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本当に怖いイギリスの手術 後編








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by piyoyonyon
| 2017-12-31 15:12
| イギリス生活・文化
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本当に怖いイギリスの手術 中編







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by piyoyonyon
| 2017-12-30 15:24
| イギリス生活・文化
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本当に怖いイギリスの手術 前編
昨年末、手術を受けました。イギリスでの手術としては二回目、全身麻酔の手術としても二回目です。命に関わるような症状では全くありませんでしたが、別な意味で非常に大変な手術でした。説明するととんでもなく長くなるし、自分で思い出すだけでもウンザリしますが、忘れる前に(決して忘れるとは思えないが…)記録の為に書き留めて置こうと思います。

昨年の秋から、腹部(ヘソの横10cm程)の皮膚にある「アテローマ(粉瘤腫)」と呼ばれる腫瘍が、腫れて直径5cm程に膨れ上がり、寝返りも打てない程痛み出しました。元々其処には10年位前からアテローマがあり、初めて腫れた際は日本で膿を出す治療を受けたものの、完全に治した訳ではない為、その後も数度、主に極度に精神的なストレスが溜まった時に腫れて痛みました。それを避ける為には、膿が溜まる袋ごと皮下から取り出す、結構本格的な手術が必要だと言われていましたが、今までは数週間程度で自然と腫れは引いて行き、手術を受けるまでには至りませんでした。ところが今回は、2ヶ月近く経っても腫れが一向に収まりませんでした。

医者(国民健康保険の利く)に診て貰うにしても、イギリスでは最初から個人で大きな病院や専門医に掛かれる訳ではなく、必ずGP(家庭医)からの紹介が必要なのです。そのGPへは、予約から診察まで1週間~2週間掛かります(大抵は診察を受ける前に治っちょる)。そして、GP側はなるべくお金を掛けたくないので、最低限の診察と治療しかしません。いや、出来るだけ診察を避けます。今回も、どうせ「とりあえずこれで様子を見ましょう」と言われ、効きもしない抗生物質を処方されるだけだと分かっていたので、どんなにオデキが痛んでも、行く気は全くしませんでした。しかしP太に再三急かされ、仕方なく医者に行くと、やっぱり思った通りでした。そして抗生物質はやはり全く効かず、只胃腸の調子が悪くなり、吐き気がして余計苦しくなっただけでした。

そのうち、愛猫トラちゃんを突然失わなければならなくなりました。相変わらず腹のオデキは痛んだものの、もう悲しさでどうでも良くなりました。しかしまたしてもP太に泣き付かれ、しぶしぶ医者へ行くと、またしても抗生物質、しかも前回のが効かなかったので、更に強い薬を処方されました。只でさえ、トラを失ったショックで食欲も失せ、体力気力共に弱っていたのに、この強い薬ですから、具合が非常に悪くなりました。とうとう耐え切れず、抗生物質の服用期間が終わる前に、再びGPに訴えると(さすがにこの時は相当ヤバかったらしく、すぐに診察してくれましたよ)、病院を紹介して数日後に手術を受けるられるよう手配してくれました。

その大きな病院は、うちの周囲では唯一の救急病院で、かつてイギリスのワースト1位に輝いた事がある悪名高き病院でした。だからと言って、この国では勿論患者に病院の選択は許されません。待ち時間や対応、利便性、衛生状態など総合的な点で最悪だった訳ですが、7、8年前の得点なので、今は反省して清潔に改装されているようでした。イギリスの病院で長く待つ事は必須なので、さすがに待合室の椅子は、日本の病院の長椅子よりは快適な肘掛椅子等になっていました。

その日は、P太が有給休暇をとって一日中付き添ってくれました。まず看護師さんに呼ばれて、血圧や体温を計り、アレルギーの確認を受け、血液を採取されました。その量が、何だか不必要に大量に思えました。更に、いつでもすぐに手術を受けられるよう、手の甲に痛い点滴用の針が刺されたままでした。只でさえ相当体調が弱っていたのに、採血後には実際卒倒する程気分が悪くなり、しばらく貧血と腹痛でトイレから出て来れず、P太を心配させました。症状を治す為に来た病院のはずなのに、返ってこんなに具合が悪化したのは、勿論生まれて初めての経験です。その後、待合室の椅子で、他の患者の子供がギャン泣きしているのにも関わらず、気絶したように爆睡しました。

しばらくして、やっと医者に呼ばれました。そこで症状や自分の体質(アレルギー等)に付いて説明し、手術について説明を受けました。アテローマの袋ごと取り去る手術をするので全身麻酔になるが、入院のベッドの空きはないから、術後はその日の内に帰宅する事になるそうです。全身麻酔で外来とは聞いた事がありませんが…、日本では信じられない事の起きるのがイギリスです!

