も居ます。これはこの教会の外観で、特徴のある尖塔を中々見事に表現しています。
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どちらにせよ、お祈りクッションはイギリス独特のアイテムで、ヨーロッパの他の国では見掛けたことがありません。英国外の国教会(日本では聖公会)には有るのかな?
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図案も、イギリスならではの物がいっぱい。例えば、イギリス人がこよなく愛する田園風景とか。牧草地には白い羊が。
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赤いポピーは、イギリスでは戦死者慰霊の象徴です。
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白いチョークの崖の入り江(多分ドーセット辺りの)も、イギリス人に人気。
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イギリスの、何処の田舎でも見掛けるウサギ。ヨーロッパの他の国では、それ程人目に触れる場所に出没しません。脚がでかいので、rabbitではなくhareかも。
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イギリスで最も親しまれている野鳥の一つコマドリと、春を一早く知らせる花スノードロップの組み合わせ。コマドリは、イギリスではクリスマスの定番モチーフでもあります。
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リスは、この辺で良く見掛ける外来害獣の灰色リスではなく、あくまで古来種の赤リス柄。
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英国国教会のトップでもある、女王に敬意を表したロイヤル柄。
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こちらも、王冠を組み入れたロイヤル柄。
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A.Sは、何のイニシャルなんだろう。
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そして宗教柄も、勿論お祈りクッションの定番。
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十字架をジオメトリックな地紋風に表現したもの。
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秋の収穫を、神に感謝した柄かな。
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イエスの血であるワインに因んでブドウ柄。立体感や艶が、中々上手く表現されています。
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これは一瞬何を表しているのか分かりませんでしたが、世界地図に、平和の象徴であるオリーブの葉を咥えた白鳩を組み合わせています。本当に、世界の中心で平和を叫ばなくてはならない、どんどん物騒な時代になって来ていますよねえ…。




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by piyoyonyon | 2017-12-13 15:35 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

森の中のマーケット・タウン、ワドハースト

Bodiam Castle ボディアム城」を見学した後、未だ日没までは時間が少しあったので、次に何処を訪れよう?と言うことになりました。そこで、城に向かう際に通過した「Wadhurst ワドハースト」と言う町が、昔ながらの雰囲気が残る良さげな町だったので、其処へ寄ることにしました。
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丁度、森の中の丘の上に突如現れる、大き目の村程度の規模の町と言った感じです。中世から、マーケット・タウン(定期的に市場の立つ町)として栄えて来たそうです。最寄の市クラスの大きな町はTunbridge Wells トンブリッジ・ウェルズですが、しょっちゅう買い物に出掛けるのには結構不便な立地の為、ワドハースト自体が商業消費地として自立しなければならず、今でも割と多く商店が在ります。特に、現在のイギリスでは珍しくなった、昔ながらの店構えの、チェーン店ではない個人商店が多く残っています。この荒物屋なんて、最早博物館クラスかも。
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こちらの薬局も、まるで絵本に登場するような古風な店構えです。
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しかし、4時前なのに帰宅ラッシュが始まったのか、ハイ・ストリート(目抜き通り)の交通量は結構多く、道路を横切るのが大変でした。決して長閑な田舎町と言う雰囲気ではありません。
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ハイ・ストリートから少し奥まった場所に、中々立派な教区教会が在ります。
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12世紀に起源を持つ、「セイント・ピーター&セイント・ポール(聖ペテロ聖パウロ)教会」です。
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古い物ではなさそうですが、この鐘楼の扉上部の鉄細工が可愛い。
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祭壇部分のステンド・グラス。
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祭壇の脇には、またしても謎の壁の窪みが在りました。ゴシックの窓枠の一部のように見えますが、床からの高さは1mもないんですよ。
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結局、単に古くからのマーケット・タウンと言うだけで、正直言って特に興味を引く物は見付けられない町でした~(笑)。しかし現在のイギリスは、移民の急増に寄り致命的な住宅不足で、「こんな田舎でさえ」と思える場所でもどんどん宅地開発されている為、こう言う只昔ながらの何の変哲もない町こそが、更に貴重になって行く物と思われます。この町は、中心から離れた場所に一応鉄道駅もあり、周辺の村からの通勤者達の沢山の車が、いきなり森の中に駐車されているのが現れ、最初に見た時にはちょっと驚きました。通勤の中継地として、十分役立ち活気はあるようです。
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この町を去った後、絶品の美しい夕陽を追い掛けながら、アッシュダウンの森を通過して帰宅しました。
  


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by piyoyonyon | 2017-12-02 15:27 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

