アーツ&クラフツの館ワイトウィック・マナー 2

P太と義母とのシュロプシャー小旅行で、ナショナルトラスト管理の、アーツ&クラフツの国家的なコレクションを誇る館「Whightwick Manor ワイトウィック・マナー」を訪れています。
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この館は、地元の裕福な工場経営者セオドア・マンダーの邸宅として、19世紀末にエドワード・オールドの設計で建てられました。マンダー家は、産業革命で財を成した、フランス風に言うとブルジョワ階級でしたが、当時としては非常に自由で革新的な家風だったようで、そのリベラルさは、館を相続した長男で国会議員だったジェフリーに受け継がれました。館の外観自体は、部分的にチューダー時代の木組みの家を模してあり古風ですが、内部は電気化や水道、セントラル・ヒーティング、水洗トイレ等の最新式の設備が整い、またアーツ&クラフツと言う流行最先端のインテリア装飾をふんだんに取り入れていました。しかし保守的な(この時代のほとんどの)人達にしてみれば、斬新過ぎて軽薄な成金趣味に見えたかも知れません。
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正面玄関を入ってすぐ左手にある、簡素な(これでも)小部屋のような空間。レセプションか待合室だったのでしょうか。
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ガイドツアーでまず案内されたのが、玄関入って右手の「Drawing Room」です。名前からしてデッサン室のようですが、実質的には女性客の為の談話室でした。
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家具や丁度は、ほとんどアーツ&クラフツ尽くし。多くをロンドンのモリス商会に発注していましたが、今と違って、オンライン・ショッピングでサクッとオーダー出来る訳ではないので、まずカタログを郵便で取り寄せ、サンプルを取り寄せ、いかに贅沢&面倒であったかが想像出来ます。
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壁紙(布)は、モリス商会の羊毛&絹製の織地で、建設当初のオリジナルです。
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天井のレリーフも、こんな風に凝っています。
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出窓のステンド・グラスの図案は、四季を表しています。
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暖炉の装飾も、また凝っています。脇のタイルは、ウィリアム・ド・モーガン作。
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ピアノの上には、モーガンの陶器の皿が。モーガンは、芸術だけでなく化学にも精通しており、ラスター加工は彼が発明した技法で、当時としては画期的でした。その上の絵画は、ウィリアム・モリスの美人妻ジェーンの肖像画。顔はロセッティ(愛人)によって描かれましたが、鮮やかな赤毛は、後にフォード・マドックス・ブラウンによって描き加えられました。この他にも、今年は女性が参政権を得て100年に当たる為、それに因む展示がされていました。
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戸棚の中に、カスタード色の吹きガラスのエパーンが見えます。さすがに確かめていませんが、ウラン・ガラスかも知れません。
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椅子に乗せられた小さな黒猫クッションは、「ここは勝手に座っても良いよ」と言うサイン。現代作られた物ですが、わざわざアーツ&クラフツ柄の布地にアップリケしてあります。
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実はこの壁には隠し扉があり、セオドアのカナダ人の妻フローラの個室に通じています。彼女は人見知りだったそうで、会いたくない客が来ると、ここからこっそり逃げ出したそうです。
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「Drawing Room」の隣は、最初は晩餐室だった部屋。その後手狭になった為、他に晩餐室を儲け、ここは図書室兼書斎に改造しました。
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この部屋も、暖炉の装飾は一際凝っています。暖炉は部屋の装飾の要のような存在で、和室で言うと床の間のような物かも知れません。
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晩餐室の名残りで、廊下から配膳の為のハッチが開いています。
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部屋だけでなく「Hall」と呼ばれる主廊下にも、ラファエル前派の絵画が盛り沢山。これはジョン・ロダム・スペンサー・スタンホープの「救出」。
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このジョン・エヴェレット・ミレーに寄るシェイクスピア劇の「オセロー」は、はっきり言って下手と言われています。確かにオセローの目が変! どうした巨匠??
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ウィリアム・モリスその人のレリーフ。
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興味深いのは、モリスの友人フィリップ・ウェッブの絵画。建築家として有名なウェッブが、絵も描いていたとは知りませんでした。
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図書室の隣は、朝日が燦燦と降り注ぐ朝食室です。平面図を見ると、他の部屋に対して平行・垂直でない、微妙にズレた変な配置で建てられています。食事毎に部屋を使い分けるなんて、庶民には理解出来ない贅沢さですが、実際には家族だけの夕食の際は、ここを使用する事もあったとか。
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この食器棚は、この館そのものよりずっと古い、16世紀の物を移築したのだそうです。
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最初に建てられた部分は、これで一先ず終了(二階と厨房等のサービス室除く)。続いてガイドツアーは、増築部分を廻ります。





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by piyoyonyon | 2018-07-04 15:31 | 旅行・お散歩 | Comments(0)


こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。


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