では、次はいよいよ手術かと思いきや、再び別な医者に呼ばれ、同じようにインタビューされました。その後も別な医者に呼び出され、同じ質問をされ…、これが4回位繰り返されたでしょうか。午後5時位になった時、とうとう「今日は手術出来ないので、明日の朝8時にまたこの病院へ来てください」と告げられました。…え? えええ?? 結局その日は、単に病院で益々具合が悪くなり、精神的にも非常に疲労困憊した状態で帰宅しただけでした。手の甲の点滴用の針は、さすがに帰宅の際に抜き取って貰いましたが、その箇所はその後数週間痛みました。(以下次回に続く)
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by piyoyonyon
| 2017-12-29 15:11
| イギリス生活・文化
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イギリスの地名の基礎知識


イギリス中で、非常に良く見掛けます。ドイツ語の-burg、フランス語の-bourgに相当し、防衛の為の囲い(堀や土塁や塀)、従って近世以前の城砦そのものや城壁(市外壁)を指します。ただし、例えこの単語が付いていても、城下町や城壁都市ばかりではなく、実際には市外壁を持たない、遺跡すら残ってもいない町や村もあります。しかし、かつては簡易な木柵等で囲まれていたのかも知れません。因みに、先史時代の要塞遺跡には、「ナントカburyリング」や「ナントカburyキャンプ」と名が付くところが多いようです。

「囲い地」「屋敷」「荘園」「居住区」を意味し、長じて「town=町」の語源となったようです。

「農場」や「屋敷」、「定住地」を意味します。hamlet(villageより小さな集落)と同じ語源です。ドイツ語の「-heim」に相当。とは言え今は、大都市に成長している例も多く見掛けます。SouthamptonやNorthampton、Littlehamptonの「-hampton」は、「-ham」と「-ton」の合体形です。
《-don》 例:London, Swindon, Croydon
「丘」を意味します。ただし反対に「谷」を指すこともあり、Croydon の由来は「crocus valley クロッカスの谷」だそうです(…今の街の様子からは全く想像できん!)。ついでにSwindonは、「豚の丘」が由来。念の為、豚は富の象徴で、プラス・イメージだったそうです。
《-den》
「谷」や「窪地」のことです。現在の「den」は、巣穴等を意味する単語ですが、関連しているのかも。しかし、こちらも全く逆の「丘」を意味する場合があるそうです。どういうことだ。ケント州のMaidstoneの南には、「 -den」の付く村が沢山あります。要するに凸か凹かは、現地へ行けばハッキリすると言う事ですね…。

やはり「谷」を差します。Barcombは、「ブリトン人の谷」の意味。

riverよりも小さい、「stream, brook=小川」よりは大きい川を意味します。この名前の付く町には、川が流れていると言う訳です。Winterbourneと言う地名も良く見掛けますが、雪解け水や冬の長雨で、冬期のみ現れる川のことのようです。

現在でも通用する英単語で、川や湖沼などの、橋無しで渡れる「浅瀬」を意味します。ドイツ語の「-furt」に相当します。この名前の付く町は、大抵浅めの水辺にあります。勿論今は橋が架かっていると思いますが、古くから橋のある町なら、「Cambridge=ケム川に架かる橋」「Edenbridge=エデン川に架かる橋」のような名前になることが多いはずです。シェイクスピアの出身地で有名なStratford (upon Avon)は、ラテン語の「strat=道」と「ford」が合体した名前。

これも、いかにもイギリスらしい地名。古代ローマ帝国の言語、つまりラテン語の「castra」を元に古英語化した言葉で、城や要塞や基地を意味します。つまり、この地名の付く町には、かつてローマ軍の駐屯地があった場所で、今でも古代ローマの遺跡が残っているはずです。ローマが去った後には大聖堂が築かれ、現在は州都クラスの大きな都市に成長している例が多いと思います。

「島」を意味します。現在は内陸であっても、低地か干潟で、かつては島、または満潮時や洪水時に島状態になる湿地帯であった場合が多いようです。Elyも、そのバリエーション。
《-ley》 例:Barnsley, Bromley, Swanley
元は「leah」と言う古英語で、森を切り開いた土地、「森の中の開拓地」の意味。盆地のような地形の場所が多いようです。「-leigh」も同意語。