サセックスで二番目に古い教会

ウィキペディアの「英国の古い建築物リスト」で、サセックスで二番目に古い教会が、海辺の町Worthing ワージング近くのSompting ソンプティングと言う村にあると知り、晴れた週末に訪ねてみる事にしました。
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それがここ。A27号線からちょっと横道にそれた場所で、「教区教会」の標識が出ています。正式名称を「The Church of St. Mary the Blessing Virgin 祝福された聖処女マリア教会」と言います。
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11世紀から12世紀の、アングロ・サクソン時代とノルマン時代に建てられた教会で、今でも当時の建築部分が多く残っています。主に地元のフリント石を用いて建設し、部分的にフランスから輸入したカーン石(白い砂岩)で装飾し、屋根には粘板岩を葺いているそうです。
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西側の塔は、サクソン時代の建造物。石材には、古代ローマ時代のレンガも再利用されているそうです。
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この特徴的な尖塔の形は、「Rhenish helm(ライン地方の舵の意味) 」と呼ばれ、本来ドイツのライン川流域のロマネスク様式教会に多い形式です。イングランドでは、ここが唯一の例と言われています。
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外観の北西側には、かつての建物が取り壊され跡に、新たに建てられているのが分かります。この場所には、13世紀にテンプル騎士団の宿舎が設けられていたようです。
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この北側のアーチ通路口は、何故か塞がれました。その下に、何だか訳ありそうな鉄製の十字架が。
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北側を除き、墓地が囲んでいます。東と西の墓地は古く、南側は後から増設したようです。
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天使像や玩具が集中した一角があり、どうやら死産か出産後すぐに亡くなった赤ん坊のお墓。
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通路を囲む、強固で機能的な土留め、またはガーデン・エッジと思いきや、小さな墓石でした! 無縁墓碑なんでしょうが、リサイクルが大胆…。
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サウス・ダウンズの丘の斜面の高台に立地する為、ワージングの町が見下ろせます。海抜は、せいぜい50m程度かも知れませんが。
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内部にも入ってみましょう。数段低くなった南翼廊が入り口になっています。かつてこの部分はテンプル騎士団の礼拝堂で、独立した建物だったのを、19世紀に教会と繋げたそうです。
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白い漆喰の塗られていない、剥き出しの砂岩のままの部分が、どうやらオリジナルのようです。
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南翼廊の壁面に嵌め込まれた、何だか崇高な雰囲気が漂うプリミティブな造詣のレリーフは、修道院長を表していおり、12世紀の物で保存状態良好。
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教会の規模にしては、立派なオルガンもあります。
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内部は、想像通り簡素です。木製の屋根が、イギリスの村の教区教会らしさを伝えています。
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身廊北側に出っ張った、印象的な装飾。かつては、この奥にテンプル騎士団の宿舎がありました。
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北翼廊には、二つの礼拝堂が。この教会は、中世にはウィリアム征服王直属のブランバー公家の庇護の元、またテンプル騎士団の中継地として発展しましたが、18世紀にはかなり朽ち果てていたそうです。その為に、返って大きく手を加えられず、当時の姿を残しているのかも。
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内陣・祭壇部分。ステンド・グラスは、近代の製作だと思います。
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祭壇の周囲の壁には、用途不明の窪みが幾つか開いています。サクソン教会やノルマン教会には、こう言う造りが多いと思います。
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P太が、「遺灰壷とかを入れて置く為の棚じゃない?」と言っていましたが、その頃キリスト教には火葬はないでしょ…。全く歴史オンチだなあ。
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サセックスで一番古いワース教会もそうでしたが、イギリスで貴重なサクソン教会の多くは、今は何の変哲もない小さな村に残っていることが多いようです。どんなガイドブックにも掲載される大聖堂も勿論面白いけれど、やはり古い小さな教会も、隈なく見学出来て興味深い!と感じました。





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by piyoyonyon | 2017-10-03 15:27 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

再びヘッドコーンのアンティーク・モールへ

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シシングハースト城庭園を訪れた後は、近くの村「Headcorn ヘッドコーン」のアンティーク・モールを訪れるのが、我々のお決まりのコースとなりました。…どうもつい、「コーンヘッド(とんがり頭)」と言い間違えてしまいます(笑)。P太の従兄二人が、そういう頭をしているもんで。
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入り口は非常に小さいのですが、思いの他奥は広いアンティーク・モールです。
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入り口にディスプレイされていた、白いレースのクラシックなドレスが素敵。
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今気付きましたが、棚の上に日本の羽子板が飾ってありますね。
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二階は古着中心。これは新品で手作りの、リバーシブルの子供用の服です。大人用があれば良いのに~。
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同じくハンドメイドの、ユニコーン・カチューシャ。これは結構面白いアイディアだし、自分でも作れそう。
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日はまだまだ長い季節なので、アンティーク・モールを覗いた後は、しばし村の中を歩いて見ることにしました。クリーム・ティー屋もある位だから、中々魅力的な村です。
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村の地図に寄ると、ハイストリート(目抜き通り)のこの辺りの民家は、15世紀から18世紀の古い建物が、ズラリと集まっているそうです。
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そういう家は、住人の意識が高いので、必ず前庭も抜かりなく綺麗。
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特にこのバラの季節には、イギリスの家が一層映えて見えます。
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結構交通量の多いハイストリートは、突然墓地にぶつかって折れ曲がります。
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この墓地は、教区教会に属しています。14~15世紀に起源を持つ、聖ペテロ・パウロ教会です。
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墓地の脇にも、絵になるコテージ(田舎家)が並んでいました。
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やはりバラは、イギリスの家屋にばっちり似合います。バラが咲く時期には、5割増し位素敵に見えるんじゃないかな。この家なんて、本当に典型的なお菓子缶のデザインです。
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墓地で咲いていた、モック・オレンジことフィラデルファス(バイカウツギ)。ここの墓石は、古い物が圧倒的に多く、大抵が無縁仏としか思えない程(…ホトケとは言わんがなあ)、長年手入れされずに大変荒れていました。ほとんどが脆くて風化し易い砂岩製なのと、例の如く、伝統的に墓石を地面にしっかり建てる技術、または習慣がないからです。
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中には、「これ絶対そのうち崩れるか倒れて負傷者が出る!」と思える、巨大なボロボロ墓石もありました。この墓地は、そう言う意味でも怖い場所です。
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地図に寄れば、教会の真後ろにあるこの建物が、どうやらマナーハウス(荘園領主館)のようです。地図を見る限り、この村には3~4軒のマナーハウスがあったらしいんですけど、そんなに税金を徴収する非生産階級が多くては敵わんですね。
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この他、この村には13世紀築の石橋があるらしいのですが、見付けることは出来ませんでした。
   




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by piyoyonyon | 2017-07-05 15:38 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

工業と移民の都市バーミンガム

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平日にP太が仕事で日帰りバーミンガムへ行く用事があり、ミーティングが行われるのは街の中心部だと言うことで、一緒に連れて行って貰うことにしました。彼がミーティングに参加している間、街をうろつく計画です。バーミンガムは、言わずと知れた、ロンドンに続くイギリス第二の大都市。しかし、伝統的に工業都市の為、聞くからにつまらなさそー、おまけに治安もロンドン以上に悪そうで、多分一生訪れる事はないと思っていました。とは言え、週末にわざわざ行く価値は確かにないかも知れないけれど、平日に「ついで」に来て見ておく分には、悪くない機会かもと思った訳です。
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時間は午前10時から午後4時までとたっぷりあるので、まずは普通に観光してみることにしました。街のヘソとも言える、ヴィクトリア広場へ直行。
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ヴィクトリア女王の像があるので、ヴィクトリア広場と呼ばれているのではないかと思います。
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これが市庁舎。この後ろが、バーミンガム博物館&美術館になっているようです。
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こちらの大英博物館のような新ギリシャ様式の建物は、タウン・ホールだそうです。
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この広場には、幾つかの彫像が並んでいます。これはモダンなスフィンクスかな。
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ミイラ…? 「アイアン・マン(鉄人)」と言うそうです。
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しかし、こう言う現代アートが点在する、一生懸命「文化的なんですよ~」と主張する街って、何だか返って文化度が低くて安っぽい感じがするのは、私だけでしょうか。
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この像なんて、正面から見ると相当ヘン。多分50~60年代に制作されたからなのか、何となく共産圏の香りがします。
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続いて、大聖堂に向かいます。イギリスの大聖堂には珍しく、バロック様式です。
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大聖堂と言っても、ノルマン、サクソンどころかローマ時代に起源を持つイギリスの多くの大聖堂とは違い、建てられたのは18世紀だし、司教座が置かれて教会から大聖堂に格上げされたのは20世紀に入ってからだし、そもそも大聖堂とは思えない非常に小さな規模です。
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ともあれ、大聖堂の周囲は、居心地の良さげな公園になっています。ここで工事作業員のにーちゃん達が、墓石の上に座って弁当を食べていました。
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しばらく入り口を眺めていても、誰一人入って行く様子がないので、大聖堂の内部は見ていません。
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大都市の中心部だけに、さすがに大きな建物ばかりで、イギリスには珍しく非常にモダンなビルも犇めき合っていますが、その合間にこんな古めかしい建物もあります。
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イギリス第二の都市と言えど、第一のロンドンに比べると、ずっとこじんまりして見えます。それ程、ロンドンがズバ抜けて巨大と言うことです。
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この通りの間から覗く、アルミ箔を貼り付けたような斬新な建物は、バーミンガムの中央駅と言える「New Street Station ニュー・ストリート駅」。
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バーミンガムは、地下鉄の他に路面電車も走ります。
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バーミンガムは移民の多い街としても有名で、その割合は、私が住んでいる英国南東部より高いんじゃないかと感じる程。特にインド・中近東系が多く、バーミンガムを去る時はモスクを幾つか見掛けました。アフリカ人や中国人も、沢山住んでいるようです。
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このブースは何かと言いますと、イスラム教の勧誘をしているのです。こんなの、初めて見ました。ブースの側面には、「テロに信仰はない」と大きく書かれています。一般のイスラム教徒とテロリストは全く違うと訴えたい訳ですが、テロリスト本人達は、それが信仰だと信じて疑わないのだから厄介です。丁度この時、メディアか何かのインタビューを受けていました。
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ニュー・ストリート駅の東側は、「Bull Ring ブルリング」と呼ばれる街一番の商業地帯になっています。
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ここの真新しいショッピング・モールに入って、正直ホッとしました。街中がゴミだらけで汚く、ここのみが清潔に見えたからです。しかし、イギリスのショッピング・モールの常で、全国何処でも同じ顔ぶれのメジャーなチェーン店ばかりが入っており、見るべき物はほとんどないつまらない場所でした。
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インド女性用のドレス専門の店は、バーミンガムらしいかも。パンジャービーやサリーの専門店なら、今やイギリス中にありますが、ショッピング・モールに入っているのを見るのは初めてでした。
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カード専門店にて。右上のカードには、「ドナルド・トランプは君が嫌いだってさ。きっと君が、何か正しいことをしているからだね」と書いてあります。ある意味、カードのモチーフとしては人気者のトランプ(笑)。この両脇には、ここでお見せ出来ない程、これ(トランプの顔)以上に下品なカードが並んでいました。
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ショッピング・モールの南側は急に低くなっており、中世から今でも続く市場が残ります。大都市の中心部に、これ程高低差があるとは意外でした。
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ショッピング・モールの外観。ブツブツ恐怖症には、大変不快な建物だ…。
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その一段低くなった場所に立つ、赤い砂岩で出来た「St. Martin's Church セイント・マーティン(聖マルティヌス)教会」。はっきり言ってこの教会のほうが、大聖堂より古くて風格があります。
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内部では、何故か信者のおばーさん達が、やたらうるさくお喋りしていました。
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大きな市場地帯を抜けると、丁度ニュー・ストリート駅の南東に当たる場所に中華街があります。…んん?これがそう? 横浜や神戸、ロンドンに比べると大変ショボく見えるんですけど、これは単なる一部だと信じたい。念の為、飲食店の内部は、中国人客ばかりで大変賑わっていました。この中華街があるせいか、地元民ではない、中国人の観光客も、観光地じゃないのに多く見掛けました。
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再び、ニュー・ストリート駅の北側に戻り、この赤いレンガの立派な建物は裁判所。
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その向かいにある、「Central Hall」と呼ばれる建物。歴史的建造物二級指定の由緒ある建物で、元はメソディスト教会の所有だったようですが、今は雑居ビルになっているようです。
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バーミンガムの中心部には、あちこちにアーケードがあります。
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ここは、その中でも一番美しく見えました。
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おたくショップ。日本語が表示され、日本のアニメや漫画グッズを中心に売るけど、こういう店がイギリスで日本人経営の例がありません。そして、必ず堂々と海賊版を売っています。この店先にも、いきなり中国語の書かれた怪しいポケモン(バチモン!)・グッズが売られていました。
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結局大幅に時間を持て余してしまい、やはりバーミンガムは、期待しなかった通りに、観光には不向きな街だと実感しました。住んでいる人に対しては失礼ですが、立派な建物も多く、特に真新しいビルが多いのにも関わらず、街中がみすぼらしい不潔な印象で、浮浪者や物乞いも集中して多く見掛けました。P太曰く、「産業革命以来の労働者の街で、家も物価も安いから、多くの移民が住み着いたけれど、イギリスの産業自体が衰弱している現在、経済の悪化に比例して犯罪も多い」とのことです。ショッピングが致命的につまらなく、チャリティショップすら少ないのも、私にとっては退屈でした。しかし、もう二度とこの街を訪れることはないだろうと確信しただけでも、来た甲斐はあるかも知れません(笑)。