ラテン語や古英語で、「農場」とか「場所」を意味します。ただしヴァイキング系の言葉では、-wickは「湾」「入り江」を意味する言葉から来ており、Yorkの古名「Jorvik」は、これに基づくそうで、川の湾曲部をも指すのかも知れません。

動詞の現在進行形のような町名を、イギリスでは結構見掛けます。これは、古英語の「ingas」が語源で、「people of~(~の人々)」を意味し、つまり人が集まる場所を意味しているようです。ドイツ語の「-ingen」に相当。Hastingsも、その一種。BirminghamやNottinghamは、「 -ing」と「 -ham」の合体形です。
《-pool》 例:Liverpool, Blackpool
「港」を意味します。この名の付く町は、古くからの港町です。

古英語で市場を意味し、古いマーケット・タウンであることを示しています。ただしウィルトシャーの「Chippenham」は、人名から付けられたもので、この語源には当て嵌まらないそうです。
《shep, ship》 例:Shepshed、 Shepton Mallet、Shipley
船ではなく、古英語で「sheep 羊」の意味。
《-minster》 例:Kidderminster, Leominster, Wimborne Minster
「minster」は、大聖堂に近い大きな教会や修道院のことで、ドイツ語の 「Münster」と同じ。単に「Minster」だけの地名も見掛けます。

「丸い丘」を意味し、時に埋葬地、すなわち古墳を指すそうです。日本の宝塚市等の、「塚」のような言葉かも知れません。Lewesも、その変化形だとか。
《-kirk, Kirk-》
古いヴァイキングの言葉で、「教会」を意味します。なので、ヴァイキングが襲撃、または定住した地域に残り、イギリス南部ではまず見掛けません。地名の頭にも、語尾に付く場合もあります。

これで「thlan スラン」に近い発音で呼ばれます(現地人以外は絶対に正確に発音できません!)。ウェールズに大変多い地名。言い換えれば、これで始まる地名があれば、そこはウェールズです。「教会」や「教会のある村」を指します。
《magna》《parva》 例:Appleby Magna, Appleby Parva, Chew Magna
ラテン語でmagnaは大きい、 parvaは小さいを意味します。イギリスの田舎で良く見掛ける、「Great~(大ナントカ村)」や「 Little~(小ナントカ村)」と言った地名と同じ意味。ただし英語の文法と違い、名詞の後に形容詞が付きます。現在は、何故かレスターシャー周辺に多く残る地名。今でも村か集落ばかりで、これらが付く大きな町はありません。「大ナントカ村」のある側には「小ナントカ村」があるものと思いきや…、片方がGreatまたはLittleに変わってしまっていたりで、必ずしもmagnaとparvaで1セットとは限らないようです。
《-cot》 例:Ascot, Didcot,
古英語で「cottage コテージ=小さな家、田舎家」の略。ただし、ケルト系の言葉で森を意味する「Coed」、 または「Coet」を由来とする場合もあります。

主に南イングランドで、通り名やお屋敷名に付くのが見られる名称。サクソンの言葉で、「森のある丘」を意味するそうです。

「囲い地」を意味します。特権階級者等の、広大な領地を指すことが多いようです。
《-wolt 》 例:Stow-on-the-wolt
「標高の高い森林地帯」のことで(日本で言えば山林ってとこか)、南東イングランドに広がる丘陵森林「weald」と同じ意味です。ドイツ語の「Wald」も同源。
《-le-、-en-le-》 例:Chester-le-Street、Chapel-en-le-Firth
こんなまるで偽フランス語のような地名を、イギリスのあちこちで見掛けます。11世紀のノルマン征服後に伝わった、ノルマンディー・フランス語が元ではないかと考えられていますが、未だはっきり解明されていません。使い方は、「of ~の」とか「near ~の近くの」の代わり。

古英語で船着場の意味。例え内陸にあっても、船着場が存在するはずです(またはかつてあった)。

古英語で「北」を意味します。ノーフォーク州の州都Norwichは、大体「北の町」のような意味です。
《Sud-, Sut-》
古英語で「南」を意味します。イギリス各地で見掛けるSuttonと言う地名は、「南の町」を意味します。



それでは皆様、良いお年を。
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by piyoyonyon
| 2016-12-31 15:23
| イギリス生活・文化
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こんにちは! ぴよよんです。英国から蚤の市等で出会った愛しのガラクタ達を御紹介する雑貨手帖も2冊目となりました。1冊目と共に宜しくお願い致します。
by piyoyonyon
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