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by piyoyonyon | 2017-05-17 15:29 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

壁画教会のお祈りクッション

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ウェスト・サセックス州のWest Chitlington ウェスト・チルティントン村の、大変保存状態の良い12世紀の壁画を残す「St.Mary’s Church 聖マリア教会」には、私の好きなお祈りクッションが沢山ありました。
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このお祈りクッション、英語では「kneeler ニーラー」と呼ばれます。ガーデニングで使用する「膝当て」と同じ単語で、礼拝中にお祈りする際、跪く時に使用するのだと思います。
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イングランド国教会、またはイギリス特有のアイテムのようで、他のキリスト教国では見掛けた事がありません(…もしかしたら英国連邦国にはあるのかも)。約B4の面積×厚さ10cm位のサイズのヌード・クッションかウレタンを、毛糸のニードル・ポイントが刺繍してある布で包む仕様も、国中何処へ行っても共通しているようです。多分、信者達が手分けして制作しているのだと思います。
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恐らくニーラー制作専門の手芸本が存在するらしく、イギリスの他の教会で見た覚えのあるデザインも多く、今までも既に撮影したことがあるかも知れません。この画面を六分割した中に花が一つずつ描かれたデザインは、どのバリエーションを見ても好き。
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側面にも注目。教会名入りがオリジナルです。
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ニーラーの図案は実に様々ですが、非常に大きく分類すると、いかにもキリスト教らしい物とそうでない物があります。私が好きなのは後者で、撮影するのも、どうしてもそう言うニーラーが中心になります。宗教色のないデザインのモチーフの代表は、植物や動物や風景。
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動植物は、やはりイギリスらしい種類ばかりだし、風景はイギリスを代表する田園風景中心です。
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大航海時代を思わせる、力強い帆船の柄。
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多分、秋の収穫を祝う柄。
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これは鳩なのかなあ? でも平和の象徴の白鳩ではないし、鳥種は特定出来ず。
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これは、もしかしたら十字架をモチーフとしたパターンなのかも知れません。だとしたら、隠れキリシタン並みの控えめなキリスト教色ですね…。
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一見単なる文様に見えても、実はさりげなく宗教的な意味合いが盛り込まれている柄も多いようです。
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これも、十字架をパターン化したようです。側面に制作年入り。
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前出の、ほぼ色違い。使い込まれて、かなり毛羽立っています。
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白百合は、聖母マリアの象徴。背景には百合の紋章が。
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楽しげな音符柄も、「主に向かって歌え」。
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これは、今まで見掛けたニーラーの中で、結構異色。はっきり鮮やかでレトロな色合いの、幾何学模様的なデザインです。平面構成に見えますが、何気に近い一段暗い色で、陰影が付けてあります。して言えば、ステンドグラスを題材にしているのかも。
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宗教っぽいにしろ、そうじゃないにしろ、やはりニーラーは魅力的な手芸品で、見ていて飽きません。イギリスで定期的に教会に通うキリスト教徒は、僅かになって来ているそうですが、このアイテムはいつまでも消えずに、イギリスの文化遺産として残って欲しいと(信者でもないくせに勝手に)思います。今後も、素敵なお祈りクッションの沢山ある教会との出会いを期待します。









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by piyoyonyon | 2017-04-25 15:32 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

もう一つの中世の壁画教会

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ネットで何かを調べている内に、英国最古級の壁画を持つHardham ハードハム村のサクソン教会の近くに、同じ位古い壁画を持つ教会が、もう一つ存在する事を偶然知りました。居ても立ってもいられないくなり(忍耐ない)、早速連れて行って貰うことにしました。
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その教会は、「West Chiltington ウェスト・チルティントン」と言う村にあり、ハードハムの西4~5km位に所在します。うちからはそう遠くありませんが、幹線道路がB(県道クラス)道さえ一つも通っていない村の為、今まで一度も通過した事がないどころか、名前を聞いた事すらありませんでした。想像した通り、不便な場所の為に返って現代の開発から間逃れた、昔らしい雰囲気が良く残る村に見えます。この辺りは、「ウィ-ルド(丘陵森林地帯)の手付かずの様子を一番残す場所」とも表現されるそうです。
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教会の正式名は、「St. Mary Church 聖マリア教会」と言います。
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南側から眺めたところ。緑の丘(って言っても墓地ですけど)の頂上に立つ、いかにも牧歌的な可愛い教会に見えますが、情報がなければ、そんな特殊な内部を持つ教会とは全く気付かず、外観は在り来たりな村の教会にしか見えません。
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建立は1088年ですが、それ以前のサクソン時代にも、確証はないものの、多分同じ場所に教会が立っていたのではないかと伝えられています。サセックスでも三番目に古い教会建築で、イングリッシュ・ヘイリテイジに寄り、歴史的建造物第一級に指定されています。
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西側に、教会付属としては結構広い墓地があります。やっぱり沢山の墓石が倒れているっスね…。
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こちらの平面でシンプルな墓石は、現代のイギリスの最も一般的なスタイル。火葬後に散骨(と言うより散灰)する為、その下に遺体や遺灰は埋葬されていないから、正確には墓石ではなく記念碑だそうです。
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尖塔かつ鐘楼は木造。
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教会の手前には、「stocks 足枷」と「whipping post 鞭打ち柱」と呼ばれる昔の刑具が。足枷は、この板の穴に罪人の両脚を固定して(定員二名)一定期間晒し者にし、その間見物人は、好きなだけ腐った果物や野菜を罪人に投げ付けて良いと言う晒し台です。もう一つの鞭打ち柱では、文字通りここに罪人を縛り付け、鞭打ち刑にしました。どちらも17世紀の物で、イギリスの大抵の村に存在したようです。
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教会の内部は、身廊=北西、内陣=北東、南側廊=南西、そして礼拝堂=南東と、概ね四つのブロックに分かれています。
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礼拝堂だけが14世紀の増築で、後はほとんど12世紀(11世紀のオリジナルではない)の建造物です。
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まず、ハードハムの教会の内部より、窓が大きく取られて陽が燦燦と差し込んで明るく、壁画が寄りはっきり残って見えるのが印象的でした。
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壁画の彩色は、今では褪せてほぼ赤系のみに見えますが、制作当時は、恐らく色の氾濫のように華やかだったであろうと言われています。もしかしたら正教会のようだったのかも、と想像します。
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身廊の北側の壁には、「Annunciation 受胎告知」の場面。教会自体の起源は、ハードハムのサクソン教会より遅くノルマン時代ですが、内部の壁画は、ハードハムと同じく12世紀に制作されたと言われています。保存状態が良いのは、やはり長年漆喰の下に塗り込められていたからだそうです。
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身廊と南側廊の間のアーチ上には「Calvary カルヴァリー」、すなわち処刑場ゴルゴタの丘へ向かうキリスト受難の場面。
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左から右へ向かって物語が進み、これらは最後の三つの場面で、中央はキリストの磔刑、右端は良く見えませんが、埋葬か復活を描いているのではないかと思います。
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アーチの下にも、それぞれ異なる文様が描かれています。
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一箇所に二種類の文様が交わって見えるのは、後の時代に下地を塗って上描きした、つまり時代の異なる文様が二重になっているからのようです。
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アーチを支える柱頭の装飾も、それぞれ異なっていて興味深いのです。
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壁画は12世紀に制作され始めましたが、二百年掛けて14世紀に完成したと言われています。そのせいか、幾つかの後期らしき絵は、明らかに画力的に進化して見えます。この「車輪の上のキリスト像」もそうで、デッサン力が確実に向上しています。
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例えばこちらは、初期の制作と思われる壁画。
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こちらは後期らしい、内陣近くの楽人天使。ルネッサンス期の絵画に近付いて見えます。
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洗礼者ヨハネかと思ったら、キリストを背負って川を渡ったと言われる聖クリストフォロスだそうです。
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壁画は、かつては床すれすれまでびっしり描かれ、壁面全てを覆っていたようです。
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ありとあらゆる意外な場所に壁画が残っており、隈なく観察しなければなりません。
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南側廊と礼拝堂の間のアーチ上には、ケルトっぽい文様が。
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そのアーチの下にも聖人像。
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やっぱりこの教会にも、不思議な壁の窪みがあります。今は、子供達の遊戯スペースになっていますが。
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その上の梁部分にも天使の壁画。スペースを生かした構図の、中々躍動感のある絵です。
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壁画の次に特筆すべきこの教会の特徴は、「hagioscope ハギオスコープ」と呼ばれる、内陣から南側廊へ続く長~い壁のトンネル。「ハギオスコープ」は、日本語では「祭壇遥拝窓」と訳されますが(益々訳分かんないですよね…)、内陣が見えにくい側廊や翼廊等からでも、礼拝中に祭壇が見えるよう設けられた壁の覗き穴だそうです。ここのは2.7mと異様に長く、本当に祭壇が見えるのに役立つかは謎です。
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クリスマス時期じゃなかったけど、ハギオスコープの前にはニット製のnativity(キリスト降誕のシーン)が。手編みの毛糸のnativity人形は、イギリスでは一般的だそうです。
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ハギオスコープの上部が、丁度鐘楼部分になっています。このワイヤーは、鐘を鳴らす為の装置。
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東側の内陣と礼拝堂には、壁画はほとんど残っていません。
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祭壇の、この教会唯一のステンドグラス。
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期待した通り、小さいながら非常に見所の多い教会でした。もし興味を持たれたら、是非ハードハム村の聖ボトルフ教会と両方御覧になることをお勧めします。





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by piyoyonyon | 2017-04-24 15:30 | 旅行・お散歩 | Comments(0)

結婚記念日にライ 2

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今年の結婚記念日に訪れたのは、イースト・サセックス州の中世の雰囲気を色濃く残す人気の町Rye ライ。昼食を取った後、アンティーク屋(と言うかジャンク屋)巡りをしています。
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唯一現存している城門を通って、旧市街地(かつての市街壁内部)に入ります。
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城門のすぐ脇のお店。良く見ると、結構趣味の悪い物を売っています(笑)。
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真っ平らな土地の中で、ライは島のように盛り上がった高台の上に築かれています。
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かつては実際海に囲まれていたようで、「Cinque Port シンク・ポート」と呼ばれる、中世の最も重要な港の一つでした。
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イギリスでは珍しくなって来ている石畳も、ライの旧市街地には多く残ります。
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ただし、フリントと言う漬物石のように丸い石が並べてあり、幾ら足裏マッサージに良いと自分に言い聞かせても、半端ない歩き辛さです。
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そんな石畳の通りの中でも、町のアイコン的な老舗ホテル「Mermaid Inn 人魚亭」のある、特に観光客率の高い「Mermaid Street 人魚通り」。
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中世の町並みらしさの決め手は、やはり重厚な木組みの家。
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これが人魚亭です。かつては、密輸入者や密入国者のアジトだったと言われています。
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一方「The Mint」と言う通りに在る、人魚亭と共に密輸入犯罪集団の根城だったらしい「Bell Inn」。どちらも内部には、逃走する為の秘密の地下道もあったとか。
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この教会近くの家の煙突は、にょろんと曲がっています。
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丘の一番高い部分に、教区教会「St. Mary Church セイント・メアリー教会があります。
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ノルマン時代に起源を持つ歴史の古い教会ですが、この教会で思い出すのは、以前内部で聖歌隊?の子供達が、忘れ難い程強烈に下手な合唱を練習していたこと。しかも、曲目は何故かABBAの「マネーマネーマネー」! …お布施しろってことか?
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教会の周囲には、古い建物が集まっていて特に良い雰囲気です。
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結局回る場所は、毎回同じ(笑)。旧市街地の南東端には、13世紀にフランスに対して築かれた要塞「Ypres Tower イプレス塔」が残っています。
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元々は、市街壁の一部だったとか。牢獄だったり、一般住居だった事もあるそうです。今は内部は、資料館になっています。
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塔の手前は、かつての砲台で、今は「大砲公園」になっています。
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南西の低地には、チューダー時代の要塞「Camber Castle カンバー城」が見えます。
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やっぱりライは、結婚記念日や誕生日等、何かお祝い事に訪れるのに相応しい町です。勿論そういう町は、何でもない日に訪れても十分素敵です。でもやはり、快晴の日に訪れるのが正解みたい。小さな町なので、アンティーク屋巡りや食事かお茶の時間を入れても、3~4時間あれば、ゆっくり一周することが出来ます。
  




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by piyoyonyon | 2017-04-19 15:23 | 旅行・お散歩 | Comments(2)

谷間の愛らしい村ウェスト・ウィコム

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ノーサンプシャーの「Brackley ブラックリー」のアンティーク・モールを訪れた後は、町自体を散策する予定でした。古いマーケット・タウンで、歴史的な建物が並ぶ…と聞いていたのですが、実は在るのは一般立ち入り禁止の幾つかのお金持ち学校ばかりで、町行く人も少ない、何だかとても眠~くなる町でした。賑やかだったのは、結局アンティーク・モールだけ(笑)。特に、中心に立つ町のアイコン的な建物タウン・ホールが、まるっと改装中で、足場とビニール・シートで覆われていたのが、この町の印象を数段つまらなくしたと思います。となれば、もうこの町に居る理由はないのですが、帰途に着くには未だ早過ぎました。そこで、別な町へ移動しようと言う事になり、候補は「マザー・グースの歌」にも登場する近くの「Banbury バンベリー」か、帰路の途中の「West Wycombe ウェスト・ウィコム」でしたが、結局ウェスト・ウィコムを選びました。
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ここは、村全体の大部分が、ナショナルトラストの指定になっており、高速道路の出口からも割と近いので、いつか訪れたいと思っていました。
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高速を降り、しばらく森や丘陵地帯を通って村に近付くと、満開の桜並木がお出迎え。その上、小高い丘の頂上には、何だか迫力ある不思議な建物が目に入って来ます。…これは面白そうで期待出来そうな村です。
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村名は、「High Wycombe ハイ・ウィコム」と言う大き目の町の、西に位置する為に名付けられました。「ウィコム」は、Wye ワイ川(イギリスに幾つか存在する川の名前)沿いの谷間を意味するそうです。その名の通り、谷に沿った目抜き通りに、古い家並みが寄り添う小さな村です。
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16世紀からの、様々な様式の建物が集まっているそうです。
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こちらのパブ「The Swan 白鳥亭」は、歴史的建造物2級指定。
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何故かこの村には、ドアや窓枠を緑色にペイントした家が多くありました。
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昔ながらのイギリスらしい店構えの駄菓子屋さん。看板の書体も、イギリスらしい物です。
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村の中でも、一際目立つ木組みの家。屋外の公共場の時計が正確なのは、イギリスでは非常に珍しい!
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この建物の下を潜ると、「Church Lane 教会の小路」と呼ばれる公道が続いています。どうやら、丘の上の教会に通じているようです。
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到着した時には既に夕方の5時近くでしたが、人気の観光地らしく、丘を散策している人が未だやたら沢山います。我々も、丘の上の建物を目指すことにしました。
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こんな小高い丘が村のすぐ側に存在すること自体、イギリス南部では結構珍しいかも知れません。
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この見るからに印象的な丘は、太古から人々の関心を集めていたようで、青銅器時代の居住地跡や、ストーンヘンジに似た祭殿跡があったと言われています。その後、ローマ時代にも神殿が建てられていたと信じられ、またアングロ・サクソン時代からは、丘の中腹に「Haveringdon」と呼ばれる村が存在したそうですが、14世紀の黒死病(ペスト)の猛威に寄り、ほぼ消滅したそうです。
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この丘は、red kite=赤鳶を観察するのに絶好なスポットとしても、知られているそうです。確かに、何羽かの赤鳶が上空を飛び回っていました。とても大きな鳥なので、羽を広げて飛ぶ姿には圧倒されます。これじゃあ、ウサギや野ネズミ等の小動物は、ここには住めないだろうなあ…。
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丘の頂上の謎の建物に到着。全体的には八角形をしています。…ん?外壁だけで、中は吹き抜けです。
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コリント柱のあるジョージアン様式で、壁にはフリントと言う石が埋め込まれています。
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上部には、中々凝ったレリーフ装飾が。
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内部には入れませんが、鉄格子越しに中を除いて見ると、壁には墓標が幾つかはめ込まれてあり、巨大なmausoleum=霊廟であることが分かりました。すぐにP太は、「地元のお金持ちが自分の一族の為に建てたんだろう」と言いましたが、幾ら資産家とは言え、こんな大それた物を個人で建てるのか?? 日本の藩主の霊廟を遥かに超える規模だぞ、と私には信じ難く思われました。
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しかし、「きっと自分の屋敷から見える場所に、この霊廟を建てたはずだ」とP太が言う通り、谷の反対側の丘の斜面にはお屋敷が見えました。この館、「West Wycombe House ウェスト・ウィコム・ハウス」と言い、「ダウントン・アビー」を始めとするTVドラマや、「ある公爵夫人の生涯」等の映画の撮影にも度々使用されているそうです。噴水等の水場を生かした庭園が見所の、「ウェスト・ウィコム・パーク」と呼ばれる広大な敷地の中にあります。霊廟も屋敷も、18世紀の政治家で第11代ル・ディスペンサー男爵Francis Dashwood フランシス・ダッシュウッドが建てたもので、屋敷の一部には今でも子孫が住んでいるとか。今はナショナルトラスト管理下なので、夏に機会があれば(冬季は閉鎖中)、訪れてみたいと思います。
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フランシス・ダッシュウッドは、金に任せて放蕩の限りを尽くした根っからの道楽者で、古代ギリシャやローマの芸術を研究する「ディレッタンティ協会」、また「地獄の火クラブ」と言う秘密組織の創始者&主催者でもありました。地獄の火クラブは、修道院の廃墟を改造した秘密基地で、黒ミサ紛いの行為も行う怪しい組織でしたが、実際には名前ほど邪悪ではなく、単なる貴族のおふざけに過ぎなかったそうです。とは言え、羽目をはずした乱交パーティーだったのには違いなく、ダッシュウッドはそれまでの不摂生が祟ったのか、晩年はすっかり健康を害してしまったそうです。
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丘の上からは、先程村に入る際に通って来た桜並木を見下ろすことが出来ました。
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霊廟の少し先に、教会があります。やはり18世紀にフランシス・ダッシュウッドに寄り建てられたもので、正式名を「Church of St. Lawrence 聖ローレンス(ラウレンティウス)教会」と言います。古代には、原始宗教の祭壇が立っていた場所だと信じられています。麓の村の端にあるSt. Paul's Church聖パウロ教会が「冬の教会」と呼ばれているのに対し、こちらは「夏の教会」とも呼ばれているそうです。1920年代に聖ローレンス教会に自動車道が通じるまでは、冬季はこの丘を登って教会に通うのが不便過ぎた為のようです。
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尖塔の先に金色のボールが付いた、ちょっと独特な建築様式。歴史的建造物一級に指定されています。残念ながら、入り口のドアには鍵が掛かっていて、内部は見学出来ませんでした。
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何故か墓石の写真を熱心に撮っている男性が居る…と思ったら、猫の石像が付いたお墓でした。この猫は、ガーデン・アクセサリーとして普通に売られている物だと思いますが、墓に使うとはちょっとしたアイディアですね。私も真似して写真を撮っていたら、他の観光客のおばあさんに笑われてしまいました。念の為、被葬者は猫ではなく、生後11ヶ月の乳児のようです。1931年に亡くなったことを考えれば、この乳児の親が存命しているとは思えませんが、今でも良く手入れされている様子を見ると、きょうだいかその子孫が、今も欠かさずお参りしているのかも知れません。
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霊廟の裏側は、装飾が簡素化されていました。この霊廟、夜はライトアップされているようです。去り際に車のバックミラー越しに少しだけ眺めましたが、丘の上に浮かび上がる巨大な建物は、かなり迫力。
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この丘からは、ハイ・ウィコムに続く真っ直ぐな道路が見えます。
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丘の中腹には、通称「ウェスト・ウィコム洞窟」、正式名「Hellfire Cave 地獄の火洞窟」があります。やはり18世紀にフランシス・ダッシュウッドに寄って作られた人工洞窟で、こいつの余りに馬鹿げた金の使い方に、腹立たなくもありませんが(笑)、今はこうして村の観光資源に貢献している訳ですし、概して文化って、そういう享楽の時代に発達する物かも知れません。
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村自体は、正に記念日に訪れるのにピッタリな、本当に素敵な雰囲気で気に入りました。もっと暖かい季節に、また来てみたいと思います。しかし桜並木は、この季節だけの御褒美でした。
  




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by piyoyonyon | 2017-04-10 15:35 | 旅行・お散歩 | Comments(2)

森の中のワース教会

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イギリスで貴重なサクソン教会の多くは、今は時代に取り残されたような意外な場所にあります。この「Worth Church ワース教会」もそんな一つで、ガトウィック空港の南のCrawley クローリーと言う町の外れの普通の住宅街に、結構いきなり現れます。
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教会の入り口には、日本の寺院の山門のような門があります。
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そして教会は、墓地、更に林に囲まれています。この林は、かつては「St. Leonards Forest 聖レオナルドの森」の一部だったと思われます。長閑で平穏そのものの場所に見えますが、今や周囲はすっかり住宅地に開発され、また空港や高速道路も近い為、実際には静かとは言い難いロケーションです。
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ここは元々は「ワース村」でしたが、今はクローリーに吸収合併されています。クローリーは戦後発展した味気ない新興の町なのに対し、ワース自体は歴史が古く、今でも結構瀟洒なお屋敷街で、住民は誇りが高いらしく、クローリーとは別個に「ワース」と名乗ることを好むようです。
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正式名称を、「St. Nicolas’ Church 聖ニコラス教会」と言います。「サクソン教会」または「アングロ・サクソン教会」と呼ばれる物は、起源をアングロ・サクソン時代(5世紀から1066年のノルマン征服まで)に持つだけで、実際には建物の大部分は後世に改増築された場合が多く、サクソン時代の建造物を多く残す本当のサクソン教会は、イギリス中に20~30しか残っていないようです。その点この教会は、非常に貴重な真のサクソン教会で、ウィキの「イギリスで最も古い建物のリスト」にも掲載され、国内の現役で使い続けられている教会としては11番目に古く、恐らく東西両セックス州の現存する教区教会としては最古、南東部全体でも最も古い教会の一つと考えられます。
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教会は、紀元950年に建てられたと言われています。その後のノルマン時代に、ウィリアム征服王の娘婿William de Warenneにこの地一帯が与えられて以来、代々彼の一族の庇護を受けて発展したようです。
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この窓は、典型的なサクソン様式。身廊の天井に近い上部にあるのは、珍しいそうです。
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この北側の塔と、反対側の南側の木製ポーチのみは、19世紀に建てられた比較的新しい建築物です。
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12月だったのに、墓地では寒桜か何かが咲いていました。
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一昔前のイギリス人は、墓石を安定良く立てる習慣、または技術がなかったらしく、古い墓石の多くは大きく傾いていて、イギリスの墓地は概ねゾンビ映画の撮影が出来そうな荒れた状態に見えます。フィンランド人の義母に言わせると、イギリスの墓地の無整頓ぶりは見苦しいそうです。墓地不足なのは日本同様ですが、御覧の通り一区画の境界線すらない場合がほとんどで、土地を無駄に使っているような気がします。墓地の中には、時折ケルト十字型も見掛けます。先祖がケルト系(スコットランド人、ウェールズ人、アイルランド人、コーンウォール人等)だからなのかは分かりません。
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こちらの木の周りは、死産した子供達の墓標を集めた場所。ここ10年以内の物ばかりで、今でも死産は多いのだなと思いました。
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中に入ってみましょう。綺麗に明るく改装されていて、一見そんなに歴史の古い教会とは気付けません。奥の内陣手前のアーチは、現存するサクソン時代の教会のアーチとしては、国内最大級の物。
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村の教会としては相当立派な、パイプ・オルガンもあります。元は、身廊北側の壁に設置されて、もっとパイプが長かったそうです。
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この非常に背の高い狭いアーチは、身廊の両側に付いていて、元は全て外側に開いていたそうです。用途は今だはっきりせず、一説に寄ると、もしかしたら馬に乗ったまま教会に礼拝し、そのまま反対側から出て行く為の出入り口だったんじゃないかと(…そんなの失敬じゃないのか?)。
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サクソンやノルマンの教会建築は、何故か壁に不可解な窪みの開いていることが多く、元々は十字架等を祭る祠だったのかも知れませんが、今は教会側や信者に寄って、大抵ディスプレイ・スペースになっています。
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13世紀の石製の洗礼盤。実は、それぞれ側面の彫刻のデザインが異なります。
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内陣・祭壇部分。クリスマス時期だったので、ツリーが飾られていました。
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極力小さく取られた窓が、ゴシック以前の教会建築の特徴を伝えています。1870年に火災に遭った為、木製の天井はヴィクトリア時代に葺き替えられました。
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クリスマス時期だったから、nativity=キリスト降誕の場面を描いたミニチュア・モデルも展示されていました。これは陶器製のようです。
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南礼拝堂には、大変古めかしいチェストが。念の為、棺桶ではありません。17世紀初頭の物で、当時大変貴重だった紅茶葉を保管しておく為のチェストだったと言われています。
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その横にも、アンティークのチェスト。上に積み上げられた、中途半端に古臭いスーツ・ケースのほうが気になります(笑)。
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北礼拝堂の窓のステンドグラスは、この教会で最古の物(12世紀)。
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身廊南側のステンドグラス。
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こちらの内陣南側のステンドグラスは、キリスト教の三元徳の内、「信仰」とそれを象徴する十字架、「希望」とそれを象徴する碇、の二つを描いた物。残り一つの「慈愛」は、何故かナシ。
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贅を尽くして権威を誇った有名な大聖堂も勿論面白いけれど、海外の旅行ガイドブックには決して紹介されないような、実際訪れてみない限り興味すら沸かない、小さく地味な古い教会の特徴や歴史も、やはり非常に面白いと感じました。今後も機会がある限り、サクソン教会を訪れてみたいと思います。
 



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by piyoyonyon | 2017-03-31 15:28 | 旅行・お散歩 | Comments(0)


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。


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